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「ザ・トラベルナース」岡田将生と中井貴一が悪戦苦闘する“言語”問題とは?2024/10/16 12:30

「ザ・トラベルナース」岡田将生と中井貴一が悪戦苦闘する“言語”問題とは?

 テレビ朝日系で10月17日より、中園ミホ氏が手掛ける痛快医療ヒューマンドラマ「ザ・トラベルナース」(木曜9:00。初回は拡大スペシャル)がスタートする。その取材会が行われ、岡田将生中井貴一が顔をそろえた。

 本作は2022年10月期に放送された「ザ・トラベルナース」の続編。フリーランスの看護師として卓越した技術を持つが態度が尊大な那須田歩(岡田)と、物腰は柔らかだが言う時には言う厳しさも持ち、圧倒的なスキルを誇るスーパーナース・九鬼静(中井)が、衝突しながらも病院内の難題に立ち向かい、患者を救っていく医療ドラマだ。前作ラストでは静が難病のマルファン症候群に倒れるが、米・ニューヨークでの手術は無事成功。今作で日本へと戻ってきた2人はくしくも再会を果たすことになる。

 2年ぶりとなる本ドラマの現場に、最初は不安を感じたという岡田。「監督にも(感覚が)戻るまでに時間かかるかもと言っていたんですけど、第1話の冒頭で静さんと激しく会話を繰り広げるシーンからのクランクインだったので、最初からトップギアで入らないといけなくて一気に戻りました」と、慌ただしいスタートとなった様子。

 中井も、「連続ドラマは、まず簡単なところから慣らしていきましょうかと始まるんですよ、普通は。だけど今回はいきなり2人の長回しシーンから始まって。でも、逆にそれは功を奏して、2人の関係性をすぐに思い出すことができたので、ある意味ではよかったと思いました。今はナースの所作などを思い出しながらやっているところです」とどんな状況でもポジティブな自然体で向かい合っているようだ。

「ザ・トラベルナース」岡田将生と中井貴一が悪戦苦闘する“言語”問題とは?

 岡田は今回の台本を読み「2年経っていても、自分の体の中に『トラベルナース』は組み込まれていたんだな」と感じて、すぐに中井に連絡をしたという。「中井貴一さんはずっと僕の尊敬する先輩の俳優さんで、またご一緒できることがとにかくうれしかったんです。この2年間で自分が見てきたものや経験してきたものを、また貴一さんの胸を借りながらともにやれることがうれしいという気持ちでした」とその時の思いを明かした。

 その言葉を聞いた中井も、「岡田くんが言ったように、DNAに刻まれてるというか、その芝居を一度経験すると、どこか体の中に小さな火種が残っていて、台本を読むことによって火がバッと大きくなっていく感じはあります」と、再び同じ役を演じる際の感覚を表現した。

 今回演じるうえで、前作と変えている点があるかと尋ねられると、岡田は「前はナースというものだけに集中していたのが、2年という時間を経て自分の視野が広がったかもしれません。病院という大きなくくりの中でどういう動きをするか、どういう見え方になるか、自分の中では台本の読み方がすごく変わったので、そういうものを生かしながら今回のドラマはやっていきたいなと思っています」と、経験で得た広い視野を挙げた。

 一方の中井は「基本的な根幹は変わらないです。静は、歩を成長させて日本でトップのナースになってもらいたい、そして自分たちが培ってきたものの後継者になってもらいたいという思いなんです。お医者さんは病気に向き合う仕事ですけど、ナースというのは人に向き合う仕事。そこに出てくる道徳観や倫理観なども含めた、人との接し方を今作ではより強く見せていけたらいいなと思います」と役柄同様にブレない姿勢を示した。

 また、中井は実際に病院に行った際にナースから声を掛けられたこともあったそうで、「採血する時にナースの方が『中井さん…(ドラマ)見てます』とそっと言ってくれたんですよ。ある病院では感謝されたりもしました。ドラマでナースが生き生きしていて、ナースになりたいという方も実際に増えたそうなんですね。だから僕たちはそういうものを背負っていることでもあり、苦労してでもやらなきゃいけない。それが俳優の仕事の意義なのではないかと岡田くんとよく話しているんです」と明かすと、岡田も「病院に行くと、より感謝の気持ちがありますね。『歩ちゃんに採血する日が来るとは思いませんでした』『とても採血しやすい腕ですね』とか言ってもらえました(笑)」と、ドラマが実際の生活の中にも影響していることを伝えた。

 本ドラマには、歩は感情があらわになると英語が、静はキツめの広島弁が思わず飛び出すという見どころがある。今回は、中井はフィリピンの公用語であるタガログ語を話すシーンがあり、これに悪戦苦闘したという。中井は「これ(タガログ語)をなんとかできるんだったら、医療用語なんて簡単なものですよ(笑)」と苦笑いし、「『こんにちは』とかではなくて、救命救急の仕方を教えるタガログ語ですからね(笑)。なんとかならないものかなと思いつつも、頑張りたいというか、自分に挑戦したい気持ちがずっとどこかにあるんです。役者は自分に対する挑戦を常にしていかないと前に進めない仕事だと思うので、いい挑戦の機会をいただいたというふうに思っています」と、苦労を挑戦に変換して臨んだことを語る。

「ザ・トラベルナース」岡田将生と中井貴一が悪戦苦闘する“言語”問題とは?

 そして岡田も前作では英語のセリフには苦しんだようで、「今回はまだ英語でのオペのシーンは撮っていないんですけど、英語だけでなく所作を覚えたりとかやることの量がとても多いので、それをどうクリアしていくかが課題ですね」と、待ち受ける英語芝居への苦悩を打ち明ける。

 すると中井は、「岡田くんはですね、オペをこれから英語でやるんですよ? 普通の英会話の芝居でも大変なのに、オペを英語で全部やっていくんですよ? なあ!」と大仰に励ましの声を掛け、それを受けた岡田の「それ……今、助けていただいてるのか、ハードルを上げているのか、どっちなんですか?」という息の合った返しで、現場は笑いに包まれた。

 また岡田は、「台本の読み方、向き合い方というのを貴一さんから教えていただいて。なるべく現場でスムーズに感情が流れるようにやろうって意識してやっていたので、違う現場で僕も試行錯誤しながらやっていたんです」と、先輩である中井から学んだことを生かすことを心掛けていたという。「『このシーンのセリフがどうしても言いづらい』とか『動きに違和感がある』とか、そういうことを貴一さんは耳を傾けつつ導いてくださるんです。僕に対しても、現場に対しても、スタッフの方々にも同じ目線で話してくださる。中井貴一さんという先輩が、僕の目指す役者ということが、今回現場に入ってより深まったと言いますか。作品との関わり方、距離感も含めて、さらにブラッシュアップしてやりたいと思っているので、逆に自分の変化を貴一さんに見せたいなと思っています」と、憧れの先輩を前に、強い意欲を見せた。

 一方の中井は、「エンターテイメントは若い人たちが主軸になる世界だと思っています。どんどん新陳代謝が行われなければならない。だからといって年を増した僕らが諦めるということはなく、年相応の存在意義で共存し、面白いものを作っていかねばならないと思っているんです」と自身の考えを明かし、続けて「岡田くんとご一緒した時に、僕たちの世代よりも彼らの方がずっと優れていると思うんです。僕が『ちょっと言いにくいな』と思うようなセリフを、彼は反射的に言えるのを見て、家に帰ってから彼が言ったように実際にやってみるんですよ。でもあれは、岡田くんだから言えたんだなということが分かったりするんです。実は僕が、彼らの世代から勉強させてもらっているということなんです。またそう思っていると自分たちもまだ成長できる余地があるのではないかと思います。僕はこの続編も、岡田くんとご一緒することによって、何かを得たいという思いで過ごす3カ月になると思います」と、後輩からも貪欲に何かを吸収しようとする姿勢を見せ、互いに対するリスペクトを強く印象付ける取材会となった。

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