和田由美「さっぽろ喫茶店グラフィティー」、18年ぶりに改訂！2024/08/04
札幌の人気エッセイスト・和田由美氏によるコラム・ノンフィクション本「さっぽろ喫茶店グラフィティー」が18年ぶりに改訂され、7月27日に発売された（定価1650円）。1970～80年代を中心に、愛すべき札幌の喫茶店への思いを、数々のエピソードと共につづる内容で、札幌の喫茶文化をたどる貴重な1冊といえそうだ。
和田氏は、札幌初のタウン情報誌「月刊ステージガイド札幌」の編集長を経て、ベストセラー「さっぽろ青春街図」を世に送り出したことで知られる。88年に設立した出版社・亜璃西社の代表を務めながら、各紙誌に連載を持つエッセイストとしても活躍。著書に「北海道 究極の食材めぐり」（JTBパブリッシング）、「こだわりのロングセラー」（共同文化社）、「日曜日のカレー」「さっぽろ狸小路グラフィティー」「札幌続この味が好きッ！」（以上、亜璃西社）などがある。
「さっぽろ喫茶店グラフィティー」では、札幌にかつてあった学生街の喫茶店、懐かしのジャズ喫茶などを取り上げ、店のマスターや常連客に取材。同時代を知る和田氏ならではの思い出を含めて、その店の雰囲気や存在感を魅力的に伝えている。また、健在の老舗や自家焙煎にこだわる珈琲専門店など、今も訪れることのできる店も多数掲載。2006年の初版から情報とデータを更新したことで、店主や店の“今”がよく分かるようになった。
冒頭8ページにわたるカラー特集「喫茶店スクラップ帖」から、巻末の直木賞作家・藤堂志津子氏と和田氏との対談、「ELEVEN」「北地蔵」など数々の名店の店舗設計を手掛けた今映人氏へのインタビューに至るまで、読みどころが満載。喫茶店を通して街の記憶を伝える本書は、当時を知る人には懐かしく、知らない世代には新鮮に映ることだろう。
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