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岡山天音主演のペシミズムドラマ「どうせ死ぬなら、パリで死のう。」放送決定2025/02/15

岡山天音主演のペシミズムドラマ「どうせ死ぬなら、パリで死のう。」放送決定

 NHK総合では、3月16日に岡山天音主演の特集ドラマ「どうせ死ぬなら、パリで死のう。」(午後11:00)の放送を決定した。新鋭脚本家・伊吹一氏による渾身(こんしん)のオリジナル作で、“悲観主義”という哲学的なテーマを軽やかに、ユーモア交えてハートフルに描き出す。

 岡山が演じるのは、大学の非常勤講師として働く昼間吉人、31歳。人生をこじらせた哲学者の彼は「生きることは拷問」という考えを持つ不器用な男。そんな吉人は、妊娠中の姉から10歳のおいっ子・幸太を押し付けられ、預かることに。間もなく幸太は失踪するも、どうにか探し出すと、人生に絶望した様子で意味ありげに「ここじゃないどっかに行きたい」と言う。幸太はまさかの吉人と同類だった…そして2人は意気投合する。

 ネガティブ過ぎる凸凹(でこぼこ)コンビは、希代の悲観主義者(ペシミスト)、エミール・シオランが残した人生を全否定する数々の言葉に触発され、ぜか生きる糧を見いだしていく。しかし、“人生を悲観しつつも、どこか楽しい”不思議な共同生活を送る2人にやがて、それぞれにとって最悪の悲劇が起こる。

岡山天音主演のペシミズムドラマ「どうせ死ぬなら、パリで死のう。」放送決定

 本作を書き下ろした脚本家の伊吹氏は1994年生まれ。「6年ほど前、法律家の夢が破れ、人生のどん底にいた頃出会ったのが、今回のモチーフである(エミール・)シオラン(1911-1995年/ルーマニア)という思想家でした」と、本作の出発点となった出会いを明かす。その時の感覚を「彼は世界を代表するペシミストですが、そのペシミストっぷりはすさまじく、読んでいて思わず笑ってしまうほどでした。それは日本の地の底から、マントルを抜け、ブラジルに突き出て、リオのカーニバルに参加するような体験でした」と例え、どれほどの衝撃だったかを語る伊吹氏。

 そして、その出会いが「そんな彼の思想は、決して明るいとはいえないこの世界を生きる上で、(シオランにとっては本意ではないかもしれませんが)大きな希望になり、私はもごもごとあがいているうちに、なぜか脚本を書くようになり、こうして今回、シオランのドラマを書くことができました」という不思議な縁につながっていったと言う。

 今作で主演を務める岡山は、伊吹氏と同学年。「いつかセリフを書きたいと希(こいねが)っていた憧れの人でした。そして少し珍妙なタイトルは、私が死ぬ前にエッセイ集を書くならタイトルはこれにしようと用意していた言葉でした。人生はあまりに不可思議です」と、ここにたどり着いた自身の運命を不思議がる。その感性が伊吹氏ならではで、だからこそ今作のようなドラマが生まれたのだろう。

岡山天音主演のペシミズムドラマ「どうせ死ぬなら、パリで死のう。」放送決定

 主演を務める岡山も、そんな伊吹氏を始めとするチームでの制作を「脚本の伊吹一さん、演出の松本仁志さんをはじめ、作品作りに真摯(しんし)に向き合うスタッフ・キャストの皆さまのもとで今作を共に編めたこと、とても光栄です」と喜ぶ。「初めて台本をいただいた時から、人間のおかしみや眩(まばゆ)さが散りばめられた台本にほれぼれとしました。生きているとふとした折に接近してくる“死”と、それでもずるずると続いていくばかりの人生の中で、世界に対しての新しい見つめ方を皆さまが発見するきっかけになってくれたらうれしいです」と本作が持つテーマに共感を漂わせる。

 自身を“中途半端なペシミスト”と称する演出の松本仁志氏は「ドラマの企画が全く通らずに世界を悲観していた」とそのペシミストぶりを告白。「そんな頃に、僕は脚本家の伊吹さんと出会ったのだった。お互い哲学好きだったことから話が盛り上がり、悲観的な僕にぴったりだと思ったのか、彼はシオランの本を紹介してくれた。『どうせ企画通らないし、気を遣わずに自分たちが納得できるものにしよう』と、盛り上がりのままに駆け出していたら、ドラマ化が決まってしまった」と、あれよあれよの展開に驚く。

 さらに奇跡は続く。「1年以上この脚本と向き合いながら、『岡山天音さんが主人公やってくれたら最高なのにね』なんて伊吹さんと話していた。ダメ元の奇跡は続き、『岡山さん、OK出ました』という連絡に僕たちはただただ驚いた。それからは、すてきで尊敬できるクリエーティブなメンバーに恵まれる最高の日々。どうやら、ペシミストとして生きるのも悪くないようだ。どこか重い気持ちの時に、近い温度感で傍そばにいる存在。そんなドラマにできたらと思う」と、ペシミストだからこそ生まれた作品への思いを語った。

 本作は悲観主義の方はもちろん、生きにくさを抱える2人の奇妙な日常にほっこりしたい、傷ついた誰かに優しくしたい、されたい…そして最近お疲れの人にも届く人間賛歌ドラマだ。


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