内藤剛志が「警視庁強行犯係 樋口顕」に込める思いとは? 撮影現場の雰囲気も明らかに2022/07/14
テレビ東京系で7月15日からスタートする内藤剛志主演の金曜8時のドラマ「警視庁強行犯係 樋口顕Season2」(金曜午後8:00。初回は2時間スペシャル)のオンライン記者会見が行われ、主演の内藤剛志、共演の佐野岳、片山萌美、小松利昌が登壇し、撮影現場のエピソードや見どころなどを語った。
本作は、警察小説の第一人者である今野敏氏原作の本格ミステリーをドラマ化した「強行犯係 樋口顕」シリーズの最新作。全12作のスペシャルドラマを経て、2021年1月クールには待望の連続ドラマ化を果たし、このたび新たに連ドラのSeason2として帰ってくる。主人公・樋口顕は、仕事と家庭の狭間で悩みつつも、現場では自分が信じる正義を貫き、愚直なまでに真摯(しんし)に事件に向き合う等身大の刑事。高い洞察力や推理力を持ち、時にはスタンドプレーをも辞さず、事件の裏に潜む真実を追求し解明してきたが、今回も数多くの難事件が彼を待ち受ける。
会見では、内藤と小松、佐野と片山という2チームでそれぞれの画面で登場。冒頭の空き時間の過ごし方を聞かれると、内藤の「ナンバーツーから」という一言で、小松のコメントからスタートした。
樋口の部下・中田裕之役の小松は「空き時間は(内藤さんは)ずっとしゃべってますよね。現場にいらしてから、もうずっとフリートークが止まることがない(笑)。僕に関しては、急に内藤さんに振られるんですけど、エピソードトークを披露しなくてはいけないという暗黙のルールがあるんです。それのおかげで、いつも現場へ向かう時に台本を読みたいんですけど、ネタを考える時間になって(笑)。ずっと今日話す内容をメモったりしてます」と明かした。
続いて、同じく樋口の部下・藤本由美を演じる片山は、シーズン2が決まった時の感想を「シーズン1があって、シーズン2っていうのは、やっぱり見てくださった方がたくさんいて、人気があるから2に続いたんだなっていうのが素直にうれしくて。またみんな、こうやって樋口班も氏家(譲)さん(佐野史郎)とか天童(隆一)さん(榎木孝明)とか、矢田(亜希子)さんとか、皆さんと一緒にできることになって、すごいうれしくて。で、新しいゲストの方も豪華な方が出てくださって。あと、空き時間も内藤さんがいらっしゃるとフリートークが満載なので(笑)。何をしゃべったかと言われると…なんでもしゃべってるという感じがあって。小松さんがすごく面白い話をしてくださって、ムチャぶりされて(笑)。(佐野)岳くんは、格闘技とかの話をされていて、私の知らない知識を結構話しているのを聞いて楽しいなと思って」と喜びとともに明るい撮影現場の雰囲気を伝えた。
その話題を引き継いで、樋口班の若手ムードメーカー・菊池和馬役の佐野は「榎木さんに古武術を教えてもらったりしました。それこそ僕、シーズン1の時に、内藤さんから言われたすごく印象的な言葉をあって。連ドラはトータルで8時間なんですね。それでシーズン1の時に『連ドラがあるのはいいけど、9時間目を作るのが目標』っておっしゃってて。今回、シーズン2の1話目で、9時間目が始まるっていうのを実際に内藤さんが体現されていて、そういった背中をしっかり見せてくれてというのがあったので、シーズン2が決まった時、めちゃくちゃうれしかったんですよ」と熱く語った。
それを聞いた内藤は「それ、いいこと言うね(笑)。今、ドラマの見方っていろいろ変わってきていて。例えば、見逃し配信だったりとか見られるんだけど、テレビの基本って毎週見ることだと思うんですよ。で、来週もこういうメンバーに会いたいって思ってもらえるチャンスをもう1回もらったっていうことなんで、いいなって思うんです。僕たちが今目指しているのは、何度でも見てもらいたいけど、とりあえずは、来週ももう1回同じチャンネルで、同じ時間に集まっていただくっていうことを目標にしたいと思っているんです」と連ドラへの思いを述べた。
さらに、本作の魅力に関しては、佐野が「刑事ドラマって普遍的なテーマを描くことが多いじゃないですか。でも、見方だったり角度を変えると、結構身近に感じるものがあったりして。僕らも僕らで正義をかざして悪者を成敗するとかじゃなくて、本当に淡々と人間に寄り添って進めていくことで、視聴者と一緒に『正義ってなんだろうね?』というのを把握していくみたいな、そういったものがハマっているんじゃないかなというのは、信じたいなと思いますね。たまに犯人に同情することもあったりするのが、このドラマのテーマなので」と話し、内藤も「法律は守るんだけど、ちょっとだけ心を使う。ルールとマナーというか、マナーの方を大事にするようなというのと、必ず身の回りにあるようなことがテーマになっていて、事件の入り口になっているから、どなたがご覧になっても『ああ、あるある』って思えるっていうか、そこがたぶん、長くやらせていただいていることだと。あと、仲がいいんで、明るさみたいなものが、今日はいなんだけど、おじさんたちが(笑)、みんな明るいんですよ。そこが力となって、届いていると僕は思うんですけど」と分析した。
小松も「事件ですから殺人とか扱うんですけど、中で描かれているその気持ちって、すごく僕たちが普段感じている感情を扱っているじゃないですか。ちょっと誰かにムカついたりとか、裏切られたりとか、好きになったりとかという、すごく身近なテーマがあるんで、扱っているのは事件ですけど、そういうところで距離が近いのかなと思います」とコメント。
続けて内藤が「そういうふうに身近だから、また来週もみたいと思っていただけるのかなと思います。和やかに見える原因は、だいたい、俺なんです(笑)。現場はやっぱりきついんでね。でも、そこを見せるのはつまらないじゃないですか。だからなるべく楽しくやってるんです」と言うと、佐野は「こんな現場、初めてです。こんなに主役が率先して盛り上げてくれて、周りを囲んでくれて」と言うと、小松が「だってカメラが回っている時ももちろんあれですし。普段、集中したりとか、1人で台本読んだりとかしないですよね」と疑問をぶつける。佐野も「どこでしてるんだろ?って思うくらい、みんなに気を使ってくれてます」と現場での内藤の様子を伝えた。
また、樋口班のチームワークのよさを感じさせるエピソードとして、「ドラマでチームワークを上げる以外に、Twitterとかでもいろいろやっているんですよ。TikTok的なところでも踊ったりとか。そういうことだったりとかも含めて、チームワークのよさだと思う。誰かが『こんなのやるの嫌だ』っていうと成立しないから。だってTikTok、ほとんど踊ってるよね(笑)。榎木さんだって、佐野(史郎)さんだってやるので、そこがキーだと思うんですよ。無意識の意識でみんなで合わせているような気がします。なんか結束した方がいいみたいなことじゃなくて、嫌がる人が誰もいないから。ぜひ、SNSの方もご覧いただけると、どんだけ楽しくやってるかが伝わると思うので」と内藤が笑顔でアピール。
さまざまな刑事役を演じている内藤にとって、本作ではどういう違いを意識して演じているかを聞かれると、内藤は「“すれ違っても覚えていない人”くらいの目立たない人間である。ただ、事件が起きた時に人間に興味があるということだと思うんですよ。なので、だんだんだんだん色が着いてカラーになっていくという。初めは無彩色というか白黒で登場したイメージがあるんです。それから、警察ですからルールを守るのは当然だけど、ちょっとだけそこを逸脱する。つまり、犯人の気持ちがちょっと分かってしまう。これはいけないことかもしれないけど、例えば取調室のような密室において、ちょっとだけ相手に心を使う。そこが樋口顕の核だと思って演じているつもりなんですけど。皆さんに助けられながら、いつもイメージしてます」と答えた。
樋口というキャラクターについて、片山は「やっぱり信頼感があるので、係長としてついて行きたいっていう気持ち。“理想の上司”じゃないですけど、無駄口をたたかないというか、余計なことは言わないけど全部心から何かを出していらっしゃる。頭の中の考えとかが伝わってくるので、こっちも必死に捜査していくとか『走ろう!』とか、『犯人を絶対に捕まえよう!』とか、そういう気持ちにさせてくれる上司なんじゃないかなと思います」と評した。
佐野は「僕は結構、樋口係長と行動することが多い。若手の刑事ということで、視野が狭まっちゃってることとかがあるんですけどれども、係長がそこを全部言わないんですよ。全部を教えてくれるわけじゃないんですが、そのシーンの中で、ちょっとした目線でのやりとりだったり『こういうことだぞ』っていうセリフの裏にある気持ちみたいな心情を目で教えてくれるっていうのが、僕は、なんというか実際にそういう関係なので、その時々で聞くというよりは、係長から操作のイロハを学ぶというか。ですから、役でもそうですけど、一俳優としても学ばせてもらっています」と、内藤へ尊敬のまなざしを向けた。
最後に、内藤は「警察サスペンスなので、犯人探しを楽しんでください。そして非常に身近なものが入り口になっていますから。たとえば友情であったり、夫婦だったり、親子だったりということを考えるきっかけになってくれれば、うれしいと思います。去年も今年もレギュラーをやらせていただいているんですが、コロナ禍にあります。世界では争いをしている国があったり、日本でも悲しいことが起きたりという中で、撮っているんですね。でも毎週毎週撮っているということは、今の空気みたいなものがドラマの中に映り込んでほしいという思いが強くあるんです。僕たちのドラマは確かにサスペンスではあるんですけど、どこかに希望があったりとか、明るさであったりを届けなくては、この時期に撮っている意味がないと思うんです。こういう中でも人間はこうやって生きてくんだぞみたいな、希望みたいなものを、生意気ですけど金曜日の夜にお届けできたらと思います。早くコロナが収まってバーベキューやりたいですよ。それができることを目指して頑張っていくんで、ぜひ応援をよろしくお願いいたします」とメッセージを寄せ、会見を締めくくった。
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