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ピアニストの横山幸雄がFM福岡で記者会見「福岡は準ホームタウン」と笑顔2024/07/31

ピアニストの横山幸雄がFM福岡で記者会見「福岡は準ホームタウン」と笑顔

 11月30日に福岡シンフォニーホール(福岡市)でリサイタルを開催するピアニストの横山幸雄が、7月22日に主催者の一つFM福岡(同市)で記者会見を開いた。

 今回は、ショパン全曲(240曲)演奏の公演など数々の偉業を成し遂げてきた希代のピアニスト・横山自身が台本を書き、プログラムを構成し、演奏する。第1部は、ベートーべン、リストの名曲と横山の自作曲で構成。第2部は「ショパン物語」と題して、ショパンの名曲を演奏とナレーター・生野文治の朗読を交えて披露する。福岡では初めて行うプログラムだ。

 ジャケットの中に自らデザインしたTシャツを着て、会見場に現れた横山は開口一番、柔らかい口調で「皆さま、こんにちは。…暑いですね(笑)」と場を和ませてから、語り始めた。

ピアニストの横山幸雄がFM福岡で記者会見「福岡は準ホームタウン」と笑顔

 「今まで福岡では何度も、いろんな種類の演奏会をやってきましたけれど、今回は前半にベートーべンやリストの作品を演奏して、後半は朗読を入れながらショパンの人生を追っていく構成とさせていただきます。朗読ありの演奏会というのは時折、各地でやっているんですけど、朗読と、トークと、何もないのと、それぞれ全部違いまして。まあ音楽というのは、そもそもが言葉がなくても素晴らしさを感じることはできるんですけれども、普通にトークとして作曲家の背景だとか、説明を加えることで、より作品のことを(深く)知れるということもあります。朗読となりますと、一つの物語として、よりショパンの生きた時代、生活していた空間、を想像していただきながら、その世界に浸りながら、ショパンの曲を聞いていただく、そんな趣旨となっております」と、まずリサイタルの内容を説明した。

 ナレーターを起用した朗読入りのプログラムについては問われると「細かい話ですけど、演奏中っていろんなところに力が入っちゃう。のどを締めちゃったりとか。思いっきり演奏した後に朗読しようと思っても声がかすれちゃったりとか。そういったことは今回は気にせず、お客さまと同じように世界観に浸りながら演奏に集中できる、というのが今回の形になります」と明かす。

 その台本は自身で書き下ろす。「例えばショパンの生涯に関するだけでも3、4種類、台本を書いているんですね。20年以上前からやっているので、自分の中でもショパンに対する感じ方、考え方、どこに焦点を当てるのか、毎回ちょっとずつ違っていて。それを読んでいただく方、例えば女性であれば、ショパンのパートナーだったジョルジュ・サンドの視点に立ってみたり、男性だったらショパンの良きライバルだったリストの立場から見てみるなど、台本っていろんな書き方があるんですね。今回は既存の台本を使わずに、もう一回、新しい台本を書き下ろしたいなと。まだ、書いていないです。これから演奏会に向けて書き下ろしたいなと思っています」と意欲を示した。

 開催する福岡への思いについて聞くと「実は福岡で僕が福岡出身とうわさされているらしいです。記憶にある限り福岡出身ではなく、東京生まれのはずなんですけど(笑)。福岡はデビュー以来、そうですね、少なくとも月に1回、多い時は月に3、4回、来ているんですね。何ででしょうね(笑)。好きなんですね、福岡の街が。実際に、空港から近いので便利。福岡に友だちも多いので。広島や鹿児島で仕事や用事があった時には必ず福岡へ寄ってるので、僕の中では準ホームタウン的なイメージがあります」と笑顔を見せた。

 今回のリサイタルが、文化庁の「子供舞台芸術鑑賞体験支援事業」として「小学生~18歳以下」を対象に100人を無料で招待することもあって、記者会見にも福岡市内の高校生が招かれた。福岡女学院高校の音楽科と筑紫女学園高校の放送部の生徒が出席し、音ミスや緊張の解消法、集中の仕方、音楽の未来、生演奏の魅力などを質問。横山が熟慮しながら言葉を選び、包み込むような話し方で回答する様子が印象的だった。


 11月の公演へ向けてエフエム福岡では10月27日の「名曲classics」(日曜午前7:00)で、横山の特集を組む予定だ。


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