三谷幸喜が第41回向田邦子賞贈賞式で喜びを語る!「鎌倉殿の13人」主演・小栗旬が祝福2023/05/24
優れた脚本作家に贈られる向田邦子賞(向田邦子賞委員会・東京ニュース通信社主催)の第41回贈賞式が、5月23日に東京・千代田区の帝国ホテルで開催され、受賞者の三谷幸喜が登壇した。受賞作は、4月4日に行われた選考会で、2022年1月9日~12月18日に放送された大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)に決定していた。
贈賞式では、三谷が受賞の喜びを語ったほか、池端俊策選考委員による選考経過の説明、大石静選考委員から賞状の授与が行われ、株式会社東京ニュース通信社・代表取締役社長・奥山卓から、本賞の特製万年筆と副賞の300万円が贈呈された。
また、受賞作「鎌倉殿の13人」で主人公・北条義時を演じた小栗旬をはじめ、ドラマに出演した新垣結衣、菅田将暉、小池栄子、生田斗真、佐藤浩市、大泉洋ら豪華キャスト陣が集結し、お祝いのスピーチをおくるなど、三谷の受賞を称えた。
◆三谷幸喜 受賞スピーチ
選考委員の方々と一緒に僕が並んでいると、誰が受賞者か分からないような雰囲気で申し訳ないというか、フレッシュな感じが一切ないこの雰囲気…。本当にすみません。本当にうれしいです。ありがとうございます。
向田邦子さんは、僕にとって憧れであり目標です。毎回本を書く時は、必ず向田さんのシナリオを読み返して、どうすれば向田さんに近づくことができるのかということを考えながらいつも書いてます。タネを明かしますと、御所に集まった御家人たちのセリフは、「寺内貫太郎一家」の石職人たちの言葉をいただいております。それから(北条)政子と実衣の姉妹の会話も、向田さんの「阿修羅のごとく」のいただきです。本当に向田さんにありがたい、お世話になっていると思っております。
僕は、今からだいぶ昔の話になるんですけれども、1回、向田賞のお話をいただいておきながら、辞退しているんですね。なぜかといいますと、向田さんは僕にとってずっと憧れだし、あと言っておきますけれど、向田邦子と三谷幸喜ってイニシャルが同じなんですよね、それが本当に自慢でした。
もう一つ、第1回で受賞された市川森一さん、僕はとても大好きで尊敬している方で、市川さんは名前が左右対象で、僕も左右対称なんですよね。これもまた自慢なんですけれども。この向田賞をとるということは、向田邦子さんと市川森一さんと名前が並ぶということで、当時の僕はとてもそれが自分なりに許せなかった。まだまだ若輩者の自分が、ここでこんな大事な賞をもらってはいけないと真剣に思いまして、本当にありがたいんですけれども、辞退させてくださいとお伝えしました。その時、選考委員に市川さんがいらっしゃって、後で市川さんの奥様にうかがったんですけれども、市川さんは僕の作品をとても薦めてくださっていたみたいで、僕が辞退したのでとても残念がっていたとおっしゃっていました。今回こうやってまた賞をいただくことになりまして、たぶん市川さんも喜んでくださっていると思いますし、やっと恩返しができたかなと思っております。
今日は、僕みたいな人間のためにたくさん集まってくださって、テレビで見た人ばっかりいらっしゃるんで、本当にうれしいです。僕はあまり俳優さんと会ってお酒を飲んだりとかしない人間で、それがなぜかと言いますと、今回の「鎌倉殿の13人」に関して言えば、こんなにすてきな企画を僕に振っていただけて、プロデューサーの清水(拓哉)さん含め、時代考証の先生方が親身になってサポートしてくださり、そしてチーフ監督の吉田(照幸)さん含めすごいスタッフの皆さんがそれをドラマ化してくださり、しかも出てくださっている俳優さんは、みんなもうすてきで輝いていて、僕が作ったものを何倍もすてきに輝かせてくれる、そういうキャスティング。こんなに脚本家として幸せなことはないんですね。本当にこれ以上のことはないと思っている、その上なんで飲みに行かなければならないんだと。飲みに行けば絶対楽しいに決まっているんですよ。うれしいし、愉快だし、いい時間が過ごせるんだけども、もういいだろと、お前そんなに幸せでいいのかと神様に言われているような気がして、だから飲み会とかもなるべく参加しないように1回も出ていないので、なんて人付き合いの悪い作家なんだろうと思っていらっしゃっているかもしれませんけれども、そういうことなので許してください。
ただ、今日は皆さん来てくださって、今日くらいはいいかなと思っております。短い時間ですけれども、ほとんどもう同窓会みたいな感じだと思います。楽しんでいっていただけたらなと思います。僕は終わったらすぐに帰りますけれども(笑)。どうもありがとうございました。
◆大河ドラマ「鎌倉殿の13人」出演者 祝福コメント
【北条義時役・小栗旬】
今日こうやってこの場に来て、一緒に作ってきたスタッフ、キャスト陣がみんな集まっている姿を見て、ものすごく今、背中を押していただいているなと思っておりますが、皆さんを代表してまずは自分がお祝いのメッセージを贈ろうと思っております。この向田邦子賞は、1982年が第1回ということで、今回は第41回目、僕と全く同い年の賞を三谷さんがとられているということに、非常に喜びを感じております。そして今回の「鎌倉殿の13人」という作品は、とにかく毎週新しい台本が上がってくるのが楽しみで、どんなお話になっていくんだろう、僕が演じる義時という役はどんな行動を取らせてもらえるんだろうと、本当に楽しみにできる約1年4カ月の撮影期間でした。
やはり、俳優は自分たちでできることは限りなく少なく、そこにベースとなる台本があって、それを僕たちの目の前で具現化してくれるスタッフ陣がいて、やっと僕たちキャストというのは、現場で初めて役を生きることをさせてもらっておりました。今回ほど、毎回上がってくる台本が、どんなふうになるのだろう、どんな人生を生きさせてもらえるんだろう、と感じながら過ごさせてもらった期間はありませんでした。役者としてこんなに役者冥利(みょうり)に尽きる現場はないなと思いましたし、それも本当に1人でひたすら折れることなくここまで書き続けてくださった三谷さんのお仕事というのは、素晴らしいものだなと思っております。そんなすてきな「鎌倉殿の13人」を作っていただきまして、どうもありがとうございました。そして、本日は受賞おめでとうございます。
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【プロフィール】
三谷幸喜(みたに こうき)
1961年7月8日生まれ。東京都出身。日本大学芸術学部卒業。大学在学中の83年に旗揚げした劇団「東京サンシャインボーイズ」の作・演出を手掛ける。93年に「振り返れば奴がいる」(フジテレビ系)で連続テレビドラマの脚本家としてデビュー。続けて「古畑任三郎」「王様のレストラン」「総理と呼ばないで」(すべてフジテレビ系)など、数々の人気ドラマを発表。97年には映画「ラヂオの時間」で映画界にも進出し、「THE 有頂天ホテル」(2006年)、「ザ・マジックアワー」(08年)、「ステキな金縛り」(11年)などで、映画監督としても成功を収める。大河ドラマは「新選組!」(04年)、「真田丸」(16年)に続いて、「鎌倉殿の13人」が3本目の執筆。
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