東京パラリンピックの競技を解説【車いすラグビー】激しいぶつかり合いが醍醐味。持ち点制による編成の妙、チーム戦術も注目2021/08/20
車いすラグビーは、車いす競技の中で、唯一タックルが認められている男女混合競技。タックルによる衝突は激しいもので、試合会場内には大きな激突音が鳴り響く。パラリンピックでは1996年アトランタ大会で公開競技として行われ、2000年シドニー大会から正式競技になった。今大会の出場は8チーム。4チームずつ2組に分かれて予選リーグを戦い、各組2位までが準決勝に進む。
ラグビーといっても15人制や7人制とは異なる点が多く、独自性が強い。まず、屋外のピッチではなく室内のコートで行われ、使用するボールが丸い。さらに、前方へのパスが認められている。1チームは12人で編成され、コート上の選手は4人。それぞれパスをしたり、膝の上に乗せて走ったりしてボールを運ぶ(10秒以内に1回のドリブルまたはパスが必要)。そして、ボールを持ったまま車いすの前後4輪のうち2輪がトライラインを通過すると、トライとなる。
選手には、障害の程度が重い順から0.5点から3.5点まで、0.5点刻みで持ち点が与えられ、4人の持ち点の合計を8点以内にしなければならない。したがって、障がいの軽い選手だけでチームを編成することはできず、ハイポインターと呼ばれる障がいが軽い選手と、障がいの程度が重いローポインターを組み合わせてチームを編成しなければならない。ハイポインターは主に攻撃、ローポインターは主に守備を担う。女子選手が出場する場合は上限が8.5になり、ハイポインターを複数起用するなど戦術の幅が広がる。なお、競技に使われる車いすは攻撃型と守備型の2種類があり、ハイポインターが使う攻撃型はコンパクトで小回りが利くようになっており、守備型は相手の動きをブロックするためのバンパーが前方に突き出ている。
1試合は8分間・4ピリオドからなり、バスケットボールのようにプレーにタイム制限がある。攻撃側はボールを持ってから12秒以内にセンターラインを越え、40秒以内にトライしなければいけない。また、車いすの後方からぶつかるなど危険なタックルは反則になり、ボール以外に、相手の体や車いすに触れたり押さえつけたりすることも禁止。反則した選手は1分間、または相手がトライを決めるまでペナルティーボックスに入らければならない。激しいぶつかり合いが醍醐味(だいごみ)であり一番の見どころだが、持ち点制による編成の妙、ハイポインターとローポインターの連携とチーム戦術など、注目すべきポイントは多い。
2012年ロンドン大会、前回2016年リオデジャネイロ大会で連覇を飾ったオーストラリア、過去2回金メダルのアメリカ、そして日本がメダル候補に挙げられている。日本はロンドン大会4位、リオ大会銅メダル、2018年世界選手権優勝と、着実に力をつけている。地元での金メダルは大いに期待できる。
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