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松重豊が監督・脚本・主演を務める「劇映画 孤独のグルメ」が公開決定! 「本当に腹が減りますよ。これは保証します」2024/07/11

松重豊が監督・脚本・主演を務める「劇映画 孤独のグルメ」が公開決定! 「本当に腹が減りますよ。これは保証します」

 テレ東系の「孤独のグルメ」プロジェクトの記者会見が行われ、テレビ東京開局60周年特別企画として、ドラマ24「それぞれの孤独のグルメ」が10月4日からスタートし、「劇映画 孤独のグルメ」が2025年1月10日から全国劇場公開されることが発表された。

 「孤独のグルメ」は作・久住昌之、画・谷口ジローで「週刊SPA!」に連載された異色のグルメ漫画のドラマ化作品。輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎が営業先で見つけた食事処にふらりと立ち寄り、食べたいと思ったものを自由に食す至福の時間を描いたグルメドキュメンタリードラマだ。2012年1月にシーズン1がスタートし、スペシャルドラマを挟みながら、10年目となる22年でシーズン10を数えた。

 「劇映画 孤独のグルメ」では、主人公・井之頭五郎役を演じる松重豊が、主演・脚本・監督を務める。松重は、「シーズン10というのが大きな節目なんだろうなと思ってはいたんですね。番組立ち上げ時のプロデューサーも偉くなられて、その後についたプロデューサーはNetflixに行っちゃうし、その後のプロデューサーも結局辞めたり(笑)。ほかにもスタッフがどんどんいなくなっちゃって、これはもう一回、人材から立て直さなきゃいけないなっていうのは、2年ぐらい前から課題としてありました。本当に小さなユニットで作ってるドラマなんですけど、実際のお店の方にもご協力いただいたり、食べ物も扱いますし、細かな神経を使わないとできない作品なんですね。だから、このままずっと続けていくよりも、大きな風呂敷を広げた方がいいということで、映画だなと思いました」と、今回の映画製作に至った経緯を説明する。

松重豊が監督・脚本・主演を務める「劇映画 孤独のグルメ」が公開決定! 「本当に腹が減りますよ。これは保証します」

 するとまず、監督を誰にお願いするとか、という問題に突き当たったという。「せっかく広げる風呂敷ですから、かつて『シェイキング東京』(2008年)という作品で出演させていただいた韓国のポン・ジュノ監督に、『孤独のグルメ』を料理してもらったら面白いんじゃないかっていうことになりました。それでポン・ジュノ監督に手紙を書いて渡してもらったんです。残念ながらスケジュールの都合で無理だったんですが、完成を楽しみにしてますって返事をいただきました」と、驚きの起用案があったことを明かした。そして「日本の監督さんもいろいろ頭に浮かんだんですけど、日本の映画のシステムの中でテレ東の深夜番組を作ってるスタッフが飲み込まれてしまうんじゃないかという危惧もありました。それならば、僕は1人の演者としてもやってきたし、統括して全体を束ねていく監督という形でやったらどうかなということになりました。僕が頭に立って全体がやりやすくなるならそれでいいかなと思ったんですね」と、松重が主演と監督を務めることになった経緯を明かした。

松重豊が監督・脚本・主演を務める「劇映画 孤独のグルメ」が公開決定! 「本当に腹が減りますよ。これは保証します」

 通常、テレビドラマの映画化では“劇場版”と付けるのが一般的だが、今回“劇映画”としたことにも理由があった、と松重は話す。「テレビドラマの延長線上に映画があるのかっていったらそうじゃないという、ある意味の覚悟があったんです。まず物語としてちゃんと成立させたいっていうことが一番にありましたから」と、テレビドラマとは違った物語性を映画に求めた結果だという。「ただ、テレ東の方も心配されたんでしょうね。シナリオはほかの方に書いてもらった方がいいんじゃないかって。野木亜紀子さんにシナリオを書いてほしいって頼んだっていうから、ちょっと待ってくれって言って野木さんに電話して『ごめんなさい、ちゃんとこちらで脚本を考えるから』って」とその流れで、松重自身が脚本にも関わることになったと苦笑い。なお、本作の脚本はこれまで「孤独のグルメ」シリーズを多数担当してきた田口佳宏との共作となる。

 そして今回の映画で、松重が物語として描きたいことは意外にも“ラブストーリー”だそうだ。「自分(井之頭五郎)がラブストーリーのセンターに立つんじゃなくて、ラブストーリーっていうものを主軸にしたいといいますか。あとは、大冒険ものにしたいというのもあります。それと、僕らの仕事っていうのは今の社会を映す鏡なんじゃないかと思うので、今の日本を照らし出すような内容は、劇映画として反映させたいっていう思いで話を作りました。こんな機会は一生に一度だけだと思ったんで、やれることは全部も盛り込もうと欲張りましたね」と、これまでの「孤独のグルメ」のイメージを打ち破るような構想を語った。

松重豊が監督・脚本・主演を務める「劇映画 孤独のグルメ」が公開決定! 「本当に腹が減りますよ。これは保証します」

 また、映画監督という重責については、「元々僕は俳優になる前は映画監督になりたかったっていうことを40年ぶりに思い出しました。人前に出て何かするよりも、演者を支えていくっていうことの方がメンタルも安定してましたし、楽しかったんですね。スタッフと一緒にいろんなとこにロケに行ったり、プロデューサーと予算のことでのやり取りもありました。そういうことも含めて映画を作るっていうことが非常に面白いんです。やっぱり俳優だけでは当事者になりきれないという寂しさをずっと抱えてたんですね。この映画に最初から最後まで関われたことは、僕にとってはとても大きな財産になりました」と感慨深げに話した。

 映画の撮影は昨年9月にクランクインし、10月いっぱいにオールアップ。それから今年に入って追加の撮影を行ったという。見どころについては、「井之頭五郎が『腹が…減った』って言うと、絵がぽんぽんぽんと引いていくという印象的なカットがあるんですけど、それをどこでやったら一番映えるだろうかという話になって。『エッフェル塔だろう』って言ったらプロデューサーはすぐに『海外は無理です!』って言ったんですけど、これがなんとかしてくれたんですよ」と、まさかのフランスでのロケが本作の目玉だと語った。

松重豊が監督・脚本・主演を務める「劇映画 孤独のグルメ」が公開決定! 「本当に腹が減りますよ。これは保証します」

 そして劇映画の公開に先駆けて、10月4日からテレ東系でスタートするオムニバスグルメドラマ「それぞれの孤独のグルメ」にも、松重は企画から関わっていると明かす。「映画が僕の想定よりもだいぶ先延ばしになったもんで、実は2024年にレギュラーシーズン(シーズン11)をやってくれないかっていう話があったんですよ。レギュラーシーズンを10月期にやって、それから正月に映画をやるという。ただ、僕の感覚からいってもレギュラーをやって、さらに年末年始に再放送を散々観たのに、1月に劇場に行こうってなるのかなって。だからこの際、一回レギュラーじゃないものをやりたいかなって」と、これまでとは違うグルメドラマの提案を行ったという。

 その背景には、松重がグルメドラマの演者として常々感じていたことがあった。「何かを食べるドラマというのが増えていると聞いてます。でも、“食べる”というのは演者が無理をするというのが必ず出てくるんですよ。僕も『松重は(出てくる料理を)全部食べてるらしい』とか『おかわりもするらしいよ』とか、うわさが流れてしまう。それでこういうグルメドラマは苦しいよねというふうに思われるのは本意じゃないんです。だから、そうじゃない形でもグルメドラマは作れるというのを、僕が現場にいながら確認していきたいなと思いまして」とその意図を説明し、「『それぞれの孤独のグルメ』は、井之頭五郎だけじゃなくて、いろんな職業、いろんな年齢、いろんな性別の方が、仕事の後とかいろんなことを考えて、お腹がすいたら店を探し、美味しいもの食べて、『おいしかった、さあまた頑張ろう!」』っていうのをやってみたら面白いんじゃないかと」と、新たな視点からの「孤独のグルメ」が誕生することになったと話す。

松重豊が監督・脚本・主演を務める「劇映画 孤独のグルメ」が公開決定! 「本当に腹が減りますよ。これは保証します」

 では、本作で井之頭五郎は登場するのかというと、「出オチみたいにそのお店にはいて、何かを食べてるっていうのをやりたいって思っていたんです。そういうのをこの10月期にやるのはどうだろうと話をしました。テレ東さんとは何度も打ち合わせをして、却下されたりもしながら(笑)、ついに企画を通してもらいました。脚本作りから関わってまして、今いろんな方にお声がけしてキャスティングの真っ最中です。キャスティングのオファーが来た人で、まだ返事をしてない人は早く返事をくださいねと、この場を借りて言わせていただきたいと思います(笑)」と、裏方としての本音も交え、会場を沸かせた。また、井之頭五郎としてはいつまで食べ続けていたいのかという質問には、「これはもうノセられたらどこまでもいくしかないというのが俳優の性ですから。本当に必要とされているっていうことであれば、自分でも見極めたいですが、自分が決めるというよりもお客さんが決めることじゃないでしょうか。とにかく今はもう体調を整えていきたいなと思っています。不健康なことはしてないですから、大丈夫ですよ」と“五郎さん”の現役続行を示唆した。

 最後に、「早くお伝えしたい情報もまだまだ盛りだくさんなんですが、小出しにしていくと周りからきつく言われてます(笑)。映画として面白いものになったということは、僕が責任を持って言いたいです。この映画つまんないって言われたら、もう映画とかテレビの世界にいる資格はないなと思っていますし、それだけのものをスタッフ一丸となって作ってくれました。本当に自信を持ってお届けしたいと思います」と胸を張った。さらに「本当に腹が減りますよ。これは保証します。でかいスクリーンであんなもん見せられたらたまんねえなっていう瞬間だけで1時間49分続きますんで、もちろんそれだけじゃなくて物語も含めてなんですけど、そこは保証しますね」と、新たな挑戦である劇映画への自信をのぞかせた。

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