「あんぱん」北村匠海演じる柳井嵩の家族役で、松嶋菜々子、二宮和也らの出演が決定!2024/08/01
NHK総合ほかで、2025年度前期に放送される連続テレビ小説「あんぱん」(日時未定)の第5弾出演者発表があり、松嶋菜々子、二宮和也、中沢元紀、瞳水ひまり、戸田菜穂、竹野内豊らの名前が出そろった。今回発表された出演者は、ヒロインの夫・柳井嵩(北村匠海)の家族「柳内の人々」を演じる。
今田美桜がヒロインを務める“朝ドラ”第112作「あんぱん」は、アンパンマンを生み出した漫画家・やなせたかしさんと妻・小松暢さんの夫婦をモデルとした物語。やなせさんが「アンパンマンのマーチ」の歌詞を生み出した背景には、戦前・戦中・戦後と激動の時代を、ちょっと気が弱くて自信のない彼と共に生き、けん引し続けた“ハチキンおのぶ”こと暢さんの存在があった。何者でもなかったヒロインののぶ(今田)と夫の嵩(北村)があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現したアンパンマンにたどり着くまでを描き、生きる喜びが全身から湧いてくるような愛と勇気を届ける。
嵩の母・柳井登美子を演じるのは松島。文化的な教養が豊かで美しく勝ち気な女性で、嵩が幼い頃に夫の清を亡くした。奔放な振る舞いで嵩を翻弄(ほんろう)する。松島は「夫を早く亡くし、子ども2人を親類に預けて離れて暮らした期間があるとうかがいました。家族の在り方が作品にも反映されていて、やなせさんの思いが詰まった『アンパンマン』という物語に大きな影響を与えたお一人だと思います。やなせさんの家族愛や人生観をより深く理解しながら大切に演じたいと思っています」と抱負を語る。
そんな松島は、やなせ作品への印象を、「10代の頃、テレビで『アンパンマン』を見ていましたが、その優しさに切なさも感じていました。自分の子どもが生まれて再び『アンパンマン』を見るようになり、その内容の深さを改めて再認識しました。アンマンパンの優しさと勇気に触れるたび、私も人を思いやれる心を持ち続けたいと思います」と語る。
登美子の夫で、嵩の父・柳井清には二宮。出版社を経て新聞社での海外赴任時代に病死。文学や絵に造詣が深い、嵩が大好きな父で、物語はすでに清が他界しているところから始まる。連続テレビ小説初出演となる二宮は、「本当に驚きました。なんとなく感覚的ではありますが、あの連続テレビ小説に自分が出演できるとは考えてもいなかったので、ご期待に応えられるよう、共演者の方々とふっくらと柔らかい作品を作っていけたらと思います」と作品への出演を驚きながらも意欲を見せる。
二宮に好きな「アンパンマン」キャラクターを聞くと、「ナガネギマンや、ねむねむおじさん。メインの周りにいるキャラクターたちが好きです(もちろん! メインキャラクターも好きですが!)」とらしい答えが返ってきた。
嵩の弟・柳井千尋役は中沢元紀。幼少期は体が弱く、兄の陰に隠れるような弟だったが、大きくなるにつれ、家族思いで優しく、文武両道の青年となる。中沢にとっても連続テレビ小説への出演は初で、「朝ドラに出演することは役者としての大きな目標の一つでした。幅広い世代の方々にたくさん愛されていて、1日の始まりを明るく元気に送り出してくれる印象があります」と朝ドラのイメージを語る。心の底からうれしく感じたという千尋役決定について、「千尋は、強くてたくましく、細かな気遣いもできる心の優しい青年です。皆さんと過ごす中で生まれてくる気持ちを大事にしながら、全身全霊で臨み、千尋とともに僕自身も成長していければと思います! 皆さんとお会いできるのが今からとても楽しみです!」と千尋として視聴者に会えることを楽しみにしている様子だ。
「アンパンマン」キャラクターのお気に入りはロールパンナだそうで「子どもの頃、風呂敷をマントに、布団たたきをリボンに見立ててよく母親に遊んでもらっていました!」と思い出を振り返る。
高知で柳井診療所を営む柳井家を献身的に支え、一家に慕われている柳井家の女中・宇戸しんを演じるのは、連続テレビ小説初出演の瞳水。「出演が決まったときは『まさか私が!?』とびっくりしたと同時に、故郷である高知県へ恩返しができると本当にうれしくなりました。柳井家に仕えている“おしんちゃん”は、柳井家の皆さんを心から信頼し尊敬していると感じます。私が考える『生きる喜び』とは、見返りを求めることなく相手に喜んでもらうために生きることです。彼女の、いつも誰かのためにと動くその姿勢は、決して目立ちはしないけれど、ものすごく大きな愛に満ちあふれています。おしんちゃんが皆さまに愛されるよう、精いっぱい彼女とともに生きようと思います!」と故郷を舞台にした作品への並々ならぬ意気込みを言葉に込めた。
やなせ作品への思い出を聞くと「私が生まれ育った高知県では、いつどこに行ってもやなせさんのキャラクターが壁やお店などにいたので、やなせさんの作品は好きを通り越して日常となっています。その中でも私が特に好きなのはロールパンナちゃんです。正義と悪の二つの心を持ち、そこに悩み続ける姿は、誰しもが共感し考え続けることだと思います」と、やなせ作品お膝元出身者ならではの視線で答えた。
厳しさと優しさを持ち合わせ、夫の寛とともに、おいっ子の嵩と千尋を預かることになる嵩の伯母・柳井千代子を演じるのは戸田菜穂。「出演が決まった時、とてもとてもとてもうれしかったです! 私は18歳で連続テレビ小説『ええにょぼ』(1993年)のヒロインを演じさせていただきました。いつの日かお母さんとして帰ってきたいなあと夢見ていました。私の役は育ての母ですが、やなせたかしさんの心の襞(ひだ)を育んだ女性です。そのことを心して、感性豊かな女性を演じたいと気の引き締まる思いでおります。頼もしい監督と、素晴らしい共演者、スタッフの皆さまと心ふるえる、優しさにあふれる作品になるよう、全力で取り組む気持ちです」と、朝ドラでの念願の母役に気を引き締めていることを明かした。
戸田にとって印象深いやなせ作品は「やさしいライオン」だそうで、「一読して泣きました。もしかしたら、この絵本にすべてが込められているのではないかと思います。今、生きていることに感謝しなければいけないと、家族との別れや戦争での苦しい体験をなさったやなせさんゆえの愛情の深さに心底胸を打ちます」とその理由を語る。
そんな千尋の夫で嵩の育ての父となる伯父・柳井寛を演じるのは竹野内。柳井診療所の院長を務める町医者で、どんな時も嵩と千尋を人を励まし続け、生きる道しるべを示す人物だ。竹野内も連続テレビ小説初出演。「今回のように実在の人物をモデルとした役を演じる場合は楽しみでありながらも、ご本人を知る方々の期待を裏切らないように取り組みたいと思っています。私が演じる伯父の柳井寛という人物は、私たちが生きる上で根底に必要となる部分、忘れてはならないものを、日々の生活の中で温かく思い出させてくれるような人物なのではないかと感じます」と役柄への思いを馳せた。
竹野内は、やなせ作品に「人を大切にすること」「人に優しくすること」「分かち合うこと」「人を許すこと」「勇気を持つこと」などを教えられたと言う。「人生を生きていくなかで忘れてはいけないこと、それがやなせさんの作品のなかには随所に詰まっていて、登場するさまざまなキャラクターの素直で真っすぐな言葉や行動によって、見ている子どもたちの心にも自然に伝わっていくのではないかと思います」と、その尊さを振り返った。
今回の「柳井家の人々」出演者発表を受け、嵩役の北村は、「柳井家が発表となりました。そうそうたるキャストの皆さまが集結しました」と感謝。そして「僕らが紡ぐのは当たり前のようで当たり前ではない日々です。時代は違えど確かな愛や人間くささや浮き沈みの機微を丁寧に我々で描いていきたいと思います。撮影は長く楽しく厳しい道のりですが、われわれが笑って作り上げていく空気を楽しみにしていてください。精いっぱい、生き切ります」と、柳井家の人々とともに、撮影に挑んでいく決意を伝えている。
倉崎憲チーフ・プロデューサーは、「柳井家の人々が、嵩に限らず、主人公の浅田のぶにもあらゆる影響を与えていくことになります。いよいよクランクインも近づいてきましたが、魅力あふれるキャスト陣が集う『あんぱん』にご期待ください」と期待を寄せた。
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