成田凌が小津安二郎のナンセンスコメディー「淑女と髯」リメーク作で主演。「もっさりと蓄えたひげ、意外と似合った」2023/10/05
WWOWOWでは11月12日から、小津安二郎生誕120年記念作として「連続ドラマW OZU～小津安二郎が描いた物語～」（日曜午後10：00）を全6話で放送・配信。成田凌が、第4話「淑女と髯」で、WOWOWオリジナルドラマ初出演にして初主演を務めることが分かった。
「小津調」と称される独特かつ唯一無二の映像世界で、没後60年となる今もなお国内外を問わず高い評価を受け続ける映画監督・小津安二郎。生誕から120年を迎えた今年、若かりし頃に小津監督が手掛けた初期のサイレント映画群を、「連続ドラマW OZU～小津安二郎が描いた物語～」では、オムニバスドラマ形式でリメークする。
第1話は、90年前に公開され、1933年のキネマ旬報ベスト・テン第1位を獲得した「出来ごころ」を田中圭の主演でリメーク。第2話は、32年に公開され、その年のキネマ旬報ベスト・テン第1位を獲得した「大人の見る繪本 生れてはみたけれど」を柄本佑主演で紡ぐ。そして、第3話は、田中絹代さんが昼と夜の顔を持つ情婦演じた、33年公開の映画「非常線の女」を前田敦子主演で描き出す。
成田が主演する「淑女と髯」は、31年に公開された小津監督のナンセンスコメディー。立派なひげが原因で恋も就職もうまくいかないバンカラな大学生が、ひげをそったことで人生が一変する物語。脚本・監督は「婚前特急」（2011年）、「まともじゃないのは君も一緒」（21年）など、⻑年コンビを組む脚本・高田亮氏と監督・前田弘二氏が担う。
何事も真っすぐに向き合う大学生・岡嶋を演じる成田は、映画「まともじゃないのは君も一緒」、10月27日公開の映画「こいびとのみつけかた」に続き、前田監督とタッグを組む。成田本人も「意外と似合った」と評する“もっさりと蓄えたひげ”にも注目だ。
「小津安二郎さんの作品をリメークすると聞き、初めは驚きました」と語る成田は、「正直少し反対派でもありました」と明かす。「ですが小津さんの作品にこういう形で関わることができる喜びと、信頼している前田監督と脚本の高田さんというタッグに心が踊らされてしまいました。そして、脚本を読み、監督とお話しさせていただき、真っすぐな人間を、真っすぐに演じてみようとワクワクしてたまりません。一生懸命頑張ります」とアピールしている。
そんな岡嶋と道端で偶然出会い、周囲と異なり岡嶋のひげを褒めるちょっと変わった大学生・広子には、堀田真由が扮（ふん）する。潔い広子に岡嶋はひかれていくことになる。また、広子の⺟・奈美江には、吉田羊が決定。奈美江は岡嶋と広子の2人をどのように見守るのか、気になるところだ。
さらに、須賀健太が、岡嶋の数少ない友人であり、よき理解者の行本を演じる。ひげ面の岡嶋に遠慮なくものを言う行本の妹・幾子には、森田想が起用された。そのほかにも、花瀬琴⾳、増田朋弥、⼭崎⻯太郎、吉岡睦雄、宇野祥平らが脇を固める。
前田監督は「『淑女と髯』は小津監督のコメディー映画。当時はエルンスト・ルビッチやアメリカのコメディーの影響を受けたんじゃないかなと思わせるシーンが多々あり、小津監督のハイカラな匂いがぷんぷんしました。今はなかなかお目にかかれないこのナンセンスコメディーの味わいを、現代を舞台にトーキーで作れることが楽しみでなりません。自由で愉快なナンセンスコメディーを復活させる気合で全力で作ります。ぜひご期待ください」と意欲を燃やしている。
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