国家の借金は誰のため？ 大型企画「NHKスペシャル 未完のバトン」で日本国債の裏側に迫る2025/04/09
NHK総合の「NHKスペシャル」（日曜午後9：00）では、放送100年大型シリーズ「未完のバトン」を放送。このシリーズでは、日本が直面する課題を克服するために、苦闘を続ける人々を描いていく。
4月13日に放送される第1回のテーマは「日本国債」。私たちの生活を支える公共サービスの財源となっている一方、国債発行残高（国＝中央政府の借金）はおよそ1100兆円に達し、課題も指摘されている。今回、取材班は国債発行をめぐる現場に密着した。
日本国債をめぐっては、去年、最大の買い手である日銀が買い入れを減らす方針を発表した。さらに日銀が政策金利を引き上げて再び「金利ある世界」に入り、日本国債の発行は歴史的な岐路に立たされている。そんな状況を受け、番組では、国債の発行・立案を担う財務省国債企画課に密着。国債の安定的な発行のため、官僚たちは国内のみならず、海外の機関投資家にも投資を呼びかけている。そこで取材班は中東に飛び、オイルマネーを元手に運用する投資会社との交渉現場にも密着。国家の信用を反映しているといわれる「国債」に対し、担当者からは日本経済や財政の先行きへの厳しい質問が次々投げかけられる。
取材・制作を担当した成清洸太ディレクターは、「数年前に第1子が生まれ、出産時の補助や児童手当など、さまざまな行政サービスを受けました」と自身の経験を引き合いにし、「一方で、こうした費用がどのように賄われているのか。財源の少なくない部分が国債で賄われている現状で、自分の子どもが大人になった時、こうした支援は続いているのだろうか。国債を考えることは、未来を考えることにつながると思い、今回『国債』をテーマに選びました」と特集を決めたいきさつを明かす。
国債発行をめぐり難しいかじ取りを迫られている中、財務省には「失われた30年と言われるこの間、暮らしがよくならないのは、経済・財政の運営が間違っているからだ」という不満も向けられている。果たして、これからの日本はどのようにこの不安から抜け出すことができるのか──。知られざる現場の密着取材から、この国の未来を見つめていく。
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