見上愛が2026年前期朝ドラ「風、薫る」ヒロイン決定に涙。「ずっと出たかった」2025/01/24 18:00
NHK総合ほかで、2026年度前期に放送される連続テレビ小説「風、薫る」(日時未定)の制作発表・主演会見が行われ、見上愛がダブルヒロインの一人を務めることが発表された。
朝ドラ初出演にして初主演となる見上は、2000年10月26日生まれ。東京都出身。2019年の俳優デビュー以来、着実にキャリアを重ねてきた実力派。2021年、よるドラ「きれいのくに」(NHK)で容姿にコンプレックスを持つ高校生役を演じて注目を集め、同年には映画「衝動」で映画初主演も果たしている。そして2024年、大河ドラマ「光る君へ」で藤原道長の娘・藤原彰子を演じ、大きな反響を呼んだ。
制作発表の会見場に姿を見せた見上は、冒頭から涙を浮かべながら思いを吐露。「ここに出てきた瞬間にやっと実感が湧いて、涙してしまったんですが…1週間前にこの話を聞きました。今まで夢や目標をあまり決めないようにして仕事をしてきて。それは自分でいろんな出会いに制限をかけないためだったと思います。でも、朝ドラのオーディションには毎回挑戦していて。考えてみると、やっぱり出たいと思っていたんだと気付きました」と目を潤ませた。
また、朝ドラへの思いも述べ、「朝の時間はとても大切。朝の始まり方で1日が変わっていく。1日がすてきになるきっかけを作れるドラマに出られることが、ものすごく幸運なことだと思います。朝ドラから羽ばたいていった女優さんもたくさんいらっしゃいます。そして、ヒロインだけでなく、作品を彩る役で出演されていた方も、そこからいろんな作品に出られたり、すてきな役の扉を開けていらっしゃる。自分もそうなれたらいいなと思っています」と期待を込めた見上は、「明治時代を演じるのも、バディものを演じるのも、看護師役も本格的なのは初めてです。全ての所作から学び直す初めてづくしですが、新鮮な気持ちで挑戦していきたい」と意欲を示した。
作品は明治時代を舞台に、看護の世界に飛び込んだちょっと型破りな2人の女性を描くバディドラマ。不運が重なって若くしてシングルマザーとなった一ノ瀬りん(見上)と、親を知らず孤児院で育った大家直美という対照的な2人。実在した看護師・大関和さんと鈴木雅さんをモチーフに、激動の時代を生きた2人のトレインドナース(正規に訓練された看護師)の軌跡として再構成する。
脚本を手がけるのは、TBS系のドラマ「あなたのことはそれほど」(17年)、「初めて恋をした日に読む話」(19年)などで知られる吉澤智子氏。「脚本家になってからずっと女性のバディものを書きたいと思っていました。“男の友情は美しい”と言いますが、女の友情も悪くない。美しくはないかもしれませんが、たくましいと思っています」と企画への思いを語る。
吉澤氏は自身の体験も踏まえ、看護師像への理解を深めていった。「2年前にヘルニアで入院し、夫も病で倒れたことで、多くの看護師と触れ合いました。『白衣の天使』という言葉がありますが、それはふわふわした優しさではない。つらい時もキリッと笑顔で、手を動かし続ける。そんなたくましい優しさを持った人たちでした」と語り、「特にコロナ禍での看護師たちの姿を見て、その思いを強くしました」と加えた。
時代設定についても詳しく説明。「明治初期から中期は、女性が専業主婦でないと生きていけない時代。職業を得ることは夢や希望ではなく、生きるための必死の選択でした。当時の看護師は『命と引き換えにお金を得る』と見られ、一段下に見られる職業だったことを知り、衝撃を受けました。そんな世界に飛び込めたのは、『普通』の生き方からこぼれ落ちた2人だからこそ」とドラマの核心に触れつつ、「少し硬い話になりましたが、地元の女友達が頑張ってるなという感じで、毎朝楽しく応援してもらえるような話になればと思っています」と、気負わずに楽しんでもらえるような作品にしたいと思いを伝えた。
続けて、見上は現場の雰囲気作りについても言及。「この2、3年、私の課題として、どうやったら一緒に現場で働いている方々が誰も嫌な思いをせずに心地よく働けるのかということを考えながら仕事をしてきました」と語り始め、「それは私自身が心地よく働きたいからということだけではなく、そうやって作られた作品には、見てくださっている方に届く温かさや熱量だったり強さ、優しさ、そういうものが絶対に伝わると信じているからです」と真摯(しんし)な表情で続ける。
さらに、「(『光る君へ』で主演を務めた)吉高由里子さんをはじめ、多くの先輩方の背中を見てきました。皆さん役を全うするだけでなく、現場をより良くすることを常に考えて行動されています。吉高さんは、皆を巻き込んでみんなが『よし頑張ろう』と思えるような空気を作るのがすごく上手で、尊敬していますし、影響を受けています」と先輩への敬意を込めた。
そして、モデルの一人となる栃木県出身の大関氏に関しては、「資料を読んで、すごく素直な女性だと感じました。でも素直さイコール正解ではなく、時に間違えたり、人を傷つけてしまうこともある。それでも自分の信念に従う強さ、一歩先の素直さを持った方だと思います」とその人物像を分析。さらに栃木での思い出に触れ、「幼少の頃、那須への家族旅行で、公園のベンチでソフトクリームを食べようとして後ろに転んでしまったことがあって。でも、ソフトクリームだけは守った。それが見上家の伝説になっていて、集まるたびに話題になるんです」と笑みがこぼれた。
なお、もう一人の主人公となる大家直美役はオーディションで選考。「だんだん」(2008年後期)以来、17年ぶりのダブルヒロインの朝ドラとなる。制作統括の松園武大氏は、見上を起用した理由について「『光る君へ』での藤原道長の娘・彰子役で、当初は感情を全く見せない演技から、終盤ではゴッドマザー的な存在へと変貌を遂げる。その役への向き合い方、豊かな表現力、人の目を引く存在感、そしてフランクでチャーミングな人柄に触れ、ぜひ一ノ瀬りんを演じてほしいと強く思いました」と説明。「オーディションでは、この2人を見ていたいと思っていただけるような最強の組み合わせを選びたい。大切な誰かの手のぬくもりや、その尊さが感じられるようなドラマを半年間、精いっぱい作りたい」と力を込めた。
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