武田真治が「新・幕末史」で小栗忠順役を再び熱演。「人になめられないために筋肉をつけて、胸板を厚くする」2022/10/13
NHK総合では10月16日・23日に、NHKスペシャル ドキュメンタリードラマ「新・幕末史 グローバル・ヒストリー」(午後9:00)を放送。その第1集となる「幕府 vs 列強 全面戦争の危機」のドラマパートに出演した武田真治とモーリー・ロバートソンがオンラインでの取材会に参加。出演の感想や見どころなどを語った。
2020年に好評を博した「戦国」に続く、グローバル・ヒストリー企画の第2弾となる「新・幕末史」。激動の世界情勢に直面した幕末日本のヒーローたちは、どのように危機と闘い、乗り越えようとしたのか。世界史と日本史をつなげて、新たな歴史を紡ぎ出す“グローバル・ヒストリー”が注目を集める中、海外で日本に関する史料の発見が相次ぎ、知られざる歴史が明らかになっている。番組では、海外史料などを基に、幕末の動乱をドラマとして映像化。VFX・CGを駆使した迫力の戦闘シーンを交え、列強との熾烈な攻防を描く。番組ナビゲーターは西島秀俊が務める。
武田は今回、同局の大河ドラマ「青天を衝け」で演じた小栗忠順役に再び挑戦。また、ロバートソンは、18年間にわたり駐日英国公使を務め、幕末から明治維新の日本に大きな影響を与えたパークス公使役を担当した。地政学上の要衝だった日本を、虎視眈々(たんたん)と狙う欧米列強。その野望と対峙(たいじ)したのが、“最後の幕臣”と呼ばれる小栗だった。黒船が来航し、開国へと踏み切った幕末日本を揺るがせた「全面戦争の危機」に迫る。
再び小栗役のオファーを受け「打ち震えた」という武田。「幕末といえば、坂本龍馬や西郷隆盛、新選組が人気で、小栗忠順については、恥ずかしながら僕も演じさせていただくまでそれほど知りませんでした。彼のことを知っていくと、日本の存亡が危ぶまれる中、イギリスやロシア相手に一歩も引かず新しい形で日本の未来のために戦った偉人なんだなということを知り、思いをはせながら演じさせていただきました。政府側の人間は、海外のものを拒絶すると勝手に思っていましたが、幕府の中にも世界に目を向けて、外国のいいものを取り込もうとしていた人物がいたということ自体知らなかった。小栗にとって、どちら側ということは関係なく、日本のためにという思いが強く、そのために動き、命を落とした人間なんだなと思うと、本当に今日まで知らなかったことが恥ずかしい」と小栗への思いを熱く語る。
さらに、「今回グローバル・ヒストリーとして外国の視点から当時を見ると、日本人同士の戦いだけでなく、海外の視点から見た重要な戦いっていうのが、ほかにあったんだ。そしてそれは簡単に白黒がつくものでもなく、外交としてすり合わせながら、うまく調和するようにという考え方を持った人物が、この時代にいたんだっていうことに驚かされます。そして小栗の優秀さ、重要性に驚かされました」とあらためて小栗という人物の魅力に触れる。
パークス役を演じたモリーは「パークスが日本に及ぼした影響は、ペリーに匹敵するものだと思いました。パークスは大英帝国の急先鋒として、策略を展開し、日本に圧迫を加えて、小栗と対決します。19世紀、クリミア戦争でイギリスに敗北したロシアは、日本進出を目指します。ユーラシアの出来事が玉突きでつながっていることを感じました。現代と過去がエコーのように響き合うようで、興味深かったです」と感想を述べた。
加えて、「この番組を見ることによって、今クリミアで起きてることが、明日は北海道で起こるかもしれないという想像力が働かせることができる。歴史や世界に対する当事者意識がグンと上がる内容になっています」と意義ある番組であることをアピール。
また、対峙する役どころとなった2人。お互いの印象について尋ねると、武田は「圧倒的に知識が豊富で、そして体も大きいですよね。やっぱりレベルの違いといいますか、知識も体格的にも圧を与えていただいたことで、僕も必死に演じることで、当時の小栗のひたむきさが出せたのではないかと思います」とモリーに感謝。
一方、モリーは「小栗さんが、本当に侍の魂で、国家という概念がまだない時代に、日本の社会全体を守りたいという強い意志を持って、そのために全身全霊を懸けているひたむきな姿勢が、武田さんの眼力で伝わってきました。今回(自分は)悪役なんですが、いかに狡猾(こうかつ)に圧をかけるかということをひたすら計算しつつ、らつ腕のパークスになるように心がけました」と武田の思いに負けないように演じたことを報告。日本人的な間合いや文化、礼儀を無視して自分のペースでふるまうパークスを演じることに苦労したことも明かした。
再び小栗を演じて感じたことを尋ねられた武田は「小栗はイギリスに対して、『けんかを売られないために準備をする』という新しい視点での戦い方をした。それはこれまで映像になりづらかった部分だと思いますが、今の時代だからこそ、そういう考え方が必要なのかなと。僕に関して申し上げると、例えば『人になめられないために筋肉をつけて、胸板を厚くする』という部分があって。『あいつと争うと100%の勝利はないぞ』と思われる準備をするということは、もしかしたらとても大事なことなのかな。小栗が幕末に外国に対してとった態度というのは、今の時代、われわれ日本人が一度見直して、考え直すべきことなのかと生意気にも思いました」と持論を展開。
モリーは視聴者に向け、「日本はどういう歴史をたどっていたのか、世界はどうだったのか、そして今、日本はどうすべきなのかを考える、きっかけになる番組になっています。想像力のスイッチが入ると思う。歴史は本当に面白いということを番組から感じてもらえたらいいなと思います」と訴えた。
また、23日放送の第2集「戊辰戦争 狙われた日本」では、迫田孝也が西郷隆盛に扮(ふん)する。薩摩・長州を中心とする新政府と旧幕府勢力がぶつかった最大の内戦・戊辰戦争。その背後で進められていた外国勢力による日本植民地化計画を、新発見の機密資料などから描き出す。
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