山下美月がDV夫を殺した妻役で連続ドラマ単独初主演「殺した夫が帰ってきました」2025/04/24 07:00

山下美月が、WOWOWで7月に放送・配信する、連続ドラマW-30「殺した夫が帰ってきました」(日時未定)で、連続ドラマ単独初主演することが分かった。“殺した夫”に翻弄(ほんろう)される、壮絶な過去を秘めた主人公を熱演する。
本作は、DV夫を殺した妻が、やっと手に入れた平凡な日常を過ごす中、殺したはずの夫が突然目の前に現れて状況が一変。そんな出来事を機に、主人公と“殺した夫”の過去の罪と愛が交錯する衝撃のサスペンスミステリーだ。
原作は、2021年に小学館より刊行された桜井美奈氏の同名小説。第19回電撃小説大賞を受賞し作家デビューを果たした桜井は、「私が先生を殺した」「私、死体と結婚します」など、鮮烈なタイトルと練りに練られた作品性でたびたび話題を呼び、コミカライズされた著書「塀の中の美容室」(漫画:小日向まるこ氏/小学館ビッグコミックススペシャル)が第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門にて優秀賞を受賞するなど勢いに乗る注目の気鋭作家だ。桜井氏の作品がドラマ化されるのは、本作が初となる。
脚本は「イチケイのカラス」(21年~)シリーズ、「ブルーモーメント」(24年)(共にフジテレビ系)など、数々の話題作を手がけてきた浜田秀哉氏と、「ライオンの隠れ家」(24年、TBS系)などで注目を集める若手実力派の一戸慶乃氏が担当。監督は「オールドファッションカップケーキ」(22年/フジテレビ系)や、23年公開の映画「東京遭難」を筆頭にヒット・メーカーとして知られる加藤綾佳氏が手がける。
24年に、アイドルグループ・乃木坂46を卒業後、俳優として途切れることなく超話題作に出演し続ける山下は、WOWOW連続ドラマ初出演にして初主演、さらに初の連続ドラマ単独主演と“初”づくしの中、夫を殺し、その事実を隠しながら生きる女性というセンセーショナルな難役に挑む。
山下が演じるのは、アパレル会社でデザイナーを志している鈴倉茉菜。入社して1年半、アシスタントとして真面目に努力を重ね、念願のデザイナーデビューも射程圏内におさめて希望に胸を躍らせる若手社員の茉菜だが、誰にも言えないある秘密を抱えていた。日常的に暴力をふるう夫をある出来事を機に殺害し、過去を隠して平穏な暮らしを手に入れていたのだ。
そんな茉菜の目の前に突然、殺したはずの夫が記憶をなくした状態で現れ、あろうことか共同生活を送ることになる。夫はなぜ生きていたのか、そしてなぜ今茉菜の前に現れたのか…。“殺した夫”と共に過ごすうち、かつて知ることのなかった夫の温かな一面に触れる茉菜。しかし、その末に明らかとなるのは、誰もが予想だにしない、衝撃の真実だった。
等身大の真っすぐなヒロインからアクの強い役まで、さまざまな役柄を演じてきた山下が、本作でかつてないほどの壮絶な過去を抱えたヒロイン・茉菜を全身全霊で演じきる姿は必見だ。
茉菜と“殺した夫”の過去に隠された痛くて切ない“愛”と“罪”。見る者の度肝を抜く衝撃的な展開から目が離せない。そんな、茉菜が“殺した夫”を演じるキャスト、そして視聴者を大いに翻弄する重要なキャラクターを演じるスペシャルなキャストも近日発表される予定。
オファーを受けた感想を聞かれた山下は「WOWOWのドラマ作品は、とても丁寧に作られている印象で、初出演することができてとてもうれしかったです。頼りない主演だったと思いますが、自分の未熟さをスタッフの皆さまが映像を通してすてきに生かしてくださったと感じております」と振り返った。さらに「原作を読ませていただいた時は、二転三転する展開に静かに感情を揺さぶられつつ、これを希望と呼ぶのか絶望と呼ぶのかと、考え続けていました。ドラマは全6話で、より展開が分かりやすく進んでいくので、毎話登場人物たちの印象が変わっていくと思います」と感想を述べた。
演じる茉菜については「SOSを出せない人間だと思っています。監督に現場やモノローグ収録でよく言われたのが、『感情をなるべく出さないでほしい』ということでした。茉菜はストーカーに襲われた時ですら、大きな声で助けを求めることができません。一度も泣き喚(わめ)いたり、叫んで取り乱したりしないんです。ただ、生きているだけ。人生をつまらないと思っている訳ではなく、自分のような人間が存在していてはいけないと信じているからです。幼い頃から常に諦め続けなければいけない道を歩んできたが故の、哀しさだと思います」と説明した。
撮影時のエピソードを問われると「このまま息ができなくなってしまうのではないかと思うほど、寒さが厳しい日に泥の上に這いつくばっていた時は、意識が遠のいていくのがすごくリアルでした。最後の大事なシーンの時に、あまりに風が強くてほぼ声が聞こえない状態でやっていたのも印象深いです」と答えた。
最後に「見てくださる方それぞれの受け取り方があると思います。茉菜の味方になってほしいというわけではなく、この作品を通して自分がこの世に存在しているという認識が、より濃くなるような作品になってほしいです。闇の中にある光をぜひこの作品から見つけていただけますと幸いです」とメッセージを寄せている。

原作の桜井氏は「映像化のお話をいただいた時、文字だから表現できたと思っていた物語が映像でどう再現されるのか、正直なところ不安と期待が入りまじった気持ちでした。しかし脚本を読んだ今、その不安は楽しみに変わりました。主人公の鈴倉茉菜は、『これでもか!?』と思うほどの苦境に追い込まれます。それでも、前へ進もうとする彼女には、芯の強さを感じる方に演じていただきたいと思っていました。主演の山下美月さんには、以前ドラマで拝見した際からその芯の強さを感じており、茉菜の持つ弱さと強さの両面を見事に表現してくださると確信しています。彼女が演じる茉菜に、大きな期待を抱いています」と語り、期待を寄せている。
監督を務めた加藤氏は「最初に原作を開いた際、時間を忘れて一気読みするほどストーリーに引き込まれました。最後のページを閉じ、イチ読者として余韻に浸ってから数分後、ふとわれに返り、『この作品のメガホンを私がとるのか…』と気合いと緊張が入り混じった気持ちになったことを今でも覚えています。常に張り詰め続ける緊迫感やいくつもの予想外の展開をいかにして描いていくか。脚本をいただいてから完成を迎えるまでひたすら考え続ける毎日でしたが、自身と同じくらい熱量を込めて茉菜を演じ切ってくださった山下美月さんと共に、作り上げることができたかなと思っています。ぜひ、お楽しみいただけますと幸いです」とコメントしている。
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