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吉高由里子、「光る君へ」の妖艶なタイトルバックに「“うれし恥ずかし”な気持ち」2023/12/11

吉高由里子、「光る君へ」の妖艶なタイトルバックに「“うれし恥ずかし”な気持ち」

 吉高由里子が主演を務め、NHK総合ほかで2024年1月7日にスタートする大河ドラマ「光る君へ」(日曜午後8:00ほか。初回は15分拡大)の初回試写会と記者会見が行われ、吉高、共演の柄本佑、脚本の大石静氏が登壇した。

 「光る君へ」は、貴族文化が花開いた平安時代を舞台に、世界最古の女性文学と言われる「源氏物語」を生み出した紫式部(まひろ/吉高)の人生を描くもの。脚本は、同局の大河ドラマ「功名が辻」や連続テレビ小説「ふたりっ子」、「セカンドバージン」など、数多くのヒット作を手掛けてきた大石静氏が担当。柄本が、紫式部の生涯のソウルメートとなる藤原道長役を務める。

 放送を約1カ月後に控えた現在の心境について、大石は「私がこの仕事を引き受けたのは、2021年の夏。もう2年以上たちました。頭の中が『平安』で、現代劇や現代の小説か頭に入ってこないくらい平安時代の人になって、この仕事にかけています」と力を込め、「赤い糸によって生涯結ばれていく、まひろと道長の韓流ラブストーリーのような胸キュン要素だけでなく、藤原三兄弟の骨肉の争いや、道長のお父さんの兼家(段田安則)のクーデター、一条天皇即位の時の(逸話にある)高御座(天皇の玉座)に生首であるとか、権謀術数の男の政の世界もたくさん出てまいりますので、ラブラブな部分だけでなく、その点も見どころがあると伝えたいです」とアピール。

吉高由里子、「光る君へ」の妖艶なタイトルバックに「“うれし恥ずかし”な気持ち」

 吉高は「これまで2年近く準備をしてきて、放送までもう1カ月を切っていると思う“ドクドクワクワク”…あっ、ドキドキと間違えてドクドクと言っちゃいましたが、(柄本に『血でも出すの?』と言われ)、本当に血が出そうなぐらい緊張もするし、楽しみでもあるし、いろんな感情が入り混じっています」と複雑な胸中を告白した。

 さらに、「まひろという、後の紫式部がどんなふうに人と関わって『源氏物語』を作っていくのか、最終的にどうなっていくのかというのが、まだ私も分かっていませんので、48話という長い物語ですが、最後まで走り切ろうというのが目標ですね。スタッフもキャストの皆さんも誰も欠けないように頑張りますので、たくさん宣伝をお願いします。悪いことは書かないでくださいね」と、ちゃめっけたっぷりに呼び掛けた。

吉高由里子、「光る君へ」の妖艶なタイトルバックに「“うれし恥ずかし”な気持ち」

 自身の出演が発表された際は「まだまだ放送は先だなと思っていた」という柄本。「今年の5月から撮影がスタートして、いざ放送が近づいてきた今、ダイジェスト映像を見ていると、そういうシーンもあったなと感じるぐらい、とても不思議なフワフワした感覚があります。しかし、第2話以降、ラブストーリーもそうですが、大石さんもおっしゃっていたように、僕ら三兄弟、父親も入れて、血生臭い政権争いが行われたり、熾烈(しれつ)な部分があったりもするので、そんなところも今後楽しんでいただけたらと思います」と語った。

 初回試写会でお披露目されたタイトルバックが妖艶な雰囲気だったことに質問が及ぶと、吉高が「映像監督が独特で面白い方で、『エクスタシー! エクスタシー! ベリーグー!』みたいにずっと言われて(苦笑)。映像はスローモーションで、手はもっとこうしてとか、指示がありつつ、ゆっくりやっていました。ロケみたいですが、全部スタジオでやっています。風を起こすスタッフとの連係もすごく難しかったです」と撮影エピソードを披露。出来栄えに関しては「色鮮やかな平安っぽさがあって。私の顔はカットしてほしい恥ずかしい部分があるんですが…。でも映像を見て、自分が出ているんだって、これから主役としてやるんだっていうのをあらためて実感した“うれし恥ずかしタイトルバック”という感じです」と照れつつコメント。

 柄本は「僕の勝手な印象ですけど、大河ドラマのオープニングって、爽やかさであったりとか、もうちょっと抜けのいい感じがあるのかなと思っていましたが、今回は、割と色っぽさがあったり、ちょっとした血生臭さもあったり。完成した作品を何話か見ても、なかなか客観的に出演している実感がなかったのですが、このオープニングを見た時に『なるほど。こういう世界観なんだ』と、具体的に理解できたという感じです。今までの大河にはないようなオープニングかなと思いました」と感想を伝えた。

吉高由里子、「光る君へ」の妖艶なタイトルバックに「“うれし恥ずかし”な気持ち」

 大石は「『これだけじゃない』っていう気持ちも正直ありますが、でも、夢があっていいと思います。この2人が、死ぬまでくっつき離れる距離感で行くんだなっていう感じは、象徴的によく現れていたし、そういう思いが、紫式部に『源氏物語』を書かせているっていうことも、象徴的に表れていると思いました」と評価した。

 撮影が進む中での、役柄への思いを尋ねられると、吉高は「第1話でお父さんとの亀裂が生まれてしまって、やっぱり許せない気持ちと、どうしようもない自分もいて。今撮影している部分では、そこから少し成長して、自分のこともお父さんのことも許せて、前進している最中です。そして、自分のことも理解し始めたんじゃないかなというところで、『私の使命は何なんだろう?』と模索しているところです」と、成長するキャラクターに寄り添いながら撮影に励んでいることをうかがわせる。

 柄本は「道長は割とのんびり屋さんだったり、2・3話で出てくる道長も三男坊らしい、上のお兄ちゃん2人が政治の方に向かっているので、僕の出る幕はないのかなと思いながら、三男坊らしく一歩引いて見ている。ある種、頭のよさもあったり。そんな彼が、あれよあれよという間に政治に関わって、偉くなっていき、本当の自分と、家を守らなければいけないところとの、せめぎ合いみたいなことがあるのかなと考えています。今撮影しているところでは、だいぶ成長していますよ。徐々に自分の位も上がってきて、決して順風満帆ではありませんが、切磋琢磨(せっさたくま)しています」と、冷静に道長を分析しながら、役柄と向き合っている。

吉高由里子、「光る君へ」の妖艶なタイトルバックに「“うれし恥ずかし”な気持ち」

 そんなキャラクターの役づくりについては、「よく聞かれるものの答えが難しい」という吉高。「全部がそこに関わってくるので」と悩みつつ、「自分が触れてこなかった書道や琵琶、乗馬や舞と、人生の中で今が一番習い事をしています。月謝なしで(笑)。すべてが新鮮ですし、着物の着方とかもそうですし、成長していくにつれ、どんどん変わっていくので、『作る』というよりも『作られている』ような感じで、そこの世界に飛び込んでいる日々です」と、日々の撮影に奮闘していることを報告。

 柄本も「僕も習い事はいろいろしています。予告にも出ていた打毬(だきゅう)というポロみたいなスポーツや、筆もやっていたり。それが具体的にどういう部分に影響しているとは言えないのですが…。道長は直筆のものが残っていて、それを見たのは、道長役を演じる上でとてもよかったと思います。やっぱり文字から伝わるものは大きいなと。こういう字を書かれている人なんだなっていう、指先から伝わる人間性みたいなものが、頭の片隅に常にありますね。あとは鋭意、頑張っているところなので、役に対してあまり客観的にはなれていません」と正直な思いを口にした。

 撮影をしながら、平安時代と現代において「心の感覚はずっと変わらないんだなと感じている」という吉高。柄本もそれに同意し、「だから感情面、気持ちの面では、平安時代を意識するというよりは、大石先生の本ありきではあるんですが、むしろ現代の感覚、繊細な感覚に向き合っていた方が、より作品の世界に入っていけるかな」と話した。

 そして最後に、史料がほとんど残っておらず、謎に包まれた部分が多い紫式部を描くにあたり大石は、「原作ものは10年に1、2本ぐらいやるくらいで、基本的にオリジナル作品ばかり出してきたので、自由にやれる方が楽ですね。この企画をやる時に、紫式部は『源氏物語』を書いた、清少納言は『枕草子』を書いたぐらいしか知らなくて、中学生くらいの知識しかなかった。そんな中で、NHKの方や考証の先生方にいろいろ聞くうちに、『私が勝手にやっていいんだな』と思って。『こうだったんじゃないか、こうだったら面白いな』というのと、いつもオリジナルの現代劇を作るごとく、下品な言葉で言えば、“でっち上げた”…すてきにでっち上げられたのではないかなと思っています」と臆することなく述べた。大石の“でっちあげる”という発言に吉高は声を上げて笑っていた。

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