ファイナルを迎える「特捜9」座談会で井ノ原快彦が「ラストシーンはみんなで明るく」と決意表明2025/04/10

4月9日にテレビ朝日系でスタートした連続ドラマ「特捜9 final season」(水曜午後9:00。初回は拡大スペシャル)の座談会&囲み取材会が開催され、主演の井ノ原快彦と共演の羽田美智子が登壇、大川武宏ゼネラルプロデューサーが進行役を務めた。
座談会冒頭に大川Pが、「記者さんと近い環境で、ミニシアターの座談会のようなスタイルで取材会をやりたいという考えがあり、前回よりこのスタイルでやらせていただいています」と座談会形式での取材会を行っている理由を明かす。その言葉通り、通常の制作発表会や記者会見のようにかしこまった形ではなく、リビングのようなセットに井ノ原と羽田が座り、肩肘張らずに会話を楽しむ和やかなトークショーのよう。渡瀬恒彦主演の「警視庁捜査一課9係」から数えて通算20作目となる本作も、今回の放送で最終シリーズとなる。この日の座談会では、「9係」から「特捜9」まで続いた長い歴史を振り返り、このドラマならではの現場のエピソードなどが語られた。

大川Pの冒頭のあいさつを受けるような形で、「今日はざっくばらんな“座談会”なので、緊張感なくふわっとやりたいと思います」と笑顔を見せた井ノ原。羽田も「愛のある現場で本当に奇跡だなと思います。どうかいい形で視聴者の皆さんに届きますように」とあいさつをする。羽田が口にした“愛ある現場”の理由を、「われわれサラリーマンには異動があって、長いシリーズでスタッフが同じということはほぼありません。私は『9係』のseason1と2にAPで入り、『特捜9』にはseason1から関わっていて、両方足しても10年くらいです。監督も脚本家も途中交代があるし、ずっと関わっているのは出演者だけなんですよね。テレビ業界には長く続いたシリーズがほかにもありますが、出演者も変わります。『9係』『特捜9』には最初から出演している方が5人(井ノ原・羽田・吹越満・田口浩正・中越典子)いますので、これは本当にまれなことだと思います」と語った大川P。それを踏まえ、「ファイナルだから寂しさもありますが、ご出演いただいたことへの感謝とお疲れさまでしたという気持ちを伝えたいです」とも話した。
大川Pは、あらためて井ノ原と羽田に向き合い、「『9係』season1ではどんな気持ちで始められたのですか」と質問。井ノ原は「当時のプロデューサーから言われたのは、『刑事に事情があることを描いていきたい』ということ。だから、今まで刑事物に出ていない人が多くキャスティングされたとも聞いたので、『チャレンジしてみよう』と思ったことを覚えています」と出演を決めた理由を明かした。さらに「ワンクールの作品だと思っていたんですが、おはらいの時に神主さんが“9係シリーズ”って言ったんですよ。マネージャーと『今シリーズって言ったよな? 聞いてないよ』『僕も聞いてないですよ』っていう話をしたのを覚えています。それが19年続いているんですよ(笑)」という裏話も。

続いて羽田からは「井ノ原さんと番組でご一緒したことがある私の友人が「『こんないい子いないから!』って言っていたんですよ」という裏話が。「だから、会う前から“絶対いい子に違いない!”と思っていたら、本当にそうでした。というか、ヤンチャでいたずらばかりしている子でした(笑)」と続けると、井ノ原は「29歳でいたずらとかしてましたね」と照れ笑い。羽田は、そんな井ノ原だからこそ、大御所俳優の渡瀬が主演を務める緊張感ある現場が和やかになったという証言を。
2017年3月に亡くなった渡瀬は、season12(2017年4〜6月)まで「9係」に出演。自身の出演シーン以外の時はカメラの横に立って共演者たちの演技を見ていたといい、「想像してみてくださいよ」(井ノ原)「緊張しますよね!」(羽田)と2人が口をそろえるほど、圧倒的な存在感を放っていた。そんな渡瀬に特別かわいがられていたと羽田が証言するのが井ノ原。「だって、渡瀬さんに肩もみさせてましたから。唯一ですよ(笑)」と羽田が突っ込むと、「後にも先にもあんなにツボに入ってくる力の強い人はいなかったです(笑)」と懐かしそうに笑った井ノ原。「僕の作品を全部見てくれて、『見たよ。こう思ったよ』と言ってくださる関係性でした。それと、『兄貴(渡哲也)から電話があって、あの若いのいいなって言われたぞ』と言っていただいたこともあって。それがすごく心に染みて、『じゃ、僕はここにいていいんだな』と思いました」と、心に残る20年前のエピソードを披露。

そんな始まりから丸19年、29歳だった井ノ原は48歳になり、座長として「9係」から受け継いだ「特捜9」の幕引きを任されることになる。それについて「これだけ長く続いたシリーズがファイナルを迎えるとなると、マイナスに捉える人もいるかもしれません。でも、僕らは毎年最後だと思いながらやっていたので、『今回が最後ですよ』と言われてスタートできる、こんなに幸せなことはないんです」と晴れやかな顔で話した井ノ原。
続けて「個人的にお礼を言いたい」と前置きして「20曲、主題歌をやらせていただいたことが、V6時代から本当に助けられました。春のオンエアに合わせて『ミュージックステーション』(金曜日午後8:00)に出させていただいたり、CDをリリースすることができたのはこのドラマのおかげ」と主題歌アーティストとしての感謝を語った。今回の主題歌は20th Centuryの「ネバギバ 〜Never Give Up!」だが、羽田は「主題歌を聞かせてもらって、ドラマの方向が決まるんです。歌が私たちにとっての指標になったのでありがたかったです」と、V6/20th Centuryの楽曲とドラマの関係性に触れた。
座談会の後、井ノ原と羽田は、4月7日から東京・池袋駅に掲出されている「#ありがとう特捜9メッセージボード」と同じボードの前に移動し、撮影に対応。撮影終了後は、ボードに書かれた視聴者からのメッセージを感慨深く眺めていた。

「最近、エキストラには、一般の方の参加が多くなっていて。渡瀬さんが出演された最後のシーズンに来てくださった方が『わが家の大切な思い出です』とメッセージを寄せてくれました」とメッセージを紹介したのは井ノ原。羽田も「この方は、『9係』が始まった2006年に生まれたんですって。『特捜9』が始まった時に小学校6年生で、『“9係”と“特捜9”とともに生きてきました』って……すごくないですか? 『何年たっても新しい見せ方に挑戦される姿勢』が好きですとかね」と、心に刺さったメッセージを読み上げた。そんなメッセージを前に、井ノ原は、「皆さん、ちゃんと見てくださっているんですね。うれしいです。だからこそ、ラストシーンはみんなで明るくして終わらせようっていう話をしています」と、ファイナルシーズンへの思いを新たにしていた。
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