阿部サダヲ×宮藤官九郎の連ドラ「不適切にもほどがある!」が決定。仲里依紗&磯村勇斗&吉田羊が共演2023/10/27
TBS系では2024年1月クールに、阿部サダヲ主演、宮藤官九郎脚本による連続ドラマ「不適切にもほどがある!」(金曜午後10:00、開始日未定)を放送することが決定。仲里依紗、磯村勇斗、吉田羊が共演することも合わせて発表となった。
宮藤のオリジナル脚本となる「不適切にもほどがある!」は、令和にタイムスリップした昭和のダメおやじの不適切発言が、令和の停滞した空気をかき回す“意識低い系”タイムスリップコメディー。磯山晶プロデューサーが手掛け、そんな3人が組んだ同局の「池袋ウエストゲートパーク」(00年)、「木更津キャッツアイ」(02年)、「タイガー&ドラゴン」(05年)は、今も愛される作品ばかりだ。「タイガー&ドラゴン」から19年の時を経た令和の時代で、3人が新たな作品を生み出していく。主演・阿部、脚本・宮藤としてコンビを組むのは、民放ドラマでは今作が初めてだ。
阿部がTBSドラマにレギュラー出演するのは、20年の連続ドラマ「恋する母たち」以来。本作で演じる主人公・小川市郎は、ひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップしてしまう“昭和のおじさん”だ。中学の体育教師であり、野球部の顧問で「地獄のオガワ」と恐れられている。言葉遣いが荒く、令和では考えられない不適切な言動を繰り返す。そんな市郎だが、妻を病気で亡くしており、家では一人娘の非行に手を焼く普通の父親でもある。
阿部は「2020年以来のTBSドラマへのレギュラー出演ですし、宮藤さんが脚本のドラマも久しぶりなので、お話をいただけてうれしかったです。脚本を読んで、宮藤さんはやっぱり面白いことを考えるなと思いました。挑戦するところもあるドラマで、今の時代だからできるようなドラマになるだろうと思っています」と期待。
加えて「今回演じる小川市郎という役は、昭和を知っている方たちが見ると『懐かしい。こういう人いたな』と思うような体育教師なので、僕自身もそういう先生いたなと思いながら役づくりをしていこうと思っています。そして、今の時代の方々にも『こういう人っていていいんじゃないか』と思わせてくれるようなキャラクターになれたらいいなと思っています」と役柄について触れ、「皆さん(仲、吉田、磯村)とは2020年の金曜ドラマ『恋する母たち』でも共演していて、いろんな役を演じられる方たちなので、今回もどういう芝居になるのか、今から撮影が楽しみでしょうがないです」と心を躍らせる。
そして「昭和を生きてきた方たちが楽しめるのはもちろん、平成から令和を過ごしている若い方たちにも『こんな時代があったんだな』『こんな時代もかっこよかったな』と思っていただけるようなドラマになると思いますので、ぜひ楽しんで見ていただければと思います」とアピールしている。
市郎がタイムスリップした令和で出会うシングルマザー・犬島渚役を仲が担当。宮藤と磯山とは「離婚しようよ」(Netflix)でもタッグを組んでおり、阿部とは「恋する母たち」で愛し合う2人を演じた。時空を超えて出会った市郎と渚が、どのような関係性を築いていくのかも大きな見どころの一つとなる。
「『恋する母たち』以来、本当にお久しぶりな皆さまと共演できるということで、前も温かい現場だったので、今回も撮影がすごく楽しみです。ポスター撮影の時から『絶対面白くなるな』っていう確信が持てました」と目を輝かせる仲は、「私の役どころは、2024年で市郎さんに出会うシングルマザーで、バラエティー番組のAPさんです。私もシングルマザーではないですけど母親なので、ちょっと共感しながら演じられる部分があるのかなと思っています」と役柄を紹介。
さらに、「脚本を読んで、本当に読む手が止まらなくて…。まだ言えないんですけど、『どうやって撮るの?』とすごくワクワクするシーンがいっぱい組み込まれていました。今から撮影が楽しみでもあるし、上手にできるかなというプレッシャーもすごくあります(笑)」と撮影を前にした心境を明かし、「すごく元気をもらえるドラマになると思っています。昭和・令和それぞれの世代の方たちが見てもプラスな気持ちになれる、みんなの笑顔につながるようなドラマになればいいなと思っています。頑張ります!」と意気込んでいる。
磯村が務めるのが、市郎と同じ1986年に生き、あるアイドルに心酔するあまり、その身なり言動すべてを完コピする男“ムッチ先輩”こと秋津睦実役。昭和に残された市郎の娘がひそかに思いを寄せる相手だ。
「また皆さまと共演できるのですごく楽しみです! 宮藤官九郎さん脚本の作品に参加するのは初めてなので、そこも含めて今からワクワクしています」をと声を弾ませる磯村は、「この時代だからこそ描けるテーマに、宮藤さんの生み出す掛け合いや言葉がすごく面白いので、自分の役がこれからどうなっていくのか楽しみです。『この表現どうするんだろう?』と思う部分もあって、僕らも挑戦的なことをするやりがいのある3カ月になりそうだなと思っています」と魅力的な作品の撮影に向け、気持ちが高まっている様子。
役柄については、「昭和の1986年に生きていて、あるアイドルに憧れているという人物…もうそれ以上言えることはないです(笑)。役を通して昭和の時代を体験できるというのも楽しみです」とコメントし、「日々、悶々(もんもん)としていたりちょっと悩んでいたり、そういったものが吹っ飛んでいくようなドラマになっていくと思います。登場人物みんなが個性的ですごく魅力的なので、たくさん笑って楽しんでもらえたらうれしいです」と見どころを話している。
吉田が扮(ふん)するのは、市郎と逆で、2024年から1986年に息子と共にタイムスリップする向坂サカエ。社会学者で、性差別やジェンダー問題の論者としてメディア露出もしているフェミニズムの旗手だ。令和時代の代弁者として、市郎たち昭和の人間の破天荒さに鋭くツッコんでいくポジションを担う。
「宮藤さん脚本のドラマは好きで拝見していたので、選んでいただけてうれしい気持ちでいっぱいです。私が演じるのは令和時代を生きるフェミニストの社会学者です。令和の正義を振りかざしながら市郎さんに斬り込んでいく役どころ。そして、それはきっと視聴者の方の目線と近くなると思うので、私を通して視聴者の方はこのドラマをご覧になっていく、そういう存在になるのかなと思っています」と役柄について分析する吉田。
共演者に関しては「『恋する母たち』で共演をしたメンバーなので、配信でサイドストーリーをやるのかなと思ったほど(笑)。緻密な計算したお芝居もできる一方で、アドリブで爆発する瞬間的なお芝居もできる方々なので、シーンが膨らんでいくのもすごく楽しみです」と4人での芝居に胸を高鳴らせ、「令和と昭和を行き来するかなりハチャメチャなドラマですが、非常に面白いです。令和という時代に、その感性を持って生きながらも『でもこれってどうなんだろう?』って思ってらっしゃるような方がいたとしたら、それにほんの少し、もしかしたらヒントをくれるようなドラマになるかもしれません。ぜひ最後までご覧いただけたらと思います」と呼び掛けている。
脚本を手掛ける宮藤は、「阿部くんも僕も53歳。思春期に『夕やけニャンニャン』(フジテレビ)と『毎度おさわがせします』(TBS系)と『ビートたけしのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で倫理観を設定され、不適切に不適切を塗り重ねて生きてきた世代にとって、日々アップデートを強いられる令和はなかなか生きづらい。『昔はよかった』なんて口が裂けても言いたくない。昭和もそこそこ生きづらかったし、戻りたいとは思わないけど、あの頃の価値観を『古い』の一言で全否定されるのは癪(しゃく)なんです。だって楽しいこともあったし、大人が自由で元気だったし、若者は携帯電話を使わずに友達と待ち合わせできてたし、カセットテープのレーベルを自己流でレタリングするのに命懸けてたし。そんなみずみずしく甘酸っぱい記憶をなかったことにはしたくないし、『知らねーし』の一言で片付けてほしくない。だからこんなドラマを考えました」と本作誕生の経緯を語る。
続けて、「市川森一先生がご存命だったら、こんなタイトルを付けたんじゃないでしょうか。『正しいのはお前だけじゃない』。自分と違う価値観を認めてこその多様性。第1話を読んだ関係者から『スカッとした』『痛快です』『溜飲(りゅういん)が下がった』などの感想をいただきましたので、おそらくそんな肌触りのドラマになると思います」と作品のテイストについて触れ、「仲里依紗さん、磯村勇斗くん、そして吉田羊さんが、持ち前のコメディーセンスで多少の不適切は笑いに転化してくれそう。楽しみです! 宮藤でした」と役者陣への大きな信頼感をうかがわせている。
磯山プロデューサーは「常日頃、できるだけ適切な言動を心掛けています。特に、高いコンプライアンス意識が必要とされる昨今は、ますます自分の言動が気になってしまう毎日です。だから、昭和から来たおっさんが、自分の発言のリフレクションを恐れず、傍若無人に意見を言うことで、令和の人々が『今はそんなこと言っちゃダメなんだよ!』と呆れながらも『もそれってちょっと真理ついてるかも』と考えるきっかけになるような物語を作りたいと思って企画しました」と作品について解説。
さらに「そんな昭和の意識低い系主人公・小川市郎を阿部サダヲさんに演じてもらえることになり、心の底から楽しみです。阿部さんだったら、今は言っちゃ駄目だけど、本当はちょっと言ってほしいことを言っても許されるキャラクターにしてくれるはずです。阿部サダヲさんという役者を一番光らせるのは、宮藤官九郎脚本だと心から思うし、そんな阿部さんと宮藤さんの信頼関係のフルスイングを間近で見られるなんて幸せです」と、阿部・宮藤コンビが生み出す作品への手応えをのぞかせる。
キャストに対しては「仲里依紗さん、磯村勇斗さん、吉田羊さんという人気と実力を兼ね備えた役者陣の振り切った演技にもご期待ください。市郎さんがどんな極論を言っても、驚いたり、癒やされたり、ツッコんだりしながら3人がすべてを受け止めてくれると信じています。コメディーだとか時空を飛ぶとか関係なく、4人の名優が織り成す演技の丁々発止を楽しんでいただけたらうれしいです。今、この世に生み出すべき作品となるよう、精いっぱい頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします」とメッセージを寄せている。
コンプライアンス意識の低い“昭和のおじさん”の市郎からは、令和ではギリギリ“不適切”発言が飛び出す。しかし、そんな市郎の極論が、コンプラで縛られた令和の人々に考えるキッカケを与えていくことに。昭和から令和へ、時代は変わっても、親が子を思う気持ち、子が親を疎ましく感じる気持ち、誰かを愛する気持ちという変わらないものもある。妻を亡くした市郎とその一人娘、そしてタイムスリップしたことで出会う人々との絆を描く、ヒューマンコメディーでもある「不適切にもほどがある!」。時代とともに変わっていいこと、変えずに守るべきことを見つめ直していく作品になりそうだ。
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