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長澤まさみが「エルピス」で4年半ぶりの連ドラ主演。眞栄田郷敦、鈴木亮平とタッグ2022/07/26

長澤まさみが「エルピス」で4年半ぶりの連ドラ主演。眞栄田郷敦、鈴木亮平とタッグ

 長澤まさみが、フジテレビ系で10月クールにスタートする連続ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(月曜午後10:00、開始日未定=関西テレビ制作)で主演を務めることが分かった。さらに、眞栄田郷敦、鈴木亮平が共演する。

 ドラマは、実在の複数の事件から着想を得て制作された社会派エンターテインメント。スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤)と彼女に共鳴した仲間たちが、犯人とされた男性の死刑が確定した冤罪(えんざい)疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く。恵那と共に行動するうだつのあがらない若手ディレクター・岸本拓朗を眞栄田、恵那と拓朗の先輩で報道局のエース記者・斎藤正一を鈴木が演じる。

 脚本は、2011年の連続テレビ小説「カーネーション」(NHK)や映画「ジョゼと虎と魚たち」(03年)をはじめ、数々の名作ドラマ・映画を世に送り出し、今作で初めて民放連ドラの執筆となる渡辺あや氏。演出は、長澤も出演した映画「モテキ」(11年)や「バクマン。」(15年)をはじめ、さまざまなヒット作の監督を手掛けてきた大根仁氏が務める。さらに、劇中音楽を作曲するのは、2013年の連続テレビ小説「あまちゃん」、19年の大河ドラマ「いだてん」(ともにNHK)、映画「花束みたいな恋をした」(20年)などの大友良英氏。

 長澤演じる主人公の恵那は、大洋テレビのアナウンサー。入社当初は、抜群の容姿と好感度の高さから「10年に1人の逸材」と持てはやされ、本人の報道志向もあり、ゴールデンタイムのニュース番組のサブキャスターを務める。しかし、複数番組を担当する激務の中で次第に疲弊していき、徐々に人気に陰りが見え始めたところで、週刊誌に路上キス写真を撮影され、ニュース番組を降板。現在は、社内や視聴者から「落ちぶれた」と後ろ指をさされながら、“制作者の墓場”とやゆされる深夜の情報番組『フライデーボンボン』のコーナーMCを担当している。

 4年半ぶりの連ドラ主演となる長澤は「世の中にある正義って、具体的に何を指しているのか戸惑うことがあります。自分の正義を貫くことも容易ではないし、人それぞれひたむきに今と戦っているんだなって思います。目の前に起こることに夢中になって、明日を生きる。そんなふうに人生を歩めたらいいなと思いました。渡辺あやさんの物語と時間の流れに、身を委ねて楽しんでもらいたいです」と語り、「スピード感のある作品になるのではないかと思います。登場人物それぞれの息遣いを感じて、自分を重ね合わせて見てもらいたい作品です。最後まで何が起こるか、見届けてください」と伝える。

 眞栄田が扮(ふん)する拓朗は、「フライデーボンボン」で芸能ニュースを担当する新米ディレクター。恵まれた家庭環境とルックスも相まって自己評価が高く、能天気でマイペースな性格だが、ディレクターとしての実力・評価は低く、現場では怒られてばかり。ひょんなことから、拓朗が連続殺人事件の犯人とされる死刑囚の冤罪疑惑を知り、恵那に持ち掛けるところから物語は始まる。

 眞栄田は「台本を読んで最初に感じたことはキャラクターがみんな人間臭いということ。なんでかなって考えてみると、リアルな人間がみんなもつ弱さや多面性がそれぞれのキャラクターに描かれているからなのかなと感じました。何が表で何が裏なのか、何が正義で何が悪なのか、そういった人間や物事の本質についてすごく考えさせられる台本でした」と作品の印象を明かす。

 また、演じる役柄については「家庭環境や経歴、ルックスなど、一見何不自由ない人生を送っているように見える拓朗ですが、実は大きなトラウマを抱えている人物です。揺らぐことも多く、どんどん心情が変化していくさま、人間臭さを表現できればと思ってます。普段はその役のベストを探ることが多いですが、今回拓朗を演じるにあたってはやりすぎと言われるぐらい一度やってみたいと思ってます。題材、役どころ、共演者の方々を含めてとにかく思いっきりぶつかっていきたいです」とプランを話し、「世の中や人間のリアルが描かれている作品だと思います。少なくとも僕はこんな作品見たことないです。皆さんもご期待ください」とアピール。

 鈴木が演じる斎藤は、拓朗の新入社員時代に指導担当だった縁で、恵那と拓朗が追う冤罪疑惑について相談に乗る。面倒見がいい先輩として、そして、政権中枢の要人とも懇意な間柄の官邸キャップとして、斎藤の存在は2人にとって大きな味方となる。

 鈴木は「これほどのオリジナル脚本にはそうそう出合えるものではありません。初めて読ませていただいた時、その寸分の隙もない、磨き上げられた完成度とエンタメ性に驚きました。冤罪事件を通して主人公たちの内面を、その先に正義や政治の本質までをも描ききった脚本家の渡辺あやさんや佐野(亜裕美)プロデューサーたちの気概に心から敬服しました」と期待に胸を高鳴らせる。

 そして、「忠義と野心、正義と卑怯、愛情と冷酷、相反するものが同居する人物として、個人的に非常に共感できる人物でした。長澤さん、眞栄田くんと息を合わせ、丁寧に、多面的に、人間味のある人物として演じていけたらと思います」と意気込み、「今から素晴らしい作品になる予感をひしひしと感じております。この社会の一員として生きることは何かと戦い続けることでもあります。毎日戦っている視聴者の皆さまにも、主人公恵那と拓朗の奮闘の中に、一筋の『希望』を見いだしていただければうれしいです」と呼び掛けている。

 制作スタッフもメッセージを寄せ、渡辺氏は「『エルピス』というのはギリシャ神話にでてくる『パンドラの箱』の中に最後に残るものの名前で、それを希望とするか厄災とするかで物語の解釈が変わるそうです。10話分の脚本を書きながら私自身も、どれが希望でどれが厄災なのかが分からなくなる瞬間が多々ありました。社会と世界(universe)の関係、人間という奥深い謎と秘密が、視聴者の皆さんの中にも立体化され、登場人物たちと一緒に迷い楽しんでいただけたら作家としても、この同じ社会を生きる一員としてもうれしいです」とコメント。

 大根氏は「初めての渡辺あや脚本! ずっと撮ってみたかった鈴木亮平! 若手No.1俳優(個人調べ)眞栄田郷敦! そしてそして『モテキ』以来11年ぶりの長澤まさみ!! 既に撮影は始まっていますが、素晴らしい脚本と、俳優たちのプロフェッショナルな仕事っぷりに、毎日心の震えが収まりません。面白いのは当たり前ですが、とにかくヤバいドラマになりそうです。はい、ヤバいです!」と手応え十分の様子。

 佐野プロデューサーは「渡辺あやさんとこの企画に着手したのは2016年秋のことでした。それからさまざまな紆余曲折(うよきょくせつ)があり、その険しかった道のりさえも物語に取り込まれ、こうして素晴らしい出演者の皆さんに参加していただき実現できることが、まだ夢のように感じられます。『実在の事件に着想を得てドラマを制作すること』の重さときちんと向き合いながら、エンターテインメントだからできることを一生懸命考えて、誠実に制作していきたいと思います」と制作過程に触れつつ、意欲を燃やしている。


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