【北京オリンピック・2/6◆本日の見どころをピックアップ】ノーマルヒル・小林陵侑がメダルを目指してジャンプ! スノーボード女子・村瀬心椛らにも期待2022/02/06
日本勢のメダルが期待されるのはまず、張家口市・雲頂スノーパークで午前10:30から行われるスノーボード・女子スロープスタイル決勝だ。予選を突破した12人が、ジブと呼ばれるレールやボックス、形状の異なる複数のキッカー(ジャンプ台)などのアイテムが設置されたコースを、アイテムを自身で選択して技を繰り出しながら滑走。全体の印象、技の難易度、高さ、完成度などが採点され、順位が決まる。予選は2回滑り、高い方の得点が採用されたが、決勝は3回滑り、もっとも高い得点が採用される。
日本勢は村瀬心椛が予選2位、岩渕麗楽が11位で決勝に進出。予選では強風が吹きつけた影響でジャンプの着地をミスする選手が目立ったが、村瀬は2回とも安定した滑りで高得点をたたき出した。決勝でも難度、完成度とも高い滑りを見せてくれるだろう。岩渕は風とコースへの対応に苦しんだが、ある程度の手応えはつかんだはず。決勝では果敢な攻めの滑りでメダル争いに加わってほしい。
予選で村瀬を上回ったのは、2021年世界選手権優勝のゾイ・ザドフスキシノット(ニュージーランド)。決勝も金メダル争いの軸になる。3連覇が懸かるジェイミー・アンダーソン(アメリカ)はメダル有力候補。予選は5位だったが、2回目で難度を上げた滑りにトライし最後の着地が乱れたものの、決まっていれば高得点間違いなしの構成だった。アンダーソンに限らず、決勝は各選手、予選とはアイテムの使い方やコース取りを変えて“攻めて”くる。そのなかで最高のパフォーマンスを披露し、表彰台に立つのは誰か。
同じ午前10:30から行わるフィギュアスケート団体も見逃せない。まず、女子シングルのショートプログラム(SP)が行われ、フリーに進む上位5チームが決定。その後、男子シングルのフリーが実施される。
日本は男子シングルとペアのSP、アイスダンスのリズムダンスを終えた時点でアメリカ、ROC、中国に次ぐ4位。3位とは1点差でメダルに手が届く位置にいる。女子SPは樋口新葉が出場するが、一つでもチーム順位を押し上げ、フリーへ勢いをつけたいところ。フリーに進んだ場合、男子はすでにSPで演技した宇野昌磨ではなく、羽生結弦か鍵山優真が出場する見込み。男子は日本の得点源だけに、SPで自己ベストを更新した宇野同様、ミスのない演技で高得点をマークし、以降の種目につなげてほしい。
この日から始まるアルペンスキーは、男子滑降が行われる。会場は北京市延慶区に新設された国家アルペンスキーセンター。最大傾斜68°のセクションを含む、世界でも有数の急勾配コースが選手たちを待ち受ける。アルペン種目は高速系と技術系に大別されるが、滑降は最もコースの標高差があり、最もスピードが出る種目。豪快なターンとジャンプは見応え満点だ。メダル候補は今季W杯種目別総合1位のアレクサンデル・オーモット・キルデ(ノルウェー)、2位のベアト・フォイツ(スイス)、2021年世界選手権をしたビンツェント・クリヒマイヤー(オーストリア)。
スピードスケートは男子5000mが行われる。メダル候補は5000mと10000mの世界記録を持ち、今季W杯でも両種目で全勝しているのニルス・ファンデルプール(スウェーデン)。長距離2冠の期待がかかるが、まずは一つ目の金メダルをつかめるか。ライバルはテッドヤン・ブルーメン(カナダ)ら。日本からは一戸誠太郎が出場。今季W杯では何度も1桁順位をマークしており、入賞圏内の実力を持つ。
アイスホッケー女子予選リーグは日本が中国と対戦。予選B組・5チーム中、日本の世界ランクは最上位の6位。対して中国は最下位の20位。日本の優位は動かないが、中国にも開催国の意地がある。今大会初得点を挙げた小池詩織らDF陣が隙を見せず守り、FW陣の攻撃につなげてほしい。
日本勢のメダルが期待される種目は夜にも行われる。フリースタイルスキー女子モーグルの予選2回目および決勝。競技形式は前日の男子と同じで、3日に行われた予選1回目で10位以内に入ることができず決勝に進めなかった選手が2回目に出場し、残る10枠を争う。20人による決勝は3段階で実施され、1回目(準々決勝)は上位12人が勝ち上がり、2回目(準決勝)の上位6人が3回目へ進み、メダルを争う。
日本のエース・川村あんりは、1回目は5位で順当に決勝に進出。第1エアでミスが出たが、得意のターンで全体2位の得点をマークして、エア点をカバーした。ミスがあっても大崩れしないのは地力の証明。今季W杯で3勝を挙げ、種目別総合首位で初の五輪を迎えた17歳は、決勝も着実に勝ち上がっていくだろう。1回目で6位に入り、2大会ぶりの出場で初めて決勝に進んだ星野純子、2回目に回った住吉輝紗良、冨髙日向子の健闘も注目。メダル候補は川村のほか、1回目・2位で平昌大会金メダリストのペリーヌ・ラフォン(フランス)、1回目を首位通過したジャカラ・アンソニー(オーストラリア)ら。
ジャンプは男子ノーマルヒルの決勝が行われ、予選を4位の小林陵侑、10位の佐藤幸椰、26位の小林潤志郎、29位の中村直幹が出場する。4人のなかでもっとも期待を集めるのは、やはりエース・小林陵侑。今季は年末年始に行われた伝統の4連戦「ジャンプ週間」で2度目の総合優勝を達成し、金メダルの有力候補として2度目の五輪に臨んでいる。予選は風が安定せず、恵まれた条件でスタートすることができなかったが、それでもまずまずのジャンプを見せた。メダル争いの軸になるのは間違いない。最大のライバルと目されているのは、ジャンプ週間以降のW杯で好成績を続け、小林陵侑を逆転して総合首位に立ったカール・ガイガー(ドイツ)。ただ、今大会は練習からジャンプ台にフィットできず、苦戦している様子が見受けられ、予選は9位に終わった。決勝では巻き返してくると思われるが、果たして…。そして、予選1位のマリウス・リンビク、2位のロベルト・ヨハンソン(ともにノルウェー)らがメダル争いに加わってきそう。佐藤、小林潤志郎らの大ジャンプにも期待したい。
ほかに、馬場直人、宮沢大志、山下陽暉、廣瀬崚が出場するクロスカントリー男子30kmスキーアスロン、カーリング混合ダブルス予選リーグ、今大会ソリ競技初のメダリストが決まるリュージュ男子1人乗りの3、4回目が行われる。
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