「遠くへ行きたい」50周年SPで竹下景子、春風亭昇太、鈴木ちなみが番組初の3人旅2020/10/03
放送開始から50年を迎えた、日本テレビほかで放送中の旅番組「遠くへ行きたい」(読売テレビ=日曜午前7:00、日本テレビ=日曜午前6:30)では、10月4・11日の2週にわたって50周年スペシャルを放送する。
今回の旅人は竹下景子、春風亭昇太、鈴木ちなみの3人。番組史上初となる3人旅に挑戦する。過去に番組が訪れた場所や都心の意外な穴場に足を運び、さらに2500回を超える旅から選りすぐり&貴重な映像を振り返るスタジオトークやタイムマシンに乗って、50年の歴史を振り替える前・後編をおくる。
10月4日の「遠くへ行きたい50周年スペシャル~前編」では、上野駅の中央改札口から旅がスタート。ここは1970年の第1回放送時に、永六輔さんが最初に旅立った場所だ。上野公園内にある「伊豆栄 梅川亭」の特設スタジオから3人がVTRを見ながら、50年間の番組の歴史を振り返っていく。
70年代を中心にした「あの女優たちの旅姿」では、20代の倍賞美津子や梶芽衣子、松坂慶子の旅姿が、「驚きの瞬間に出会った!」では、16年に柴田理恵が北海道で出会った驚きの光景、「そこでしか味わえない料理」では、82年に渡辺文雄さんが広島で体験した野趣あふれるタケノコ料理などを紹介する。さらに、番組では多くのアーティストも旅をしてきたが、76年、神奈川の湘南を旅する松任谷由実(荒井由実)は、地元の方と気さくにおしゃべりをする姿が印象的だ。
また、自分の旅姿を見ての、今だから話せる秘蔵インタビューも。武田鉄矢は、故郷への旅がその後の仕事に大きな影響を与えたと振り返る。宮本信子は、新婚時代に伊丹十三さんと旅した京都の映像を見ながら「はずかしい、でも幸せな気持ちにもなる」と語る。
そして3人は、永さんが37年前に訪れた、東京・神田明神前の甘酒屋「天野屋」へと向かう。創業は1846年。戦後に建てられたという趣ある建物は、年代物の掛け時計やアンティークに囲まれ、VTRの中の光景そのまま。永さんを案内した6代目の天野さんに3人は話を聞く。さらに、この場所では江戸時代から甘酒造りが行われてきたそうで、その秘密は、地下にあるという。今では天野さんと息子さんしか入れないその場所にカメラが潜入する。
10月11日の「遠くへ行きたい50周年スペシャル~後編」では、上野動物園のすぐ隣に意外なスポットがあると聞き、さっそく向かう3人。それは1627年創建の「上野東照宮」。徳川家康公をまつった神社で、日光まで行けない江戸の人たちのために日光東照宮に準じた豪華な社殿として建立されたもの。金色に輝く社殿と鮮やかな色彩の唐門は国重要指定文化財だ。普段も外観は見学可能だが、今回は特別に社殿の中にカメラが入る。
過去の名場面を振り返るVTRでは、「名優たちの一人旅」として、原田芳雄さん、三國連太郎さん、寺尾聡の個性的な旅の模様が登場。「遠くへ行きたい」視聴率NO.1の回が含まれているという「もう見られない風景パート1」では、78年の青森を走る五能線のなかで出会った行商のお母さんたちや、71年に出会った恐山のイタコなど貴重&迫力の映像が紹介される。「奥深い美味・珍味」のVTRでは、ウニの土瓶蒸しや焼きガニなど、おいしそうな料理中から、2010年の北海道旅で出会った珍しいごちそうをスタジオで試食する。
さらに「巨匠たちの不思議な旅」では伊丹十三さん、萩本欽一といった巨匠によるユニークで刺激的な旅も。中でも映画監督の今村昌平さんの旅のインパクトは強烈で、3人それぞれが「刺激を受けた旅」についてトークを行う。VTRの最後は「もう見られない風景パート2」。京都の市電や人形浄瑠璃など、変わりゆく日本の風景にしみじみと見入る3人。そして50年間の旅を振り返った3人があらためて発見したこと、またこれからの旅について語る。
番組に初出演したの46年前という竹下。「今回いくつものシーンを振り返り、あらためて大変な歴史を持った番組だとしみじみ感じました。特に1970年代の映像は、いまその場所に行っても同じものはないと思うものばかり。旅人のファッションもレイバンのサングラスに、ラッパズボン――『時代の証言』としても、この番組の価値は大きいですね。そこに時々参加させていただいたことの幸せをあらためてかみ締めました。『宝物のような番組』だと実感しましたので、そのぜいたくさをぜひ味わっていただきたいと思います」と番組の魅力を感じた様子。
そして「こうしてみると『旅はやっぱりいいなあ』思います。それに気持ち一つで、どこにでも旅はできるのですよね。特にコロナ禍の今は、家をちょっと離れるだけでも旅気分を味わえます。今回お邪魔した上野東照宮も『こんなに近くにこんな場所があるなんて!』と驚きましたし、これも立派な『旅』ですよね。少し前までは『インバウンド』という言葉が盛んに使われて、私たちもどこか旅ににぎわいやアグレッシブさを求めるところがあったように思います。でもこれからは、もう少しゆっくりと旅をしたいですね。その土地に住んでいる人たちの暮らしや生き方にもじっくり目を向けられるような、そんな旅ができればいいな、と思います」と旅への思いを語った。
昇太は「昭和の時代の、家の中の匂いまで思い出すような懐かしさ『遠くへ行きたい』の歴史は、旅番組の歴史の出発点でもありますよね。今回、昔の旅の映像を見せていただいて、『あ、子どもの頃見ていた風景はこんなふうだった!』と懐かしく思いました。昭和の時代の、家の中の匂いまで思い出されるような感覚があり、一視聴者としても楽しませていただきました。もしかしたら、50年分の映像のどこかに、あなたのおじいさんやおばあさん、お父さんやお母さんが映っているかもしれません。ぜひ永久保存版にしていただければと思います」と視聴者目線でアピール。
さらに「あらためて『ぜいたくな作りの番組だなあ』とも思いました。以前は3泊4日、今も2泊3日の旅で30分の番組を作っているわけですからね。僕は仕事で地方に行くことが多いのですが、いつも新幹線のチケットを早い時間に変えて、3時間前くらいに現地に着くようにします。お城が好きなので、まずお城を見て、街を散歩してから落語をやる。これ、結構重要なんですよ。地元のスーパーにちょっと寄って『さっき、○○屋に寄ってきたんですけどね』『こんなお惣菜あったんですけど、これなんですか?』なんて話すと、お客さんは『ええ? 行ってきたの!』って、ものすごく反応してくれる。270円くらいのお惣菜で、話すことが山ほどできるんです」とエピソードを明かし、「知らない土地のスーパーに寄るだけでも、立派な『旅』になるんです。何が旅になるかは、その人の心の持ちようです。『新しいものを見つけたい』というのは人間の大きな欲求であり、刺激になります。いくつになってもその刺激を見つけにいけるような、ハートと体力を持ち続けたいなあ、と思っています」と思いを伝える。
鈴木は「『遠くへ行きたい』で3人一緒に旅をするなんて初めての経験です。竹下さんと昇太さんに貴重なお話をたくさん伺い、また50年間の旅のVTRを見て『本当に歴史のある番組なんだな』とあらためて思いました。特に1970代の旅はどこか映画的というか、旅番組というよりはまるでアート作品のようで、斬新でとんがっていて面白いんです。放送当初は日曜の夜10時半からの放送だったと聞いて、なるほどと思いました」と歴史ある番組の変遷に驚きを見せる。
そして「今、世の中のスピードはとても早く、慌ただしいですよね。50年前の旅を見ながら、もうちょっとゆっくり、なにも決めない『遠くへ行きたい』があってもいいんじゃないかな、と思いました。旅人の人となりにクローズアップしながら、その土地を感じられるような旅はすてきですよね。私もいつか、そんな旅がしてみたいです。50年分の『遠くへ行きたい』の歴史の面白さがたくさん詰まっている『遠くへ行きたい50周年スペシャル』を、ぜひ皆さん楽しんでください!」と今後の番組に期待し、メッセージを寄せている。
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