森田剛主演「アナウンサーたちの戦争」が劇場版として公開決定! 豪華キャスト14人からコメントが到着2024/05/10
森田剛が主演を務め、2023年8月14日にNHK総合のNHKスペシャルにて放送された「アナウンサーたちの戦争」が、「劇場版 アナウンサーたちの戦争」として8月に劇場公開(配給:NAKACHIKA PICTURES)されることが決定。そのティザービジュアルが解禁され、主演の森田をはじめ、共演の橋本愛、高良健吾、安田顕ら14人の豪華キャスト陣からコメントが到着した。
さかのぼること戦時中、国民の勝利への士気を高めるべくプロパガンダの先頭に立ったアナウンサーたち。その中には自らが国の扇動に加担しなければならなかった現実に悩み、あらがい、苦しみ続ける者もいた。戦時中における放送と戦争の知られざる関わりを通して新たな戦争の事実に気付く「劇場版 アナウンサーたちの戦争」。戦争を語る人がますます少なくなっている現代、本作を通してまた新しいアプローチの考察と共感、そして感動を呼び起こし、決して風化させてはいけない戦争の事実に目を向けてほしいと願い、映画化の運びとなった。
政治・経済・社会状況、そしてエンターテイメントにおいても、なお連綿と受け継がれる「不都合な真実の隠蔽(いんぺい)」と「不条理な大衆扇動」が実はまだそこに、ある。本作が映画化となり発信するメッセージも、戦時中における放送と戦争の知られざる関わりを通して、そこに関与する人間たちの苦悩を私たちに突きつける。
太平洋戦争では、日本軍の戦いをもう一つの戦いが支えていた。ラジオ放送による「電波戦」。ナチスのプロパガンダ戦にならい「声の力」で戦意高揚・国威発揚を図り、偽情報で敵を混乱させた。行ったのは日本放送協会とそのアナウンサーたち。「アナウンサーたちの戦争」では、戦時中の彼らの活動を、事実を元に映像化。放送と戦争の知られざる関わりが描かれる。
国民にとって太平洋戦争はラジオの開戦ニュースで始まり玉音放送で終わった。奇しくも両方に関わったのが天才と呼ばれた和田信賢アナ(森田)と新進気鋭の館野守男アナ(高良)。1941年12月8日、大本営からの開戦の第一報を和田が受け、それを館野が力強く読み、国民を熱狂させた。以後、和田も館野も緒戦の勝利を力強く伝え続け国民の戦意を高揚させた。同僚アナたちは南方占領地に開設した放送局に次々と赴任し、現地の日本化を進めた。和田の恩人・米良忠麿(安田)も“電波戦士”として前線のマニラ放送局に派遣される。
一方、新人女性アナウンサーの和田実枝子(橋本)は、雄々しい放送を求める軍や情報局の圧力で活躍の場を奪われる。やがて戦況悪化のなか、大本営発表を疑問視し始めた和田と「国家の宣伝者」を自認する館野は伝え方をめぐって激しく衝突する。出陣学徒を勇ましく送り出す実況を任され、ただ苦悩する和田を、妻となった実枝子が叱咤(しった)し目覚めさせる。そして館野もインパール作戦の最前線に派遣され、戦争の現実を自ら知ることになる。戦争末期、マニラでは最後の放送を終えた米良に米軍機が迫る。そして戦争終結に向け動きだした和田たちにも…。
相撲や野球の実況放送、ニュース、朗読、演芸番組など幅広い分野で活躍し“不世出の天才”と呼ばれ、開戦ニュースと玉音放送の両方に携わった伝説のアナウンサー・和田を演じた森田は、「終わった話ではなく、今生きている自分たちの話だと思います。言葉の重さ、命の重さを受け取ってもらいたいです。そして多くの人の目に触れてほしいと思っています」とドラマが映画化となり、劇場公開する意義をコメントとして寄せている。
あわせて、映画化発表に伴い解禁となったティザービジュアルは、森田演じる和田の魂の叫びが垣間見られる力強いビジュアルとなっている。風化してはいけない、今の時代こそ伝えたい、アナウンサーたちのさまざまな想いが交錯し伝えられていく。
戦前の1939年に入局した女性アナウンサーの草分け和田実枝子役の橋本は、「このたび映画館で上映されること、心からうれしく思います。戦争のために、私たちの命も、メディアも、すべてが支配されることの恐ろしさ、そして憤りを感じながら演じたことを思い出します。今も世界を見渡せば、そのあまりの残酷さに胸が張り裂けそうになります。スタッフもキャストも、きっと全員が全身全霊を込めて取り組んだ作品です。どうか届きますように」と作品が多くの人に届くことを切に願う。
開戦臨時ニュースを読み、一躍名をあげた若手アナウンサー・館野守男役の高良は、「言霊という言葉があるように、言葉にはすさまじい力があります。その言葉がどうように扱われ、利用され、皆が信じていたものが崩れていったのか、この作品に関わることで、役を演じることで、自分自身苦しい思いをしたことを今でも思い出します。今は結果が分かっているからこそ、戦時中のことをさまざまな考えで、言葉で意見することができますが、当時生きていた人たちは今を必死に生きていくしかなかった。『アナウンサーたちの戦争』は今の世に必要な作品です。アナウンサーという職業を選ばなかった、遠くに感じている方にも響くものが必ずあります。当時放送されたものとは違う編集で劇場公開されます。ぜひ劇場でご覧ください」と作品で描かれているメッセージの重要性を強調。
1931年に入局した和田の先輩アナウンサーで、面倒見がよく後輩から慕われ、事務処理能力が高く開戦後に派遣されたマニラ局ではナンバー2として局長を支えた米良忠麿役の安田は、「“言葉”という、誰もが持っているものが人を救ったり時には凶器になったりすることを突き付けられる作品です。学徒出陣。かつて、旧国立競技場で行われたそのイベントの実況を拒否したアナウンサー役の森田剛さんが、誰もいない雨の中、魂の言葉を吐露する箇所があります。この作品のその一片に、そこの森田剛さんの魂の芝居に、心打たれました。学徒が、出陣したんです。子どもを、出兵させたんです。人を、殺しに行かせたんです。そこに、右も左も、上も下も、ありません。それを肝に銘じたはずの戦後80年のただ中に、この国のわれわれは生きています。この作品が届いてほしいと願うのは、とにもかくにも、その一片に至るシークエンスです。あの瞬間を残そうとする森田剛さんの演技です。嘔吐に至るほどの言霊をぶちまけるあなたの芝居に、感情を揺さぶられました。ありがとう!!! 私的な言葉を公に伝えてしまい、すみません。いつかメールアドレス教えてください(笑)」と森田の熱演に心を動かされたことを伝えながら、「日常の何げない言葉の積み重ねに、その先があります。争い事が人ごとではなくなってきた現代だからこそ、過去を知り今を見つめ、未来を考えるきっかけになることを願います。ぜひ、劇場でご覧ください」と作品が過去と未来をつなぐ重要な役割を果たすことに期待を寄せる。
和田の1期下の後輩で、戦後もNHKを代表するスポーツアナウンサーとして活躍し続け、野球殿堂入りした志村正順役の大東駿介は、「戦争が過去の話ではない、人ごとではすまない“今”を生きる人間として、放送に携わる人間として、痛いほど、恐ろしいほど感情移入した作品です。アナウンサー・志村正順氏のアナウンス音源から伝わる当時の“今”をしっかりこの作品に宿したつもりです。ぜひ劇場で受け止めていただきたいです」と作品と役柄に込めた思いを述べる。
秘密裏にベトナムに派遣され、偽ニュースで敵軍をかく乱する謀略放送に従事したアナウンサー・今福祝役の浜野謙太は、「『おかえりモネ』でご一緒した一木(正恵)さんからは並々ならぬこだわりを感じた。僕は主だった役ではないが、全力で付いて行こうと思った。行き着けば、自分たちへの痛烈な批判になりうる表現は痛々しいけど、ダイレクトに人の心を打つと思う。この作品がそうだ。そこにはやり残された反省、現在の僕たちにも身につまされることがあるからだ。脚本を読んだ時、涙が止まらなかったし、撮影時は幸せだった。ここに参加できたこと、とても光栄に思います」と作品に携わったことへの誇りと喜びを表する。
1943年10月、神宮外苑の出陣学徒壮行会で送られ、終戦の年、特攻隊員として飛び立った早稲田大学野球部主将・朝倉寿喜役の水上恒司は、「ドラマから劇場版へ。このような流れになった作品に携わったのは今作品が初めてであり、あらためて作り手と見てくださる多くの方々のパワーを感じました。私事でありますが、特攻隊員の役を人生で3度演じさせていただきました。戦争を語る上で特攻隊員は切っても切れない存在ですが、まだまだフォーカスを当てるべき存在はたくさんあると考えます。今回はアナウンサー、です。和田信賢の壮絶な葛藤を体感してください」とこれまでになかったアナウンサーを通して描かれる戦争を体感してほしいと訴える。
学生時代は実枝子と同級生で、入局も1939年の同期だった女性アナウンサー・赤沼ツヤ役の藤原さくらは、「圧倒的な『声の力』『言葉の力』を前に、当時の人々が突き動かされていくのを丁寧に描いたドラマが映画になりました。あの力強いアナウンサーたちの声やまなざしを劇場で目の当たりにすることで、より深いところまで、優しさも、恐ろしさも、胸に染み渡っていく体験になると思います。私が演じたツヤは、厳しい戦争の中、最後まで諦めずに女性のアナウンスを届けようとした女性でした。強く、格好よく、しなやかなツヤのように私も在りたいです。ぜひ劇場で」と物語の魅力に触れながら、演じた役柄への愛着を伝える。
和田の後輩で、多くのアナウンサーが戦争をあおる情熱的な“雄叫び調アナウンス”になっていく中で、「宣伝・情熱は危険だ」と勇気ある苦言を呈し続けた川添照夫役の中島歩は、「この作品が描く時代から現在に至るまで、報道というものは実に多様に姿を変えていきました。しかしその本質は変わっていないように感じます。それどころかその影響力や効果はますます強くなっているのではないでしょうか。この作品は現実に起きたことに基づいています。僕はこの作品に関わったことで報道の危うさを感じ、報道と自分の関係をあらためて考え直しました。戦争の影響が広がる今にこそぜひご覧になってみてください」と報道の危うさとこの作品の重要性をあらためて感じたことを語る。
集金係からアナウンサーに転身した頭脳派で、オランダ領東インドのジャワ島への陸軍侵攻にあたって“謀略放送”による電波戦を主導、敵を混乱させ大きな戦果を挙げた長笠原栄風役の渋川清彦は、「それぞれの武器で、それぞれのやり方で闘っていく。銃や戦車や爆弾ではなく。当時のことを想像したり今も残っている音に少し触れてみたりと、勉強になりました。そしてまた素晴らしい監督にめぐり合え、また一つ財産が増えました。最後に、戦争のない世になりますように」と本作で得た経験への感謝を伝える。
日本放送協会で海外放送を担当していた番組制作のホープで、情報局発足にあたって放送局とのパイプ役を求められ、情報局情報官として出向した並河亮役の眞島秀和は、「メディアに関わる先人たちの苦しみを描いた本作に参加できたことは、俳優として光栄です。劇場での上映も楽しみにしております」と意義深い作品への出演についての喜びを口にし、公開を心待ちにする。
ラジオ放送開始の1925年に入局。青年将校らが官邸など政府機関を占拠した二・二六事件では「兵に告ぐ」の名放送で投降を勧告したアナウンサー・中村茂役の遠山俊也は、「あらためて見ました、『エンターテイメントとして面白い! 楽しんでください!!』と単純には言えませんでした。登場人物はみんなよかれと思って行動している、良い方に向かえと言葉を発している。悪い人は1人もいないのに悪魔は生まれてくる。でも私は、この後味の悪さを感じていたい、『信用できる言葉』とはなんなのかを考えたい。当時よりさらに深刻で複雑で難解かもしれない今、現在だからこそお薦めしたい真実の作品です」と本作が現代に問いかけるテーマの重要性についてアピールする。
野球や相撲など日本のスポーツ実況放送の原型を作ったアナウンサーで、講談調の実況が全国的に大人気だった松内則三役の古舘寛治は、「劇場公開おめでとうございます。このような意義深い作品がテレビ放送だけでなく劇場でも公開される。素晴らしいことです。人は個人では誰もが戦争を嫌うのに、それが社会になるとやがて戦争に傾いていき、個もそれに加担し協力せざるを得なくなる。その不可思議を誰もが考え続けることが大切なのではないか? それを促す役目を物語は担える。そんな作者の気概が伝わってくるような作品です。ぜひ!」と戦争に対する考え方を深めるきっかけになる作品であることを強調。
終戦の年、1945年4月に情報局五代目総裁に就任し、直前まで日本放送協会の会長を務め、和田アナを信頼していた下村宏役の小日向文世は、「ラジオは、困っている人に呼びかけられる、知らない国の知らない人たちにいろんなことが伝えられるという思いで始まり、アナウンサーたちが『前畑頑張れ!』のオリンピック中継など華々しく活躍するようになりました。一方で、アナウンサーたちが戦争という時代に巻き込まれ、散り散りになっていく歴史もありました。戦争がなくならない今の時代だからこそ、いろんな思いで見ていただけたらと思います」と本作が戦争の現実を見つめる機会となることを願っている。
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