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「さよならマエストロ」西島秀俊が芦田愛菜の素顔を明かす。「皆さんのイメージと違って意外にポンコツ(笑)」2024/01/10

「さよならマエストロ」西島秀俊が芦田愛菜の素顔を明かす。「皆さんのイメージと違って意外にポンコツ(笑)」

 TBS系で1月14日にスタートする連続ドラマ「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」(日曜午後9:00。初回は25分拡大)の制作発表会見が行われ、主演の西島秀俊をはじめ、共演の芦田愛菜宮沢氷魚新木優子當真あみ佐藤緋美久間田琳加津田寛治満島真之介玉山鉄二石田ゆり子が登壇した。

 「さよならマエストロ」は、「凪のお暇」「妻、小学生になる。」(ともにTBS系)などを手掛けた大島里美氏によるオリジナル作品。天才指揮者だったが、ある事件で家族も音楽も失った父・夏目俊平(西島)と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘・響(芦田)が、地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていくヒューマンドラマだ。

 大きな見どころとなっていくのは、廃団寸前の市民オーケストラ・晴見フィルハーモニーにやって来た主人公の俊平が、彼にしかできないやり方で個性豊かな団員たちの悩みを解決していくとともに、オーケストラとしてもう一度立ち上がっていこうとするサクセスストーリーでもある。なお、副題のアパッシオナートとは、イタリア語のappassionato。音楽の発想標語の一つで「熱情的に」「激しく」を意味する(大辞林第4版より)。

 特別編成された東京音楽大学シンフォニーオーケストラによって番組テーマが演奏される中、西島をはじめとする出演者たちが客席を通ってステージに登場。「素晴らしい最高のメンバーと毎日一生懸命撮影しています。とても充実しています」(西島)、「(演じる)響ちゃんは怒ってばかりでしたが、誰かを思いやったりするところもある響ちゃんを演じていければ」(芦田)、「たくさんの方々が集まってくださってうれしい」(宮沢)、「作品の魅力を皆さんと共有ししながらすてきな時間にできたら」(新木)、「謎の男役です! 盛り上げ役です! 楽しんでいってください」(満島)と登壇者たちがあいさつ。

 番組テーマを初めて聴いたという西島は、「指揮を務めた米津俊広先生に丁寧に教えていただいたのですが、その米津先生の指揮もしっかり見ることができて、非常に感動しました」と楽団に向けて頭を下げる。芦田も「生のオーケストラをなかなか耳にすることがないので、お聴きできてうれしかったです」と感想を語った。

 劇中で指揮者(マエストロ)を演じる西島は「(演じる)俊平はオーケストラを導くというよりは、オーケストラと一緒に音楽を作っていく考えの人。そして、誰よりも音楽を楽しんでいるというキャラクター。プラス、ポンコツなところもある役柄。教わった先生たちが、どこかチャーミングで、先生方の個人のキャラクターを俊平に入れさせていただいています」と役づくりについて明かす。

 演奏するのが大変そうな楽器を問われると、「オーケストラの皆さんを前に言いずらい」と困惑しつつ、共演者全員がとても真面目で、当て振りのはずが本当に音を出したり、相当な頑張りを見せていると強調。その中で「バイオリンですかね」と答えると、コンサートマスターでバイオリン奏者の近藤益夫役を演じる津田が「どの楽器も大変なんですが、いかんせん僕、58歳で初めてバイオリンをやっていて、大変さは群を抜いている。9月にバイオリンをいただいて毎日練習を頑張っているんですが、全然上達しないんです」と苦笑い。

 そんな津田の奮闘ぶりについて、西島が「うるさいですもんね、現場で(笑)。『津田さん、静かにして!』と言われるくらい撮影の直前までやってる」と伝えると、津田は「よその現場にも(バイオリンを)持って行ってますから。それぐらいやらないとものにならない。バイオリンは5歳から始めても遅いと言われる楽器なのに…。弓を弾くことすら難しいですよ」と、かなり苦労している様子だった。

 同じくバイオリン奏者で、高校生の谷崎天音役の當真はバイオリン経験者。「最初にバイオリンに触ったのが、3~4歳ぐらいなんですけど、ここにいる皆さんほどあまり上手じゃないというか…」と謙遜しつつ、「今回、バイオリンの役をもらった時は、自分ができることが役に生かせるということがすごくうれしかったですし、より頑張ろうと思いました」と語ると、津田が「當真さんは生音で勝負されていてすごい!」と、その頑張りを称えた。

 また、ファゴット奏者・古谷悟史役の玉山が、大河ドラマの撮影期間から練習をしていたと明かすと、津田から「大河でちょんまげの状態でファゴットやっていたの?」と聞かれると、「さすがにそれはないですけど(笑)」と返答。

 フルート奏者・倉科瑠李役の新木は、中学生の時に吹奏楽部に所属していたそうで、「憧れの楽器として、友達のフルートを吹いていたり、ちょっと触った経験はありましたが、当時はやりたくても難しい楽器というイメージがあった」と話し、「撮影の時に手が顔に近いので、いくら当て振りでもある程度押さえてられていないとごまかせないという楽器でもあったので、すごくファゴットがうらやましいです」と玉山に目を向けると、玉山は「手がばれないように、楽譜で隠そうと考えている。ファゴットでよかったなと思っています」と笑った。

 ここで、芦田もバイオリンに挑戦していることが解禁され、「私も皆さんと同じぐらいの時から練習をしていてたんです。バイオリンは初めてで、本当に難しくて、何回も『もう無理』と投げ出したくなることもあるんですけど、響ちゃんの軸としてあると思うので頑張ってやっています」と、ひそかにバイオリン練習に励んでいたことを告白。

 打楽器のティンパニー奏者・内村菜々役の久間田は、「ティンパニーは撮影でも面をたたかないといけないので、どうしてもごまかしが利かないので、一番ばれやすくて…。撮影の時もリアルに演じている菜々ちゃんみたいな気持ちになるというか、1人で恥をかく時もあるんです。どの楽器も大変だと思うんですが、ティンパニーも頑張っています」と、ティンパニーならでは苦労を述べた。

 画家で、西島演じる俊平の妻・志帆役を演じる石田は、どの楽器に挑戦してみたいか問われ、「子どもの頃からピアノしかやったことがないのですが、チェロの音が好きで憧れます」と答えると、チェロ奏者・羽野蓮役の佐藤が「チェロも顔の横に手があって隠せないので、ごまかせないです。普段音楽をやっているんですが、全く関係のない楽器なので、一から教わって頑張っています。やってみると難しさが分かると思います」と語った。

「さよならマエストロ」西島秀俊が芦田愛菜の素顔を明かす。「皆さんのイメージと違って意外にポンコツ(笑)」

 撮影裏話として、西島が「台本上はポンコツな父親としっかり者の娘という話だったんですが、皆さんのイメージと違って意外に芦田さんってポンコツな人なので(笑)。しょっちゅものにぶつかったり、こけたりしていて、ただの似た者親子がけんかしているようになっていて、それは現場で起こるケミストリーというか、人が演じるってこういうことなんだなと、とても面白いです」と暴露すると、芦田が「否めないです…(笑)」と認めつつ、「結構ポンコツで…。響ちゃんが怒って階段を上がるシーンがあったんですけど、私がリハーサルの時に転んでしまって、『イテ(痛い)』とか言っていたら、監督さんが『さっきのいいね』って採用されてしまいました」と明かすと、「イメージと違って、ポンコツな人なんでね」と、西島が再度強調していた。

 トランペット奏者・森大輝役の宮沢は、芦田とのシーンに触れ、「僕と芦田さんが並ぶ時に、身長差があるので、カメラの位置が今まで見たことないぐらい高い位置から狙わないと2人が映らなかったりして、いろんな工夫をしています。玉山さんや西島さんと芦田さんを囲むと、隠しちゃうんです」と意外な裏話を口にした。

 イベントが成人の日に行われたことから、石田、西島が新成人を激励。石田は「大人になるということは、責任が生まれるということ。責任がないところに自由はないです。責任があるからこそ、大人が楽しい。すてきな大人になってください」と、昔から大切にしているという「責任がないところに自由はない」という部分を交えながらメッセージを伝えた。

 西島は「やりたい思いを表に出す」ことが大切だとし、成人の頃に「映画が好きで、映画に関わりたい」と口に出したことを振り返り、「本気でやりたいことを口にするのはすごく恥ずかしいことで、みんな笑ったけれど、真剣に受け取ってくれる人もいて。高校の先輩をきっかけに、全然関係ない人が手を差し伸べてくれた。表に出すことで、世間からリアクションがあってもう一歩前にいける。秘めた思いを口に出してみてください」と、自身の経験を踏まえてエールを送った。

 2人の言葉を聞いた新成人と同世代の芦田は、「言霊ってあるような気がしていて、口に出すとやる気も出たり、かなえなきゃという気持ちが強くなったりして、そういうことがあるなと思いますし、それを無責任に言うだけでなくて、その言葉に責任を持って進んでいけるようになるのが大人だと思うので、お二人の言葉を胸に刻んで、今年20歳になれるように頑張ります」と、意気込みを新たにした。

 劇中で“謎の男”鏑木晃一役を演じる満島は、「20歳になる頃、僕は裏方の仕事をしていたんですが、10代の残り2週間の時に旅に出てみようと、自転車だけを買ってケータイも家も解約して、日本1周の旅に出たんです。誕生日の前には、伊勢神宮から海岸あたりを走っていて、最後の3日くらいはずっと雨で、人生はこんなに乗り越えなきゃいけないことがあるんだって思っていたら、20歳になった日は晴天だった。それで涙がボロボロとこぼれて、海沿いで『20代頑張るぞー!』と1人で叫んでいた。ずっと変わっていないんです。そこで表現したいと思って“出る側”に回ったんです。みんなに元気を与えていきたいという思いが、今でもずっとある」と熱弁。「若い時の経験や、自分で決めたことをやり遂げるというのは大事なことだと思うので、僕も言霊を大事にしているので、一言だけ言わせてください! 『このドラマ大ヒットします! 間違いないです』」と西島に近づきにながら、気合十分にヒットを予告した。

 最後に、西島が「このドラマは、1人ではなかなか乗り越えられない傷を、人がつながることで一緒に乗り越えていくドラマです」と作品を紹介しつつ、「見るときっと『明日から頑張ろう』『みんなでやれば頑張れる』という力を与えてくれるドラマになっているんじゃないかと思っています。小さなお子さんから、大人まで楽しく見られると思うので、たくさんの方に見ていただいて、人を信じることだったり、自分自身を信じることだったり、未来を信じることを感じ取っていただけたら、こんなに幸せなことはありません。どうか楽しみにしていてください」と、心を込めて呼び掛けた。


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