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桐谷健太が「坂の上の赤い屋根」で主演。イヤミスの名手・真梨幸子の小説が連ドラ化2023/12/26

桐谷健太が「坂の上の赤い屋根」で主演。イヤミスの名手・真梨幸子の小説が連ドラ化

 桐谷健太が、WOWOWで2024年3月3日から放送・配信する「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」(日曜午後10:00)で主演を務めることが分かった。倉科カナ橋本良亮A.B.C-Z)、蓮佛美沙子斉藤由貴らと共演し、見る者を闇に引きずり込むようなダークな作品で新境地に挑む。

 「坂の上の赤い屋根」は、人間の心の暗部を描く、“イヤミス(読後、嫌な気持ちになるミステリー)”の名手の1人、真梨幸子氏の同名小説が原作。新人作家が、18年前に起きた女子高生両親殺害事件をモチーフにした小説企画を、出版社の編集者に持ち込んだことから物語が始まり、やがて登場人物たちが抱える嫉妬、劣等感、孤独、過去など“黒い感情”の正体と事件の真実が明らかになっていく。

 真梨氏の小説は映像化不可能とも言われる衝撃作が多く、尾野真千子主演で話題を呼んだ、2015年のHuluオリジナルドラマ「フジコ」(原作「殺人鬼フジコの衝動」)、同年にWOWOWで映像化した、松雪泰子主演の「連続ドラマW 5人のジュンコ」に続いて、本作は3作品目の映像化となる。 

 主人公である「轟書房」の編集者・橋本涼を演じる桐谷は「初めに企画書を読ませていただいた瞬間から『これは面白い作品になりそうだな』と思い即決しました」と明かし、「橋本という人物は他人から見ると得体の知れない、何を考えているか分からない男ですが、そこにはやはりタネがありました。そのタネをたどりながら、橋本という木を育てました。このミステリーは、登場人物の業や欲望、彼らの宿命の渦が、覆いかぶさり、ぶつかり合い、消え、さらに大きくなる。もしかしたらそこには、あなたの心の奥深くの何かと重なり合うかもしれません。楽しんで見ていただけたら幸いです」と深いコメントをしている。

 また、新人作家・小椋沙奈に扮(ふん)する倉科は、脚本を読んで「最後まで結末の気になるストーリーに魅了されました」と語り、「私が演じる小椋沙奈という役の誰かに認められたいが故の焦燥感や抑圧、そこから生まれる爆発、自分の力を誇示したい気持ちは多少なりとも分かるので、その部分を増幅させて役に挑みました。本当に大変な役だったのでエネルギーを使いましたが、主演の桐谷さんの人柄に何度も救われ演じ切ることができたと思います。たくさんの方にこの作品を楽しんでいただけたらうれしいです」とアピールしている。

 女子高生両親殺害事件の主犯格とされる死刑囚・大渕秀行役に抜てきされた橋本は、「12~13kg減量して、外見と内面の役づくりをしました。小説では大渕はものすごく『爽やかイケメン』と強調されていたので、ドラマを撮影するにあたってハードルが高かったです」と、心境を吐露。続けて「一つの作品で高校生から30代後半まで年齢の振り幅が広い役を演じました。さらに、大渕という人物にはいろいろな面があり、撮影もすごく楽しんでできました。30歳を迎えての節目の作品でもあり、これまでにない“橋本良亮”をご期待いただけたらと思います。ぜひ、大渕秀行にほれてみませんか?」と手応えをうかがわせている。

 さらに、大渕と獄中結婚した法廷画家・礼子役を務める蓮佛は、礼子について「孤独、抑圧、侮蔑(ぶべつ)。彼女の周りに浮遊するワードはどれもハードなものなのに、誰もがどこかで共鳴してしまうような、不思議な“何か”を内包した役でした」と分析し、「卑屈な感情に支配されて相手のセリフが聞こえなくなったり、役を通して出合った初めての感覚はとても苦しく、同時に役者としてとても幸せな時間でした。謎が解き明かされていく面白さはもちろん、登場人物のいろいろな“欲”が、いびつな形で画面いっぱいに漂っていると思います。楽しんでいただけますように」と思いを伝える。

 そして、大渕に破滅させられたパトロンでもあった元編集者・市川聖子役は斉藤が担う。「登場人物が皆、さまざまな過去を十字架のように背負い、生身の人間の裏の部分、憎しみ・裏切り・強欲などを抱えながら生きている。残酷だけれど、ある意味とても血の通った物語であると感じました」と作品の印象について話す斉藤。加えて「私が演じた市川聖子という人も、編集者としての栄誉・名誉・お金、そして美しい若い男、それらにしがみつきながらも運命に振り払われてゆく女の悲しさや醜さが描かれていて、演じていてとても魅力的な人物でした。栄華を極めていた時代、落ちぶれた現在、若い女盛りの時代、老いて諦めてしまった現在。演技者として、何か、託されたと思えて、とてもうれしい経験でした」と、充実した撮影期間を過ごした様子を見せている。

 このたび、物語の軸となる女子高生両親殺害事件や、登場人物たちが抱える“闇”が垣間見える特報映像も公開。事件の現場となる“赤い屋根の家”は、タイトルにもあるが何を意味するのか? そして、事件を小説にする理由とは? 衝撃の真相が気になるダークな映像美は、作品への期待が高まる。なお、軸となる18年前の事件のもう1人の犯人でもある女子高生役を誰が演じるのかなど、追加キャストの発表にも注目。徳間文庫から好評発売中の原作本とドラマでは、主人公が異なる設定となる。ドラマと原作本、それぞれで“2度楽しめる”メディアミックス・エンターテインメント作となっている。

 原作の真梨氏は、ドラマ化が決定して快諾したとのことで「何しろ『5人のジュンコ』のWOWOWさんですから、間違いはない。しかも、監督さんは『殺人鬼フジコの衝動』の村上正典さん! 素晴らしい組み合わせです。期待しかありません。一視聴者として、完成がひたすら待ち遠しいです」と喜び、視聴者へ「物語の舞台は、坂の街です。坂は、『土』に『反』(土にかえる)と書き、『死』を意味するという一説があります。坂の向こう側には黄泉の国が広がっていると、昔の人は考えたかもしれません。坂は、高台と低地を隔てる『境』も意味するそうです。つまり結界です。『死と結界。ドラマチックじゃないか。いつか必ず、小説にしてみよう』と、坂の街を散歩しながら作り上げた物語です。坂道を上る時の、あの息が切れる感覚を思い出しながらご覧いただけたら幸いです」と呼び掛けている。

 閑静な住宅街にある赤い屋根の家――。18年前、この家で開業医の両親を殺害し遺体を切り刻んだのは、実の娘・青田彩也子と、その恋人・大渕だった。世間を震撼(しんかん)させたこの事件は、大渕が裁判中に「早すぎた自叙伝」を出版し、過去に女子児童に手を掛けたことを告白。裁判では彼に洗脳された彩也子が凶行に及んだとされ、主犯の秀行は死刑、彩也子には無期懲役が確定した。

 それから数年後。「早すぎた自叙伝」を担当した「轟書房」の編集者・橋本のもとに、新人作家の沙奈から事件をモチーフにした小説の企画が持ち込まれる。橋本と沙奈は、小説の連載を実現すべく、大渕と獄中結婚した礼子や、大渕のかつての愛人で元敏腕編集者・聖子ら、関係者たちの取材を始めていくうちに、黒い感情に引きずり込まれる。その先には誰も知らない衝撃の真実が待ち受けていた。


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