「風のふく島」会見に第1話出演の佐藤大樹、本田響矢、青木柚ら主演キャストが集結！2025/01/10 14:50
テレ東系で本日1月10日よりスタートするドラマ25「風のふく島」（金曜深夜0：42）の記者会見が1月9日に都内で開催され、主演を務める12人のうち、佐藤大樹（EXILE／FANTASTICS）、駿河太郎、豊本明長（東京03）、渋川清彦、北乃きい、本田響矢、青木柚、大友康平、小西桜子の9人が登壇、福島県で行われた撮影のエピソードや本作への思いを語った。
本作は、東日本大震災の際、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示の対象となった福島12市町村に移住した人々の実話を基に紡ぐ1話完結のオムニバスドラマで、今回登壇した9人に、黒木華、桜井ユキ、三浦貴大を加えた全12人が主演を務める。葛藤や挫折がありながらも、それぞれの課題に挑戦して移住に至る姿や、福島12市町村の人々との交流を通じて成長していく様子が紡がれる。
会見は背景に青空が広がる特設セットで進行、キャストが登壇する前に、ふくしま12市町村移住支援センター長の藤沢烈氏があいさつ。各自治体の全面協力による作品であることが前面に打ち出された。その後、キャストが会場へと入り、豊本が「こんな立派な会見とはつゆ知らず、若干戸惑っております」と笑う場面も。質疑応答の前に各自が自己紹介をした際に、キャスト陣のなかで最年長69歳の大友は「テーマはすべて風化させないこと。いい作品だと思います」と本作が持つメッセージ性について触れた。
続いて質疑応答へ。「自身が演じた主人公に共感したこと、刺激を受けたことは？」との質問に最初に答えたのは、第1話に登場する佐藤。演じた役は、馬事業を始めるために南相馬市に移住した中村優神で、「（モデルとなった）神瑛一郎さんは、馬術をメジャーするために大手企業の内定を蹴って南相馬市に来た。僕がEXILEに衝撃を受けてダンスを始め、上京した自分と重なって共感しかなかったです」と答えた。実は佐藤は、神さんとは身長・体重・年齢が同じという共通点もあって撮影を通して意気投合、乗馬を教えてもらうなかで「センスがいい。乗馬を本格的に始めたほうがいい」と勧められたという。
第2話で、震災をきっかけに人が減ってしまった広野町を盛り上げようと、サーフィン大会の復活を決意する大迫保を演じた駿河は、自身もサーフィン愛好者。モデルの吉田健太郎さんとは本作への出演が決まる前に会う機会があったと言い、「サーフィンでつながっている人なので、共感するのはサーフィンへの思いです」と答えた。サーフィンシーンも撮影しているが、撮影日はとても波が高かったそうで「大変な撮影でした」と振り返りつつ充実の笑顔を見せた。
第4話に出演するのは豊本。演じる小坂大は、浪江町で「なみえスマートモビリティ」の実証実験を重ねている宮下直樹さんがモデル。「宮下さんは、浪江町に異動して寄り合いタクシーの事業を始めた方。そのなかで、“人と人をつないでいく”というすてきな志を持っているので、大した人間じゃない僕は共感できませんでした」と豊本は笑う。そんななか、「実際にご本人にお会いしたら、軽いノリがある人だったので、そこは共感しました」という共通点も見いだしていたようだ。
オートバイによる競技「トライアル」専門雑誌のカメラマン兼編集者で、川内村の町おこし計画を行う東道進一郎役で第5話の主演を務めるは渋川。自身もオートバイが好きだと言う渋川は、「トライアルという競技はマニアックなんですが、（モデルとなった）西巻裕さんが持つ“熱さ”には刺激を受けましたし共感もしました」としみじみ。
第6話で、キャンドル作りに出合ったことをきっかけに飯館村へと移住する朝比奈三咲を演じる北乃は、モデルとなった大槻美友さんと年齢が近かったそうで「前向きに生きていく30代の女性の姿に影響を受けました。やりたいことに向かっていくなかでいろいろな苦悩があるんですけど、あきらめない姿はかっこいいなと思います」と役を通して感じた共感を明かした。
葛尾村で畜産農家をやりたいという夢を持って移住した立石剛大さんがモデルの田伏武洋を第7話で演じる本田は「この若さで畜産をやっている人は自分の周りにはいません。信念を貫いて真っすぐ自分のやりたいことに進んでいる主人公の姿に刺激を受けました」と、自身が演じた役に心を動かされたと話す。
第9話の主人公は、青木が演じる関根昇也。300年続くツツジ農園に生まれ育ち、夜ノ森町の「ツツジの町 再生計画」のために富岡町へ移住して花酵母を使った酒造りに挑戦する渡邉優翔さんがモデルだ。「僕は花酵母を知らなかったんですが、ツツジが好きだと言う気持ちを持ちながら、プロジェクトを成功させていく姿は刺激になりました」と、主人公の純粋さが印象に残ったと語る。
大友は第10話の主人公で東京から双葉町に移住した元復興副大臣の吉川治役を務める。モデルとなった浜田昌良さんは「品と風格がある方で、自分が演じていいのかと思いました」と笑う。そんな役を演じて「復興や再建、言葉にするのは簡単なんですけど、実際に行動に移すことがいかに大変かということを考えさせられました」と感じたのだと言う。
そして、最終話の第12話で大熊町の町おこしプロジェクトに出合う伊澤優花を演じる小西は、「脚本を読んだ時から自分に重なる部分があるなと思った」のだそう。「高校時代の回想から大学時代、移住後と幅広く演じさせてもらったのですが、私も親の期待や周りの同級生とのギャップを感じたりキャリアに不安を抱いたりっていうことがあったので。モデルになった谷田川佐和さんは、移住という選択をして被災者に心を寄せていて、とてもすてきだなと思いました」と物語に共感したのだそう。
会見には、各話の主人公のモデルとなった移住者の方々が福島から駆け付け、自身の経験を演じたキャスト陣との再会を喜ぶ姿も見られた。
そして、会見後半では、キャスト陣が「行ったからこそ分かる福島の印象」を書いたフリップを披露。撮影に立ち会ってくれた神さんがLDH所属アーティストの曲を現場でかけてくれたというエピソードを明かした佐藤は「おもてなしの町」としたため、「福島の海側はどこでもサーフィンができるくらいいいスポットがあるんです」とアピールした駿河が書いたのはズバリ「海」。また、「星がきれい」（豊本）、「星が近く空気がうまい」（渋川）、「星が綺麗な村!!」（本田）と、福島の夜空に輝く星の美しさに撮影の疲れを癒やしてもらったというキャストが3人も。
「圧巻」と書いた青木は、「富岡町の夜ノ森には“桜トンネル”という名所があって。撮影期間は桜は咲いていなかったけれど、並木道だけでも感動しました」と、富岡町の自然に魅せられたエピソードを披露。撮影中毎日通った道の駅で「おかえりなさい」と言ってもらったことに感激した北乃は「次の日には、かぞく!? な村」と訪れた飯館村を称した。「双葉町 再生に向けて力強く踏み出した町」と書いた大友、「大熊町は未来への希望に溢れた町」と書いた小西は、力強く生きる町の人々の様子を言葉にした。
実在の移住者をモデルに描いているからこそ、演じた役者たちの心を揺さぶるものがあったことが明かされた会見を通し、12通りの人生模様を描くドラマががぜん楽しみになった。
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