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【北京オリンピックを振り返って】日本が獲得したメダルは金3、銀6、銅9。冬季大会メダル総数は歴代最多記録2022/02/21

北京オリンピック2022 閉会式　写真：USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

　北京冬季オリンピックで日本が獲得したメダルは、金3、銀6、銅9の計18個。金メダル数は冬季大会歴代3位、メダル総数は歴代最多記録となった。

　金メダル第1号はスキージャンプ男子個人ノーマルヒルの小林陵侑。日本ジャンプ界にとって、また雪上競技全体にとって、1998年長野大会以来24年ぶりの金メダルだった。メダルの有力候補として大会に臨んだ小林は、個人ラージヒルでも銀メダルを獲得し、期待に応えた。同じ雪上競技のメダル候補だったスノーボード・男子ハーフパイプの平野歩夢も前評判通り、他を圧倒する高難度の技で頂点に立った。金メダル及び冬季大会3大会連続メダル獲得は、いずれもスノーボード種目で日本人選手初。2014年ソチ大会において15歳74日で銀メダルに輝き、冬季大会日本人史上最年少メダリストになった若きスターが、また新たな快挙を成し遂げた。氷上競技で快挙を成し遂げたのが、スピードスケート女子で5種目に出場した髙木美帆。3000mで6位、続く1500mは銀メダル。世界記録を持つ得意種目で金メダルを逃し、悔しさものぞかせたが、その後500mと団体パシュートで銀メダル、5種目の1000mでついに個人種目初の金メダルを勝ち取った。メダル通算7個は、夏季冬季を通じて日本女子最多記録だ。

　記録面では、日本選手団の最年少選手と最年長選手がそろってメダリストになったことも話題になった。スノーボード女子ビッグエアで、17歳の村瀬心椛が銅メダルを獲得し、今大会だけでなく冬季大会を通じて日本女子最年少メダリストに。カーリング女子では日本代表“ロコ・ソラーレ”が準優勝し、リザーブの石崎琴美にも銀メダルが授与された。2002年ソルトレークシティー大会、2010年バンクーバー大会出場経験を持つ石崎は43歳。スキージャンプ男子の“レジェンド”葛西紀明の41歳を更新し、冬季大会日本人最年長メダリストになった。

　メダルに届かなった選手たちも輝いた。フィギュアスケート男子の羽生結弦は前人未到の4回転アクセル（4回転半ジャンプ）に、スノーボード女子ビッグエアの岩渕麗楽は、女子では誰も成功したことのないトリプルアンダーフリップに挑み、ともに着地に失敗して4位。しかし、チャレンジする姿勢は感動を呼び、ライバルたちも称賛した。

　大会前から懸念されていた新型コロナウイルス感染対策は、さすがに新規陽性者数ゼロとはいかなかったものの、最終的な陽性率は0.01％。外部との接触を遮断したバブル方式が機能した。とはいえ、肝心の競技ではネガティブな面も印象に残った。ショートトラックで相次いだ開催国・中国に有利に働く判定、ジャンプ混合団体で髙梨沙羅ら失格者を5人も出したスーツ規定違反問題、採点競技における不明瞭な採点基準、そしてフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ（ROC）のドーピング問題発覚と、それに伴う混乱。ワリエワが問題発覚前に出場し、ROCが1位となったフィギュアスケート団体の順位は暫定扱いのままだ。過去のオリンピックにも光があれば影もあったが、今大会は残念ながら影の部分が大きくクローズアップされた。

　これからもさまざまな問題が起こるだろうし、影がない大会は絵空事なのかもしれない。しかし限界に挑み、競い合い称え合おうとするアスリートたちがいる限り、オリンピック精神の理想を掲げることを止めるべきではない。2年後の夏のパリ、4年後の冬のミラノとコルティナ・ダンペッツォ。ともに理想の象徴である聖火の下で、世界中のアスリートだちが一層の輝きを放つことを願いたい。

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