松本幸四郎と市川染五郎が親子共演! 博多座「二月花形歌舞伎」が開幕2024/02/01

2月3日から福岡市の博多座で行われる「二月花形歌舞伎」。松本幸四郎と、同劇場初登場となる市川染五郎の親子共演で注目される公演について、幸四郎が意気込みを語った。
「二月花形歌舞伎」の演目は、生誕130周年を迎えた江戸川乱歩の小説「人間豹(ひょう)」を原作とした新作歌舞伎「江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)」と、“鵜(う)飼い”をモチーフにしたユーモラスで明るい舞踊劇「鵜の殿様」の2本立て。昼・夜の部ともに、同じ2演目を上演する。
乱歩歌舞伎とも呼ばれる「江戸宵闇妖鉤爪」は、幸四郎の発案から約10年の時を経て舞台化し、2008年に初演。父・松本白鵬が脚本を手掛けたこともあり、幸四郎にとって思いもひとしおだ。
人間豹(染五郎)が世の中をかき回し人々を恐怖に陥れ、そこで明智小五郎(幸四郎)がどのように立ち向かっていくのか、という物語。幸四郎は「人間豹の非人間的な格好や動きを皆さんに感じていただきたい。今回、父(白鵬)が演じていた役を私が、私が演じた役を染五郎が演じます。新たな乱歩歌舞伎が生まれるのではないかと思います」と語った。
また、「染五郎も昔から映像を見たり本を読んだりして気に入っている作品。今回、自身が人間豹を演じられるということで喜んでいるのではないか。準備はしっかりとしている印象です」と明かした。衣装合わせの際には、以前幸四郎が使っていたかつらを試してみるとぴったりだったという、親子ならではのエピソードも。かつては自身が演じた役柄だということで、演じ分け方や技術面などを親子でいつも以上に話し合っているということで、より一層期待が高まる。
初演、再演を経て今回3回目となる「江戸宵闇妖鉤爪」。見どころについては「衣装やメークもそうですが、フライングやトリッキーな演出にも注目してほしい。以前の作品を見直して、今だからできることも取り入れつつパワーアップしたものをお届けしたい」と意気込んだ。

一方、「鵜の殿様」は、幸四郎が日本舞踊の公演に関わった際に知り、常時上演できるような作品にしたいと考えていた演目。歌舞伎としては初めての上演となり、太郎冠者を幸四郎、大名を染五郎が演じる。笑いを誘うような明るい雰囲気に包まれる一幕で、幸四郎は「見ている方にはたくさん笑っていただけたら」とアピールした。
最後には「染五郎と共に歌舞伎公演ができることが本当にうれしいです。私の母親が福岡出身なので、半分は博多の血が流れています。特別な思いがある場所ですし、特別な思いがある作品です。そして染五郎は初めての博多座で、新しい“特別なこと”が起きる時ですので、その瞬間をぜひ見ていただきたいです」と、公演を心待ちにするファンへとメッセージを送った。
なお、公演は2月3~18日まで。初日には博多座に近い櫛田神社で、幸四郎らが豆まき神事に参加。ほかにも公演期間中に、さまざまなトークイベントやプレゼント企画が予定されている。
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