濱田岳、江戸川乱歩演じる「探偵ロマンス」の出来栄えに手応え十分。「シリーズ化もできたらいいな」2023/01/18
NHK総合で1月21日にスタートする土曜ドラマ「探偵ロマンス」(土曜午後10:00=NHK大阪放送局制作)で、主人公・平井太郎(後の江戸川乱歩)役を務める濱田岳が、作品への思いや共演者について語った。
「探偵ロマンス」は、新進気鋭の脚本家・坪田文氏が書き下ろすオリジナル作品。1923年に作家デビューを果たした乱歩を主人公に、作家デビュー100年という節目に“知られざる江戸川乱歩誕生秘話”を描き出すもの。ロマンスあり、笑いあり、涙あり、魂の叫びあり、アクションありの、今を生きる人々の心に響く珠玉のエンターテイメント活劇として、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」制作チームが届ける。
濱田は「どんな作品でもクランクインは緊張しますし、人間関係を構築していく必要があるのですが、今回はほとんどのスタッフさんがすでに知り合いでした(笑)。安心できる環境を整えていただいて本当にありがたいですし、ぜいたくだなと思いました。誰もが信頼している演出の安達もじりさん(「カムカムエヴリバディ」でもチーフ演出を担当)の下で台本の一番手に名前が載るポジションでやらせていただけるのは、役者冥利(みょうり)に尽きることです」と、いい環境の中で撮影することができたことに感謝。
続けて、「でも、主演といっても気負わなくていい空気を皆さんが作ってくれるので、僕としてできることは顔なじみのみんなと楽しく過ごすことぐらい。それを見た、はじめましてのキャストさんたちの緊張が解けて、リラックスして臨んでもらえたらいいですね。緊張がほぐれれば、その分イマジネーションが湧いてお芝居の提案やチャレンジがしやすいと思うので、いろいろなチョイスが増えて相乗効果が起きたらという思いで撮影に臨みました」と撮影時の心境を明かす。
また、作品について「一言では形容しがたい作品」だと話し、「時代劇ですが、江戸川乱歩という人物の史実に基づいた大河ドラマ的な要素も、痛快アクションムービーの要素もあり、時代が生んだ人間模様も描かれているすごくよく練られている」と脚本の素晴らしさに言及。そして、「太郎を演じる上で苦労しているのは詭弁家(きべんか)という点。(泉澤祐希が演じる友人・郷田)初之助が太郎のことを『機関銃のようにしゃべる』と表現したので、僕はセリフをつらつら言わなきゃいけなくなったんですよ。スピード感のある中に喜怒哀楽を込めなきゃいけなくて、ハードルが上がりました」と笑う。
さらに、印象的なシーンには「(森本慎太郎が演じる新聞記者の梅澤)潤二と電気ブランを飲みながら言い合うシーン」を挙げ、「すごく楽しかったです。潤二と太郎は互いに憧れている節があって。太郎はペン1本で生計を立てている潤二がうらやましいし、潤二からすると太郎みたいな執筆の自由はないんだぜって気持ちもある。そういう気持ちのやりとりのシーンは撮っていて楽しかったです。森本さんとは、はじめましてでしたけど、太郎の気分からするとあの熱さってすごくばかにしやすかったし(笑)、あの熱さに引っ張ってもらえた感じがします」と、森本との初共演について語った。
そのほか「皆さんは本当にすてき」というたくさんの共演者についても触れ、「三郎役の草刈正雄さんは今回がはじめましてですが、何をやってもかっこいい! 見とれる瞬間が多々あって、ついついキラキラした目で見てしまいます。それで自然と太郎が三郎にひかれている姿が出来上がっていますね。普段はすごく穏やかで優しさがにじみ出ている方なんですけど、本番になると動きが機敏すぎて目で追えないんです。『え、そんなに早かったですっけ?』って(笑)。すべての動きが決まるし、あれだけ画(え)が締まると、撮っている方たちも楽しいんじゃないかな。住良木平吉役の尾上菊之助さんとは『カムカム』ぶりの共演。カムカムでは僕、おじいさんだったので今回は普通のテンションで共演できてうれしいです。自分が休みの日でも、住良木さんのシーンを見たくて現場へ行ったりしていました。本当に見たことのない時代劇なんですよね。住良木、美摩子(松本若菜)など赤い部屋に出入りしているアダルトチームには、なんとも言えないなまめかしさや、妙な色気が漂っています」とそれぞれの魅力を述べた。
そして、「僕は普段あまりモニターを見ないタイプですが、今回は体験したことのないスケール感のアクションシーンがあるのでよくモニターチェックしていて、偽りなく“見たことのない”時代劇をお届けできる手応えを感じています」と自信を見せ、「緻密に練られたアクションと、人間模様のハートの部分の化学反応を楽しみにしていてください。最初は太郎と三郎さんの軸でご覧いただけると思いますけど、ものすごく葛藤して生きている人物がほかにもたくさん出ているので、何度も見て、その都度違う楽しさを発見してもらえたら」とポイントを紹介。
加えて「太郎は(文通相手の)村山隆子さん(石橋静河)にも白井三郎にもひかれているし、踊り子・お百(世古口凌)という存在にもひかれていて、題名通り『ロマンス』が多い人物。心を奪われてしまう太郎にもご注目ください。シリーズ化もできたらいいなと(笑)。皆さま、応援どうぞよろしくお願いいたします」とメッセージを寄せている。
舞台は20世紀初頭、帝都。後に江戸川乱歩となる太郎は、シャーロック・ホームズや怪盗ルパンなどを生み出したドイル、ルブラン、ポーといった海外の推理小説家に憧れながらも、まだ何者でもなく、安い賃金の仕事を転々としながら、友人の初之助と、その日の飯にありつくのがやっとの貧乏生活を送っていた。新聞社などに原稿を持ち込んでも全く相手にされない太郎の小説に、いつも感想を送ってくれる文通相手の隆子からの手紙が、唯一の心の救いだった。
そんな太郎が、初老の名探偵・三郎と出会い、ピンチにめっぽう強い三郎のユーモアとペーソスあふれる人柄に魅了される。一方、三郎は、純粋な太郎から飛び出す突飛な発想を面白がり、あふれ出る熱情や叫びに心動かされ、2人はバディを組み、探偵稼業へと乗り出していく。
謎の犯行予告状に始まり、太郎は、上海帰りの魅惑の貿易商・住良木や、秘密倶楽部の妖艶(ようえん)な主人・蓬蘭美摩子(松本)、三郎の行方を追いかけ、太郎を見下す新聞記者の潤二、三郎とは犬猿の仲の鬼警部・狭間勇(大友康平)、寡黙なバーのマスター伝兵衛(岸部一徳)など、癖の強い人々と出会う。そして、大いに翻弄(ほんろう)された挙げ句、難事件に巻き込まれていく。
やがて、太郎は覚醒し、明智小五郎や怪人二十面相など、乱歩作品おなじみのキャラクターが躍動する物語を生み出す。
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