新しい学校のリーダーズ初武道館ライブ生中継が「第14回衛星放送協会 オリジナル番組アワード」グランプリ受賞！ 特別表彰・山田洋次監督のコメント全文も2024/07/13
CS・BSならではのオリジナル作品を全国に広めるために開催されている「衛星放送協会 オリジナル番組アワード」の第14回授賞式が開催され、先立って発表されていた番組部門・6ジャンルの最優秀賞の中から「生中継！新しい学校のリーダーズの初武道館『青春襲来』」（WOWOWライブ）がグランプリに選ばれた。
「生中継！新しい学校のリーダーズの初武道館『青春襲来』」は、「オトナブルー」など楽曲のポップさと妖しさあふれるメロディーや首振りダンスといったキレキレのパフォーマンスで国内外を席巻した4人組ダンスボーカルユニット、新しい学校のリーダーズが2024年1月に行った記念すべき初の日本武道館公演をWOWOWで独占生中継したもの。
360度を観客に囲まれたセンターステージ形式による演出のため、映像収録は全方位から狙い、カット割り等を綿密にプランニング。37台の有人カメラとマイクロドローンを駆使し、ダンスパフォーマンス中に足の間をマイクロドローンカメラが駆け抜ける等、新時代の映像体験を実現させた。
新しい学校のリーダーズからはビデオメッセージが届き「360度、全方位から狙ってここだ！というタイミングがすべて撮られていて、私たちもいろいろな構成をこだわって作っていたのでそのかけ算で大変うれしい作品となりました。感謝申し上げます」と受賞を喜んだ。
審査員長のノンフィクション作家・吉岡忍氏は「新しい学校のリーダーズが持っている素晴らしいパフォーマンスを映像やスイッチングの素晴らしさで何十倍にも膨らませて見せている。その技術がそこにあることを感じさせない滑らかでリズミカルな映像がチームワークによってライブでできてしまうのはすごいことだと思います。30年培ってきたこの技術を衛星放送全体の力にしていくような企画を続けていただければと思います」と評した。
グランプリのほか、各部門の最優秀賞の表彰も行われ、コンテンツ展開部門最優秀賞受賞「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」（時代劇専門チャンネル）の主演・松本幸四郎からはビデオメッセージが到着。ミニ番組部門最優秀賞「『シモ’Sキッチン！』シモ流特大お好み焼き」（GAORA SPORTS）に出演する元プロ野球選手・下柳剛や、ドラマ部門最優秀賞「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」（WOWOWプライム）主演の三浦貴大が登壇し、それぞれ受賞の喜びを語った。
また、シリーズの劇場公開から55周年を迎えた「男はつらいよ」の山田洋次監督が、これまでの功績と、作品のオンエアを通じて衛星放送の普及にも寄与したことを称えられ、特別表彰された。サプライズゲストとして「男はつらいよ」シリーズの博役でも知られる前田吟が花束を持って登場！ さくら役の倍賞千恵子もビデオメッセージで山田監督の功績をたたえた。
【山田洋次監督コメント全文】
「（倍賞千恵子からのメッセージを見た直後）感慨無量だな。まだ前田吟くんが本当に初々しい青年で目に涙をためて、若い（倍賞）千恵子さんが演じるさくらさんに愛の告白するシーンを撮ったのが、もう55年前なんですよね。僕が第1作を撮ったのはもう少し前だから言ってみれば60年間くらい映画を撮り続けてきたわけで、たくさんの映画を撮ってきた。そのせいで、この大切な賞をいただいたんじゃないかと思います。
寅さんを作りはじめた1960年代、50年前のことを思い返しますとね、あの頃のテレビの地上波は今から考えると非常に充実していたように思います。コマーシャルもお金をかけて豊かなものを作っていた。大林宣彦さんなんかが監督していた時代で、彼に言わせると“もっとお金を使ってくれ”“日本の海岸ですむものも、わざわざハワイまで行ってくれ”という時代だったというんですね。それに比べると今の時代の地上波は、貧弱になっていますよね。とても安上がりに作っているなという感じが手に取るように分かるわけです。
力を込めてお金をかけて作っているなというドラマはほとんどなくなってしまっていることを僕はとても悲しく思うんだけども、あのそういう時代にあって衛星放送の果たす役割はとても大きいんじゃないかと思います。今日ここに選ばれて賞を受けられた作品は、みんなそういう状況の中で作られた良心的な作品なんじゃないかと思います。これからもそういう成果を衛星放送という畑でたくさん育てて得られるように心から願って止みません。今日は本当にありがとうございました」
今回、受賞した番組は、いずれも専門チャンネルの特性を生かした良作ぞろい。ぜひこの機会にチャレンジングな番組たちを知ってほしい。
第14回「衛星放送協会オリジナル番組アワード」各賞受賞番組
【番組部門 最優秀賞】
■ドラマ
東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-（WOWOWプライム）
東洋経済オンラインで1億5000万PVを突破した連載が原作。経済誌の契約編集者・雁矢摩子（趣里）が、相棒の風俗ライター・﨑田祐二（三浦貴大）と貧困女性たちを取材し、自らの目線や体感を通し、社会の矛盾や貧困問題の巧妙な仕組みを浮き彫りにする社会派ドラマ。
<審査員選評コメント>
「風俗で働く女性の発言が生々しく、地上波では削ってしまうようなところをきっちりと描いていて、問題がより分かりやすく伝わっていると思いました」
■ドキュメンタリー
ＢＳ１スペシャル「わが娘を手放した日 中国“一人っ子政策”のその後」（NHK BS1）
中国で36年間も続いた「一人っ子政策」。罰金や罰則に耐え切れず、わが子を手放さざるを得なかった親と、国際養子縁組に出され生みの親に会いたいと願う子ども。番組では、21年ぶりに再会した親子に密着し、21年の空白を乗り越え歩み寄ろうとする親子の物語を映し出す。
<審査員選評コメント>
「家族の絆、育ての親の思いを丁寧に描いた非常に心打たれる作品。それだけに国の政策が私たち一人ひとりにどういう影響を与えるのか考えさせられる力作だったと思います」
■中継 ★グランプリ
生中継！新しい学校のリーダーズの初武道館「青春襲来」（WOWOWライブ）
音楽ライブ中継の最高峰“WOWOWクオリティ”を標榜（ひょうぼう）し、フルスペックによる収録制作体制で生中継を実施。今大注目の4人組ダンスボーカルユニット、新しい学校のリーダーズのパフォーマンスを余すところなく捉えた。
<審査員選評コメント>
「スイッチャーの切り替えが素晴らしい。海外での別の中継を見たときには、WOWOWでの中継は、アーティストとの信頼関係あってのものだったのだと改めて感じさせられました」
■文化・教養
ゴッドハンド 復元師と天翔る白馬（NHK BSプレミアム）
“ゴッドハンド”の異名をとる、焼き物の復元師・繭山浩司。全国の美術関係者から預かった数々の破損品を、どんなに目を凝らしても傷跡が分からないまで復元してきた。今回、古美術界の重鎮から江戸時代に有田で焼かれた磁器の色絵馬（時価1億円）などが持ち込まれた。繭山は親子三代で受け継がれ、表に出ることのなかった秘技をカメラの前で披露する！
<審査員選評コメント>
「傷がなくなり、元に復する素晴らしい復元作業やひたむきで真摯（しんし）な姿を、丁寧に丹念に美しく映したカメラワークが素晴らしかったです」
■バラエティ
＜開局25周年＞ドリーム対談 里見浩太朗×高橋英樹 われらの時代劇（時代劇専門チャンネル）
長年にわたり時代劇界をけん引してきた2大スター・里見浩太朗と高橋英樹。互いに唯一無二のスターであるがゆえに、作品ではなかなか交わることのなかった名優が、時代劇の時代劇の聖地・京都撮影所にて時代劇のあの頃、そしておのおのの今・これからを語り合う。
<審査員選評コメント>
「3時間半の長さを感じさせない楽しいトーク番組。進行役の原田龍二さんからお二人へのリスペクトを感じたこと、衣装やセットも素晴らしかったです」
■ミニ番組
『シモ’Sキッチン！』シモ流特大お好み焼き（GAORA SPORTS）
阪神や北海道日本ハムなど4球団で活躍し、最年長最多勝の記録を持つ下柳剛は、実は料理が得意。この番組では下柳の自宅キッチンから、「誰でも手軽に作れる男の一人飯」を伝授する。マウンドでは闘志むき出しで暴れまくった鉄腕サウスポーが、笑みとダジャレで、台所から発するメッセージには温かみと独特のユーモアがあふれている。
<審査員選評コメント>
「怒って地面にグラブをたたきつける、犬にしか興味がないのかと思っていた下柳さんが、 “下柳のおじちゃん”と呼ばれてニコニコしながらおちゃめな一面を見せながら料理をしているだけで満腹になる番組だと思います」
●再放送情報
GAORA SPORTS
9月12日 午後5：30～
【番組部門 審査員奨励賞】
■ドキュメンタリー
＃つなぐひと ～わたし、義肢装具士になりました～（BS12 トゥエルビ）
病気や事故で足を失った人や、身体に障害がある人のために、人工の足や補助道具を製作する“義肢装具士”。世界遺産・石見銀山のある人口わずか400人の小さな町・島県大森町で、障害のある人々のために、切磋琢磨する若き義肢装具士に密着し、義肢装具士と患者との絆を描いた。
<審査員選評コメント>
「義肢装具士の方々は、突然、手足を失ってしまった患者さんたちの怒りやいら立ちに寄り添って仕事をしている。陰で人々のために力を尽くすということが、日本のよき伝統を作ってきたんだと改めて気付かせてくれたことに感謝しています」
【コンテンツ展開部門 最優秀賞】
「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」（時代劇専門チャンネル）
累計発行部数3,000万部を超える池波正太郎原作の大ヒットベストセラー時代小説『鬼平犯科帳』。これまで4度映像化された不朽の名作が、原作者の生誕100年という記念すべき年に、“鬼平”こと長谷川平蔵役として松本幸四郎を迎え、新たに映像化。その記念すべき第一弾となるテレビスペシャル。
<審査員選評コメント>
「“さすが鬼平”と思わせる見ごたえのある作品。時代劇の今後の発展にも思いを感じる企画でした」
●配信情報
時代劇専門チャンネルNETほかにて絶賛配信中
【コンテンツ展開部門 審査員奨励賞】
連続ドラマＷ ＯＺＵ ～小津安二郎が描いた物語～（WOWOWプライム）
日本が世界に誇る巨匠・小津安二郎監督の生誕120年を記念して、初期サイレント映画6作品を気鋭の映画監督6人が現代設定に置き換えたオムニバスドラマ。出演は、田中圭、柄本佑、前田敦子、成田凌、石橋静河、中川大志ほか。
<審査員選評コメント>
「あえて小津監督の初期サイレント映画に光を当てて、それを現代に置き換えてリメークドラマにしたことで、小津作品のテーマ性を知りえる企画になっていると思います。基のサイレント映画と一緒に見られたことも素晴らしかったです」
【番宣部門 最優秀賞】
清順美学 4Kで甦る【大正浪漫三部作】放送告知60秒プロモ（日本映画専門チャンネル）
鮮烈な映像美で知られる鈴木清順監督が遺した『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』いわゆる「大正浪漫三部作」の4Kデジタル修復版を初放送するにあたり、60秒番宣を制作。各作品のみずみずしいショットを際立たせるため、あえてナレーションを付けず、ピンク、イエローが主体の色彩と英語テロップでモダンな印象を表現した。
<審査員選評コメント>
「若い人たちにも届くようなテンポのいい映像、印象に残る映像で番宣番組として真骨頂を発揮していただいたと思います」
【広告部門 最優秀賞】
APEX LEGENDS™ e-elements DREAM MATCH supported by BYD ～王様からの招待状～（アニマックス）
eスポーツ市場における新規ユーザーの獲得・市場の拡大を目的に、e-スポーツ事業「e-elements」を立ち上げ、GAME×MUSIX×FASHIONの夢の祭典として、キャスト総勢80名が出場してエンターテインメント要素を盛り込んだ新しいe-スポーツオフラインイベント「DREAMMATCH」を、2023年10月8日に幕張メッセで開催した。メインスポンサーの「BYD」は、MVPプレイヤーに「BYD DOLPHIN（電気自動車）」を贈呈し、自動車に興味や関心が離れた若年層に対して、最新の電気自動車を身近に感じてもらい、ブランド力を高めた事例となった。
<審査員選評コメント>
「チャンネルの専門性を生かしたイベントに仕上がり、今後の広告展開のお手本になる好事例と言えると思います」
「オリジナル番組アワード！ 受賞作品はこれだ！」スカパー！ および J：COMにて9月に無料放送予定！
「オリジナル番組アワード！ 受賞作品はこれだ！」では、7月12日に開催された授賞式の模様と、表彰された各作品の見どころ映像を講評と共に紹介する。
また、「週刊フジテレビ批評」では「衛星放送協会 オリジナル番組アワード」を特集予定。
【番組情報】
「週刊フジテレビ批評」
フジテレビ系
7月27日 午前5：30～
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