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「わたしの夫は―あの娘の恋人―」山下リオ、泉澤祐希、紺野彩夏、佐伯大地が考える不倫の善悪とは?2023/01/13

「わたしの夫は―あの娘の恋人―」山下リオ、泉澤祐希、紺野彩夏、佐伯大地が考える不倫の善悪とは?

 テレビ大阪とBSテレ東で1月14日にスタートする真夜中ドラマ「わたしの夫は―あの娘の恋人―」(テレビ大阪=土曜深夜1:00、BSテレ東=土曜深夜0:00)の完成披露試写&記者会見が行われ、主演の山下リオ、共演の泉澤祐希、紺野彩夏、佐伯大地が出席した。

 「わたしの夫は―あの娘の恋人―」の原作は、600万ダウンロードを突破しためちゃコミック×fufu(双葉社)で連載中の同名コミック。原作・あいざわあつこ氏、漫画・ツキシロギン氏で、ダブル不倫をきっかけに始まるそれぞれの復讐(ふくしゅう)と思惑、そして大人の恋愛を繊細に描いている。

 笹野香織(山下)と拓也(泉澤)は仲のいい夫婦。だが、不妊治療中にもかかわらず、夜の生活がボイコット状態にあることに、香織は不満を募らせていた。そんなある日、同期入社の親友・由紀(向里祐香)との会話から、拓也の裏アカの存在を知る。そしてそこには不倫を匂わせる投稿の数々が。香織は不倫相手・三島睦美(紺野)を特定すると、その夫・恭介(佐伯)のもとへ向かい、2人の絶縁に協力するよう求める。すると、恭介は条件として「香織とセックスすること」を出してくる。証拠も手に入れ、恭介の条件にも応じた香織だったが、いつしか価値観の近い恭介への恋心が芽生え始める。

 ドラマでは、スタッフの総力取材により、不倫に関する世論調査を実施。毎回、ドラマの最後に「セックスレス夫婦の割合」「不倫相手と旅行する確率」「不倫相手の子どもを妊娠する・させる確率」「不倫発覚後も結婚生活を継続する割合」「不倫が原因で傷害事件になる割合」といったリアルな調査結果が発表されるところにも注目だ。

 山下は「香織はキャリア的にもリーダー職を担っていて、順風満帆にやってきた女性なんですけど、不倫をきっかけに人生がどんどん変わっていくような女性になっています。今回の見どころは、そういう不倫に正解・不正解みたいな難しい問題なんですけど、そういうのってないと思ってまして、悪いことは悪いことなんですけど、そういう人間の業を背負うみたいになった時に、秘められている人間の本性だったり本能だったり、そういういろんな一面が見られるドラマになっているのではないかなと思っています」と役柄と見どころを伝えた。

 続いて泉澤は「拓也は香織の夫で、睦美ちゃんと不倫してます。不倫という悪いことはしてるんですけど…『不倫してます』っていう言い方、よくないですね。『不倫してるという役』なんですけど(笑)。すごく素直で憎めないキャラクターだなって思って。自分もやりながら、すごく迷ったところもあるんですけど、でも素直に演じていればいいキャラクターになるのかなって思って、現場を楽しく進めさせていただきました」と報告。

 紺野は「私が演じた睦美という役は、ある言葉をきっかけに自分の幸せをすごく追い求めていて、今の幸せだけを考えて行動する役なので、ずっと自分の幸せを考えつつ演じていました」と役づくりに触れ、佐伯は「恭介という役は、あんまり他人に興味を持たない、興味を持てないという感じの役どころで、僕自身はすごく他人に興味津々だし、三島恭介という人間がそばにいたら嫌なんですよ(笑)。台本を最初に読んだ時はそういうような印象で。でも、だんだん彼も成長していって、ドラマの中で人として成長してくんですけど。あと、本当はこの4人すごく仲がいいので(笑)」とW不倫という不穏なテーマのドラマでの関係とは、真逆であることを訴えた。

 記者からの「不倫についてどう思うか?」という質問に、まず佐伯が「いけないことだと思います!」ときっぱり発言。一方、山下は「この作品をきっかけに結構考えていました。やっぱり芸能人の方も今のご時世、すごくニュースになったりだとか…。私も基本的に誰かを傷つける行為はしてはいけないという中で生きてて。芸能人の方がピックアップされてますけど、一般人の方がしやすい環境ではあるっていうか。結構な割合でやってる方もいらっしゃると思うんですよ。でも『恋って止められる?』っていう部分もありますし、それを守るべきものがあるために止めるというのも、人間ができることではあるので。やっぱり善悪ってなんだろう?って、原点回帰になるというか、人間の作り出したルールってなんだろうとか…。最後までよく分かりませんでした(笑)」と不倫の感情を分析するも、結論に至らなかった様子。

 不倫をする役の泉澤は「もちろん、よくないという認識はあるんですよ。それはそうなんですけど。人をあやめてしまう人もいれば、本当に何をするか分からないのが人間という生き物ではあって。その人が正義でやってると思っていても、その人以外はだめなことってあるし、本当に難しい問題だなっていうふうには思うんですけど。でもやっぱり自分の欲求には勝てない方たちが、一部そういうことをしてしまうというのはあるけど…。自分がするかしないかと考えた時に、絶対にしないんですよ。分からないんですけど、それには自信があって。そこの気持ちもうまく説明できないのが、ちょっと不甲斐ないというか、難しいんです。でも絶対にだめなことって認識です。すみません、浅くて」と思いを巡らせながら熱弁。

 紺野も「もちろんだめなことっていうのが大前提なんですけど。現実的じゃなさ過ぎて。大人たちの意見に賛成ってなっちゃうんですけど。ドラマの最後の方でも、結末はどうなるか分からないですけど、本当の意味での幸せというのは、不倫の向こうにはないんじゃないかなっていうのは、私がこのドラマを通じて思ったことなので、本当の意味での幸せはつかめないのかな?という印象です」と意見を述べた。

 また、撮影で難しかったシーンに関して、山下は「不倫にあまり興味が湧いてない人間なので、そもそも共感できない部分が多かったんです。でも人間てあいまいな部分があったり、矛盾している気持ちがあったり、常に流動的な気持ちでいるっていうので、その場その場で、香織としては気持ちがどんどん変わっていくのを意識するようにしていました。そこが難しかったです。やはり共感できなかったというのは」と役づくりの難しさを吐露した。

 泉澤は「センシティブな部分が多い作品だったので、撮り方もいろいろあったりして。見えちゃいけない部分とかっていうのをうまくカモフラージュしながら、そういうシーンを見せなきゃいけないっていう部分も難しかったですし。不倫に対する気持ちを整理するっていうのも、自分の中で葛藤があったりというのはありました。実は、僕はカツラだったんですね(笑)。なので動きにちょっと制限があったりという部分でも苦労しましたね」と撮影での苦労を口にした。

 紺野は「私が演じた睦美という役の性格というか、行動自体が私とは全く反対だったので、その気持ちの想像がまずできなかったので。先のシーンで、ちょっと感情が爆発するシーンがあるんですけど、そこも難しいなと。普段の生活では感情を爆発させることがないので、そういうのも難しいなと思いました。私自身は、楽しいとかうれしいとか、いい感情は出るんですけど、怒りとか悲しいとかは出にくいタイプなので。睦美は全部の感情がそのまま素直に出るので、普段は怒ることがないので、睦美が何で怒っているのかというのを考えながらやるのが難しかったです」と演じるキャラクターと自身とのギャップに悩んだことを告白。

 佐伯も「僕は役とは正反対の人間なので、三島恭介の気持ちに共感するのが難しかったですね。シーンとしては、やっぱり肌の露出が多かったりデリケートなシーンが多いので、そういう時って現場もすごくピリピリするし、いい緊張感なんですけど、皆さん集中して撮ってるので、終わった後に『ああこんなに疲れるんだな』って、すっごく思ったのを覚えてますね」と現場の様子を伝えた。

 会見の終盤では、オープニングテーマを担当するNAQT VANEのボーカリスト・Harukazeがサプライズゲストで登場し、主題歌の「CHRONIC」を生歌で披露。Harukazeは「『CHRONIC』というのが“執着心”だったり、“慢性的”という意味があるんですけど。最初、私自身もあまりそこにシンパシーを感じるところはなかったので、“執着心”だったりというのを勉強して歌いました。オープニングも手がいっぱいあってカッコよくなっているので、一緒にドラマを楽しんでいただけるといいなと思っています」とアピールした。

 最後に、佐伯は「なかなかない刺激的なドラマになっていると思いますので、皆さん真夜中にちょっと大人なドラマを楽しんでいただけたらうれしいなと思います」、紺野も「1話からそうなんですけど、2話以降もドキドキハラハラ目が離せない展開がずっと続くので、ぜひ楽しんでいただけたらいいなと思います」と期待を寄せた。

 泉澤は「不倫というところから物語がいろんな展開をしていくんですが、見る回が増すごとにどんどん衝撃の展開が繰り広げられていって、僕も脚本を読みながら、すごくワクワクしながら読んでいたんですが、それを見ていただく皆さんにも伝わればいいなって思いながら演じていたので、ぜひ回を重ねて見ていただければと思います」と呼び掛けた。

 そして、山下は「私は、『事実は小説より奇なり』という詩人の言葉があるのが、今回の作品なんじゃないかと思ってまして(笑)。フィクションですけど、漫画とリアルが合体したらどうなるんだろう?みたいな、実験的な自分の感覚も含めてやってきたことが、すべて映ってるかなとも思いますし、毎回毎回、予想もつかない展開になってますので、ぜひこの冬、ドキドキハラハラ楽しんでいただければと思います。よろしくお願いします」とアピールして、会見を締めくくった。


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