【北京パラリンピック・3/5◆本日の競技をピックアップ】日本勢の活躍が期待されるアルペンスキーに注目!2022/03/05
開会式から一夜明け、各競技が始まる。最初に行われるのは、アイスホッケー予選リーグ。出場は8チーム。まず、4チームずつA組とB組に分かれて総当たり戦を実施し、決勝トーナメント(準々決勝)の組み合わせを決める。A組は韓国、アメリカ、カナダ。B組はチェコ、イタリア、スロバキア、中国。日本は残念ながら出場権を得られなかった。パラリンピックのアイスホッケーは、1994年リレハンメル大会から正式競技に。2014年ソチ大会まではアイススレッジホッケーという競技名で実施され、2018年平昌大会から現在の名称になった。下肢に障がいがある選手が「スレッジ」と呼ばれる専用のソリに乗ってプレーする。スレッジ同士が激しくぶつかり合うさまは迫力満点だ。また、選手たちは、短いスティックを左右それぞれの手に持ち、アイスピックが付いているグリップエンドを使って漕ぐ動きで前に進み、パスやシュートはスティックを持ち替え、反対側のブレード部分を使って行う。スピーディーなドリブル、鮮やかなスティックさばきも見どころだ。金メダル候補は平昌で3大会連続4回目の優勝を成し遂げたアメリカ。対抗は過去5大会でメダルを獲得しているカナダ。
アイスホッケーと並ぶ団体競技、車いすカーリングの予選リーグもスタート。こちらも日本は出場権を得られず。出場チームはスイス、スウェーデン、カナダ、スロバキア、アメリカ、ノルウェー、イギリス、エストニア、ラトビア、韓国、中国。まず総当たり戦を行い、上位4チームが準決勝に進出する。1チーム5人までエントリーでき、氷上でプレーする4人は男女混合で編成しなければいけない。オリンピック競技のカーリング(男女チーム戦)が1試合10エンド制なのに対し、パラリンピックは8エンド制。棒状の補助具を使い、押し出すようにストーンを放つのが一般的だ。また、放つ際の助走は禁止され、車いすが動かないようにチームメートが後方で支えることが認められている。各エンドでハウスの中心に最も近いストーンを投げたチームが勝者となる点はオリンピック競技と同じ。しかし、ブラシで氷を掃くスイープが禁じられているため、ストーンを投げた後で方向、スピードを微調整することはできない。氷の状態を正確に読み、それに応じた的確なショットを放てるか。高い技術と集中力が求められる。2006年トリノ大会から正式競技になり、平昌大会は中国が初優勝。自国開催での連覇なるかが注目される。
アルペンスキーは、オリンピックと同じく冬の花形競技であり、第1回大会から実施されている伝統競技でもある。種目数は男女とも滑降、スーパー大回転、大回転、回転、スーパー大回転と回転の合計タイムを競うスーパー複合の五つ。各種目は上肢や下肢に障がいがある選手が立って滑る立位、1本のスキーにシートを取り付けたチェアスキーで滑る座位、選手が前方を滑るガイドの音声によるサポートを受けて競技する視覚障害の3カテゴリーに大別される。さらに、各カテゴリーは障がいの種類や程度、運動機能などによってクラス分けされ、実走タイムにクラスごとに設定された係数を掛けた計算タイムで順位が決まる。
3カテゴリーのうち、日本勢の活躍が期待されているのは座位。今大会の日本選手団主将である村岡桃佳は、平昌大会で全5種目に出場し、大回転金メダル、残る4種目で銀2、銅2のメダルを獲得。昨夏の東京パラリンピックの陸上競技100mT54でも入賞し、“二刀流”として話題を呼んだ。1月に右肘を負傷し、1カ月近く雪上を離れたのが不安材料だが、開会式前日に行われた滑降の公式練習でトップのタイムをマーク。2大会連続の複数メダルは十分期待できる。6大会連続出場となる男子の森井大輝にも期待が集まる。誰もが認める日本の第一人者であり、平昌大会滑降の銀メダルなど、通算5個のメダルを手にしているが、まだ金メダルはない。今大会で悲願達成なるか。2014年ソチ大会男子回転の金メダリストであり、公式練習で好記録を連発した鈴木猛史にも注目だ。
バイアスロンは男女6kmが行われる。オリンピックと同じくクロスカントリースキーと射撃が組み合わせた競技だが、パラでは銃を背負っての滑走は行わず、コース上の射座に準備してある銃を使う。種目は男女とも6km、10km、12.5kmがあり、アルペンと同じく立位、座位、視覚障がいの3カテゴリーに分かれる。立位と座位の射撃は実弾が出るエアライフルを使用。視覚障がいは実弾の出ないビームライフルを用い、銃を向けている方向が的からどの程度離れているかを、ヘッドホンからの音の変化で聞き分け射撃を行う。また、クロスカントリーはガイドが先導して一緒に滑走する。日本勢は立位男子に佐藤圭一が出場。2016年リオデジャネイロ夏季大会トライアスロン代表であり、今大会のクロスカントリー代表でもあるが、バイアスロンでメダルを狙うと宣言。有言実行なるか。女子は出来島桃子、阿部友里香が出場する(それぞれクロスカントリースキーにも出場)。上位入賞が期待される。
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