東京パラリンピックの競技を解説【ゴールボール】さまざまな駆け引きを仕掛け、静寂の中で熱い攻防が展開2021/08/15
ゴールボールは、視覚障害者を対象にした対戦型の団体球技。男女ともボールを相手ゴールに投げ入れ、得点を競う。第2次世界大戦で目を損傷した軍人のリハビリテーションプログラムとして考案されたもので、パラリンピックでは1976年トロント大会で公開競技となり、1980年アーネム大会から正式競技になった。
全盲から弱視(B1~B3クラス)の選手まで出場できるが、公平な条件で試合を行うため、全員目隠し(アイシェード)をしてプレーする。1チームは最大6人で編成し、コートに出られるのは3人。コートの大きさはバレーボールと同じ18m×9m、ゴールの大きさは幅9m×高さ1.3m。使用するボールはバスケットボールとほぼ同じ大きさだが、重さは約2倍あってあまり弾まず、中に鈴が入っているのが特徴。選手たちは鈴が発する音や、お互い足音などを頼りにプレーする。攻撃も守備も3人が協力して行い、守備時には3人が体を投げ出すようにして倒れ込み、ゴールの幅をカバーして守る。試合時間は前・後半各12分。延長戦は前・後半各3分のゴールデンゴール方式で行われ、それでも決着がつかないな場合はエクストラスロー(サッカーにおけるPK戦)が行われる。選手はかすかな音を頼りにプレーするため、観客は静かに観戦することが求められる。
ボールが攻撃側エリアと、コート中央のニュートラルエリアの両方でバウンドしなければ反則になる。また、守備側は最初にボールに触れた時点から10秒以内にセンターラインを越えるよう投げ返さねばならない。こうしたルールに従いつつ、攻撃側はスピードボールで守備の壁を突破しようとしたり、できるだけ静かにボールを投げて出どころを分からないようにしたり、ボールを持っていない選手が音を出して相手の注意を引きつけたりと、さまざまな駆け引きを仕掛け、守備側はそれに対応し、体を張って守る。静寂の中で熱い攻防が展開される。
なかなか得点が入らず、選手が局面を打開できない場合、通常のチームスポーツでは監督やコーチが指示を出し、攻め方を変えたりする。しかし、ゴールボールではプレー中にコート外から声をかけることが禁止されている。そのため、膠着(こうちゃく)状態が続くことが多いが、だからこそコーチが選手に作戦を伝えられるタイムアウトや選手交代の直後は得点率が高く、試合が動きやすい。ゲーム再開後の数プレーは大きな見どころだ。
日本は女子が2004年アテネ大会に初出場して銅メダルを獲得。2012年ロンドン大会では金メダルに輝いた。パラリンピックの団体競技では日本初の金メダルだった。今大会には男女とも開催国枠で出場。女子は金メダル奪還、初出場の男子も上位進出を目指す。メダル争いは、男子がブラジル、ドイツ、ベルギー、女子がロシア、トルコ、ブラジルなど、2018年ワールドカップの上位チームが軸になりそうだ。
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