水川あさみ主演でヒューマン政治サスペンス「笑うマトリョーシカ」がドラマ化。“秘書”玉山鉄二、“政治家”櫻井翔の闇に迫る!2024/05/07
TBS系では今夏の7月期に、水川あさみが主演を務める連続ドラマ「笑うマトリョーシカ」(金曜午後10:00、開始日未定)を放送。玉山鉄二、櫻井翔が共演することも発表された。
「笑うマトリョーシカ」の原作は、日本推理作家協会賞や山本周五郎賞など数々の受賞歴がある早見和真氏の同名小説。若き人気政治家と有能な秘書の“奇妙な関係”と、彼らを取り巻く黒い闇に新聞記者が迫るヒューマン政治サスペンスだ。
印象的な笑顔とリベラルな言動で人気を集め、未来の総理候補との呼び声も高い若き政治家・清家一郎(櫻井)。そして、そんな彼を支える有能な秘書・鈴木俊哉(玉山)。どちらも非の打ち所がなく完璧に見える。「でも、この2人…何かがおかしい」――そんな2人の奇妙な関係を暴こうと、新聞記者である道上香苗(水川)は、彼らの隠された過去を探っていく。そして、清家が政治家へとのぼっていく過程で不審な死亡事故がいくつも起きていたことを知る。それらの事故は、清家に関係している何者かの仕業と思えたが、新たな事実や人物が次々と浮上。それは、突如事故死した道上の父ともつながっていく。
TBS連続ドラマへの出演は、2016年の「わたしを離さないで」以来8年ぶりとなる水川。水川が演じる主人公の新聞記者・道上は、異様なまでの探求心で元は社会部の敏腕記者だったものの、あるスクープをきっかけに社会部を外され、文芸部に異動させられてしまう。そんなある日、未来の総理候補ともいわれる若き人気政治家・清家を取材。しかし、道上は、清家とその秘書の関係性に違和感を覚える。そんな中、同じく新聞記者だった父が、長年追っていた事件の取材中に突如事故死してしまう。その不審な死と、父が死の直前まで取材していた“ある事件”の背景に浮上した人物は清家の秘書だった。やがて道上は清家をめぐる欲望の渦に巻き込まれていく。
水川は「原作を読ませていただいて、人の“業”や他人には見せたくない人間の側面にある“謎”の部分が描かれているところに興味を持ちました。私が演じる道上は、行動力があり、不器用なくらい真っすぐな女性です。好奇心が強く気になったことは突き止めずにはいられない性分。人として面白いなと思いました。新聞記者という設定に捉われすぎずに、そういう彼女の人間性に深くフォーカスして演じていきたいです」と役づくりについて触れ、「玉山さん、櫻井さんという共演経験もあってよく知ったお二人と、いいハーモニーを生んでいけたらと思っています。さまざまな謎が絡み合う中で、道上は視聴者の皆さんと同じ視点で進んでいきます。一つ一つ謎を見極めながら、没頭していく道上の生々しさが見てくださる方にも伝わればいいなと思います」と共演者と作品への思いを語っている。
さらに、玉山が扮(ふん)するのが、清家を長年支えている謎多き政務秘書官・鈴木。実は清家とは高校時代からの付き合いで、当時から彼に政治家の素質を見いだしていた。現在は、清家を総理大臣へ導くことにすべてを捧げている。しかし奇妙なことに、清家が出版した自叙伝には最も近い人物であるはずの鈴木の名前が一切出てこない。それには誰にも知られていない鈴木の“ある過去”が関係している。
玉山は「本作は人間の欲望やえぐみを生々しく描いた、斬新な作品だと思います。その中で僕が演じる鈴木は、櫻井さん演じる清家を総理にするためなら自分のものをすべて捧げるような男です。その関係が果たしてピュアなものなのか。鈴木が清家を利用しているのか、それとも利用されているのか…よく分からないその複雑な関係性を、推測しながら楽しんでいただけたらと思います」と役柄を紹介しながら意気込みを伝え、「水川さんとは、約20年ぶりの共演になります。お互い環境も変わって大人になりましたが、会ってみたら全く変わっていなくてホッとしました。櫻井さんは『今まで出馬してなかったんですか?』と思うくらい、清家役がピタッとハマっている感じが僕の中であって。共演は初めてですが、僕が思い切って自分をぶつけることで、それが“疑惑”に映ったり、“いい違和感”を生んでいけたらいいなと思います。そしてそれを追う道上の行動を見て、すっきりしていただけたらうれしいです」とアピールしている。
そして、TBSの連続ドラマへのレギュラー出演は2010年の「特上カバチ!!」以来14年ぶりとなる櫻井が、物語を司る清家役で初の政治家役に挑む。43歳の若さで厚生労働大臣として初入閣した清家は、印象的な笑顔と保守派の政治家が多い中で珍しいリベラルな言動で国民から抜群の人気を誇る未来の総理候補だ。すべてが完璧でクリーンなパブリックイメージを持つ清家だが、その栄光の裏では不審な死亡事故がいくつも起きていた。その完璧な笑顔は“偽りの仮面”なのか!?
櫻井は「これまで報道番組で政治家の方にインタビューしてきた自分が、今度はフィクションとして政治家を演じることになり、自分もそのような年齢になったのかと驚くとともに、うれしくもありました。最近はニュースで政治家の方を見るたびに、“何かヒントはないか”という視点で、つい観察もしてしまいます。水川さんとは約10年前にかなりコミカルな夫婦役でご一緒して以来なので、シリアスな本作で対峙(たいじ)できることがとても楽しみです。初共演となる玉山さんとは作品同様に、現場でも頼りながら過ごしたいと思っています」と新たな役柄と共演者に期待を寄せ、「マトリョーシカの殻を外していくように、さまざまなことがどんどん出てくるストーリー展開で、視聴者の方をどう騙しながら話が転がっていくのか。今まで感じたことのない“違和感”を楽しんでもらえる作品にしていきたいです」と見どころと抱負を述べている。
作品を手掛ける橋本芙美プロデューサーは「いつも接している人が本当はどんな人なのか、ひいては自分って本当はどんな人間なのか。早見和真先生の原作小説『笑うマトリョーシカ』を読んで、そんなことを考えるようになりました。今回の金曜ドラマは、『人間の本性』に迫り、その『人間』の怖さ、面白さ、悲しさをこれでもかというほど詰め込んでいきます」と作品のテーマを解説し、「舞台は政治ですが、決して堅くも暗くもなく、いくつもの謎と欲望が絡み合うサスペンス要素と、家族の歴史、親子のつながり、友情といったヒューマン要素を色濃く含んだエンターテインメント作品です。あえて言葉にしますが、『誰もが楽しめる、ヒューマン政治サスペンス』です。早見先生の、人間の深部に迫る傑作小説をベースに、早見先生と打ち合わせもさせていただきながら作り上げた脚本は、今までになくスリリングで、そしてその魅力的な登場人物たちを、水川あさみさん、玉山鉄二さん、櫻井翔さんというこの上なくワクワクする最高のキャストの皆さまが演じてくださることが、今からとても楽しみです!」と力を込める。
原作の早見氏は「自分にとっての『面白い』とは何か? 自分はこれまでどんな作品を『面白い』と感じ、打ちひしがれてきたのか? 『笑うマトリョーシカ』はそういったことをはじめて分析し、かみ砕き、逆算して書き上げた物語です。同じものを書けと言われても二度と書けない気がします。似たようなニュアンスでも難しいかもしれません。行き当たりばったりとは言いませんが、ずっとギリギリの綱渡りを続けているような執筆期間でした」と作品への思いと創作過程の難しさを振り返り、「僕にとって一番面白いものは『人間』であり、『人間の業』以外にありません。では、その『業』とは何なのか。最後の最後まで『面白い』に全神経を注いだ作品です。それが映像でどう表現されているのか、放送を心待ちにしています」とドラマ化に際して、あらためて感じていることを明かしている。
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