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超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】2024/09/01

超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】

 今年4月より全国9都市を回るホールツアー『Rail is Beautiful』を行っていた9人組ダンス&ボーカルグループ超特急が、そのファイナルとなる追加公演を8月27、28日にKアリーナ横浜で開催した。その公演の模様をおくる前編。

 今ツアーのテーマはタイトルからも明らかなように、ズバリ“美”。演出プロデュースを務めるユーキの指揮のもと、多彩な超特急楽曲を“美”で再定義・再解釈した構成に、これまでのツアー全15公演とその期間に得た経験値をすべて注ぎ込んで、まさしく集大成ともいえるステージを展開。美を象徴する“花”を随所でモチーフとしながら、史上初のメインダンサー&バックボーカルグループの本領をいかんなく発揮していった。27日にはニューシングルの発売、28日には年末から年をまたいで開催される東名阪アリーナツアーも発表。2日間で合計4万人の8号車(超特急ファンの呼称)と、最高の夏の思い出を作り、美しきレールの先に輝く夢の実現を誓った。

 “超特急らしさ”を追求した1st EP「Just like 超特急」を4月17日に発表して以降、地上波の音楽番組にも多数出演して、クール&セクシーな「Steal a Kiss」や変顔がさく裂するシュールな「ジュブナイラー」など、ギャップありすぎな二面性で旋風を巻き起こしてきた彼ら。その人気はツアーの期間中にも急上昇し、全公演がソールドアウトとなって決まった今回の追加公演も、一昨年に9人組の新体制となって以来の最大キャパシティーにもかかわらず、2デイズとも完売という勢いだ。満員のオーディエンスが詰めかけたKアリーナに、開演時刻になると普段の発車ベルとは異なる優美なBGMが流れ、花びらで飾られた紗幕がドロップ。

超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】

 そして、ステージ上のLEDパネルが花で埋め尽くされ、その向こうに大きな花のオブジェの前でポーズを取る9人の姿が透けて現れる。なんとも繊細でファンタジックな登場に、推しメンカラーに光るペンライトと歓声でいっぱいになった場内に届けられた1曲目は、ウエディングソングの「Yell」。それぞれのイメージカラーをベースにした抑えた色調のセットアップに身を包み、ノーブルな雰囲気で柔らかなほほ笑みを浮かべる9人は、まさに花婿を思わせるたたずまいだ。天まで抜けるような歌声を聞かせるタカシとシューヤの前でダンサー7人が舞うという、メインダンサー&バックボーカルの理想形を表したパフォーマンスも、とにかく優雅の一言。さらにシューヤたっての希望で、会場内に濃厚な花の香りが漂う仕掛けもあり、目と耳だけでなく、五感のすべてから超特急の“美”を8号車に注ぎ込んでいく。

 そんな驚きに満ちた幕開けから、序盤戦では超特急の楽曲が持つ美しさを多角的にフィーチャー。続く「シャンディ」ではサイズの異なるモニターが不規則に並ぶ退廃的な映像効果も借りながら、ゆがんだ愛をエモーショナルかつシリアスな表情で歌い踊って、幻想的でヒリつくような美しさを。「Four Seasons」では花枠に飾られたビジョンに映る軽快なダンスをなめらかなボーカルが彩って、季節ごとに咲く花の美しさを温もりいっぱいに表していく。ジェントルでエレガント、かつロマンティックに振り切った始まりは“Beautiful”をタイトルに掲げる今ツアーならではで、「Kアリーナ、みんなと最高の景色作っていこうぜ!」とユーキが声をあげると、9人は「Magnifique」でステージ左右のウイングに大きく展開。世界の美しさを爽快に歌い上げ、この広い空間を8号車と共有できる喜びを確かめ合い、カイははにかむような笑みと投げキスをカメラに贈る。

超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】

 そこからアリーナ席中央に設えられたセンターステージへと進み、続いたのは「a kind of love」。「みんな一緒に!」とリョウガが誘い、コミカルな動きやメンバー同士のじゃれ合い、大胆な変顔を取り入れた“らしい”ダンスで客席を揺らしていくが、それもストリングスの美しい音色と“君が必要”と歌う切実なメッセージと合わさることで、切なくも温かな多幸感へと昇華する。優しさと激しさ、愛らしさとクールを駆使し、さまざまな“美”を表現しながらも、超特急としての強いメッセージもしっかり訴えていく――これぞ“ザ・超特急”なスタイルだ。

 台風10号の到来で一度は開催が危ぶまれていただけに、ユーキは「無事に開催できてよかった!」とMCで喜びをあらわに。この公演を前に短髪にしたタカシも「楽しみすぎて髪の毛切りすぎてもうた!」と宣言する。そんな自己紹介と気合をそれぞれが表し、一人ステージに残ったユーキは今ツアーで恒例となった一発芸を披露。FODでの配信や収録も入っていた2日目の最終公演では、事前に考えてきたというじゃんけんネタで、場内の喝采をさらった。

超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】

 しかし、車掌姿のシューヤが「ここ、ライブ会場じゃないんですよ! 駅のホームですから早く出てください!」とユーキを追い出してからは、メインステージに電車のパネルがイン。学生服のリョウガ、タクヤ、マサヒロとサラリーマンのハル、そしてラフな私服スタイルのカイ、アロハが電車に乗り込むと、車掌の制服を着たタカシ&シューヤの生歌に合わせ、ミュージカル形式で楽曲を綴っていく。安全と8号車の笑顔を確認した2人が「この電車は『Rail is Beautiful』行きとなっております。それでは出発進行!」と宣言し、「Rush Hour」にもまれて6人は踊るが、ステージ上段に登場した赤いドレスのユーキ……ならぬユー子にアロハはひとめぼれ。

 カイやハルとダンスで掛け合いながら「Pretty Girl」で猛アピールして、ユー子を抱きかかえるようにリフトすると、赤い薔薇を手渡して遂に告白に成功する。そこからディナーにエスコートしてデートに進むものの、テーブルマナーに戸惑う姿を「Table Manners」の歌詞に合わせて演じるアロハの後ろには、ウェイタースタイルでダンスするリョウガ、タクヤ、マサヒロが。パニックに陥った心情を「panipani」で表し、ユー子に無理矢理キスしたアロハは、リョウガと共に「Kiss Me Baby」のキレキレなダンスで、いきなり色気をダダ漏れにする。だが、そこにオレンジのワンピースを着た本カノ役のハルが「ちょっと! なに浮気してんのよ!」と登場するなり、警察官のカイが「愛と正義のパトロール!」と現れて「POLICEMAN」でアロハとハルを元サヤに収め、仲直りのキスで一件落着。

超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】

 最後は車掌にカップル、ウェイターに警察官と、なかなかのカオスなビジュアルで「ラキラキ」を全員で楽しく踊り、客席に“yeah!”のコールを湧かせていった。物語に合う楽曲をチョイスし、それを歌うボーカルに合わせてダンサーが演じるというコミカルなパフォーマンスは、史上初のメインダンサー&バックボーカルというグループ構成に、10年を超えるキャリアで豊富な楽曲レパートリーを持つ彼らだからこそ。そこに加入から2年で果敢に喰らいついていくシューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルと2桁号車の4人も頼もしく、加えてユーキとハルは公演を重ねるごとにビジュアルのかわいらしさに磨きがかかっていた。そんな変身力もパフォーマーとしては確実に一つの武器になるだろう。

 「まだまだすてきな旅は続きます。それでは出発進行!」というタカシの号令からは、さらに“美”の象徴とも言える“花”の物語を表していく。LEDには超特急BULLET TRAIN号に乗ってくつろぐメンバーの映像が映り、最後に真っ白な服でたたずむ9人と、ステージに現れたリアルの9人が完全にシンクロ。そしてセンターで掌から花の種を落としたタクヤが突如、猛烈な蹴りを繰り出して「Cead Mile Failte」を投下すれば、LED上では種から出た芽が真っ赤な花となる。重低音のシンフォニックなトラックに乗るアグレッシブでダイナミックなダンスは、裾の長い白衣装によく映えて、シューヤの圧倒的フェイクからゆがんだ声で“摘ませない花を”とたたきつけられるツインボーカルも力強い。

超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】

 続いて、新体制では今ツアーが初披露となった「Beautiful Chaser」は、タカシとシューヤが仰向きに横たわったままで歌う幕開けで驚かせたのに加え、ダンサーが7人と増えたことによりパフォーマンスの迫力が大幅アップ。エレキギターが鳴り響くへヴィロックと猛烈な勢いで噴き上がるファイヤーボールを背に、何よりモニター越しにすさまじい目力で圧倒するユーキはまさしく悪鬼の様相で、先ほどまでのユー子ちゃんとのギャップで見る者を震え上がらせる。まばたきすら許さずくぎ付けにしたパフォーマンスの衝撃を、スローなハーモニーで鎮めたのは、続いてボーカル2人だけで歌われた「霖雨」。だが、エモーションの強さは絶妙な揺らぎを聞かせる歌声からも明らかで、その波動がまた一つの美しさを生み、曲終わりにダンサーが合流してからは「Thinking of You」へとつないでいく。

超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】

 センターに立つタクヤはメンバーの間を行き交いながら“君”を想うひたむきな物語を描き出し、LEDに映る月夜の花畑とボーカル2人が重ね合うフェイクが繊細にコラボレート。最後は「Cead Mile Failte」で咲いた赤い花をタクヤが掲げて、超特急のパフォーマンス力を見せつけた“花”ブロックの幕を閉じる。時に激しくたたきつけるように、時にはかなく抱きしめるように。人が一生で味わう感情を、さまさまなに描き出した楽曲で、それぞれの“美”を映し出す彼らの多彩な表現力は、新体制となって以来ライブにテレビ出演、俳優活動と、すべての経験から還元されたものであるに違いない。

超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】

 そんな豊かなパフォーマンスをビジュアル面からも支える衣装は、今回もカイのプロデュースによるもので、演出プロデュースを務めるユーキの伝えたいメッセージを落とし込んだものだそう。例えば、ここで着ている衣装は白地に白糸で花や植物の模様が入っており、その模様に込めた想いについて、ユーキは「タクヤが手から種を落としたということは……?」とヒントをくれた。その白衣装はボーカル2人でステージを預かり、センターステージに進み出て「今、目の前にいる大切な人や特別な存在を、より大切に思える。そんな楽曲を用意しました」(タカシ)と歌い上げた「Holtasoley」にもぴったりとマッチ。会場の真ん中から“そばにいるよ”と放たれる力強いボーカルは包容力満点で、互いに見つめ合いながら紡がれるハーモニーは至上の美しさだ。2人の頭上に集められた光の効果や星空のように瞬く照明と相まって、まるで天上にいるかのような幸せな心地を味わわせる。湧き起こる拍手にタカシが「ありがとう」と告げると一転、スレンダーな黒衣装に着替えたダンサーによるダンスブリッジがメインステージで開幕。

超特急が4万人の“8号車”と美しきレールの先に輝く夢の実現を誓う!【前編】
Evoto

 いきなりバク宙をかますユーキを皮切りに、鍛えあげられた筋肉を自在に駆使するマサヒロ、センスの良いアクションで妖艶な空気感を醸すカイと、イメージカラーの照明を浴びて順にソロダンスを披露する。突然センターステージに現れたリーダー・リョウガが、しなやかに身をしならせて歓声を呼べば、ハルははつらつとブレイクダンス。流れるような動きでセクシーに魅せるタクヤ、速いテンポでフロアに舞うアロハと個性を表したところにボーカルが加わってからは、煽情的なナンバーで超特急のボーカル&ダンス力を堪能させ、8号車の体温を上げる危険なブロックに突入する。(※後編に続く)

取材・文/清水素子 撮影/米山三郎・笹森健一


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