ジャン・ワンイーが振り返るヤン・ズーとの共演——「外向的で朗らか。距離を縮めてくれた」2025/02/14
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中国の国民的スターであるヤン・ズーが、物語の前半では過酷な運命により男性医師として生きる異色の女性を演じ、後半では本来の姿を取り戻してりんとした姫君に扮(ふん)する「長相思」。皓翎(こうれい)国の王姫・小夭(しょうよう/ヤン・ズー)のいとこで、彼女にひそかに思いを寄せる“策略系ツンデレ男子”の西炎瑲玹(せいえんそうげん)役を務めたジャン・ワンイーが、自身の役柄やヤン・ズーとの共演などについて明かしてくれた。
小夭は、いとこの瑲玹と暮らしていたが、戦で母を亡くし、300年にもおよぶ流浪の苦しみを味わう。身分と霊力と本当の顔を失い、名を変えて男性として生きることになった小夭だが、そんな中、身元不明の男を看病したことから運命の歯車が動き出す——。
――まず、西炎瑲玹というキャラクターについて教えてください。
「瑲玹は300年もの間、天下を遊歴し、人質となって息を潜めていました。それから小夭に再会し、小夭と友の力を借りて一国の君主となります。瑲玹の内面には葛藤が多く、外見は冷静に見えても内面は激情が渦巻いています。まるで噴火前の火山のように」
――最初に脚本を読んでどのように感じましたか?
「難しい役だと思いました。精神的にもきつい役です。瑲玹の悲しみは、内に秘めて耐えるものから激しい発露まであるので、完璧に演じるのは難しいし、僕にとっても挑戦でした」
――瑲玹と小夭の関係性はどのようなものでしょうか?
「2人は常に支え合い、互いが家のような存在です。当初、瑲玹は小夭を家族として見ていて、妹を守り幸せにしたいと思っていました。でもいくつもの出来事を経て、瑲玹の愛情は一層深く広くなっていくのです。初めは小夭が求めるものを理解していないため、自分の価値観で幸せにしようと考えますが、2人が一連の出来事を経てからは、互いに成長し、相手を思いやるようになります」
――ヤン・ズーとの共演や、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
「当初は、ヤン・ズーさんを丁重に扱っていました。僕から見たら尊敬すべき先輩ですからね。でもすぐに打ち解けました。彼女は外向的で朗らかな性格で、距離を縮めてくれたから意思の疎通がしやすくなりました。みんな仲が良くて楽しかったし、現場にも活気がありました」
――ヤン・ズーが演じた、もう一つの役柄である男性医師・小六(しょうりく)に、彼女本人と重なる部分はありましたか?
「生き生きしていて親しみやすく、距離を作らない点は重なりますね。違うのは小六は男性で彼女は女性だって点かな。彼女がすぐに人と親しくなれるのは生まれながらの才能だと思います」
――撮影中のエピソードを教えてください。
「撮影中はみんな減量していましたが、食べることは大好きなので『何を食べに行く?』とよく話していました。でも話して楽しむだけです。体形を保つために本当に食べには行きませんでした。僕は体重が重い時は70kgあったんですが、63kgまで落としました」
――ところで、劇中の衣装で印象に残っているものはありますか?
「僕の衣装は50着ぐらいありました。清水鎮(せいすいちん)での衣装は、簡素で華やかさはないけれど上品な趣があって素材や仕立てのよさが見てとれます。皓翎国での衣装は白が基調で浮世離れした美しさ。そして西炎国は北方なので重厚な質感の衣装が多いです。西炎王となってからの衣装は華礼で品格があり、質感も違います。それぞれに特徴があって、白の美しさも好きだし黒の荘厳さもいいし、瑲玹の活動的な衣装も無駄がなくかっこいい。どれも好きですね」
――時代劇への出演はいかがでしたか?
「僕は時代物の経験は多くないのでプレッシャーを感じましたが、とにかく全身全霊で取り組むことで、それぞれの役柄の個性を表現したいと思いました。悲痛な状況を演じるには繊細な感受性が必要ですし、それぞれの状況と役柄において相手役と場からの刺激を感じ取るように努め、紋切り型ではない表現を目指しています」
――ちなみに、現場ではすぐに役になりきれますか?
「演技空間が与えてくれるものと、その場面に必要な創造力があれば、段取りを決めなくても役に入れます。あらかじめ動きを考える必要はなくて、役の体になれば考えずとも自然に反応できるんです」
――撮影を終えて、どのような気持ちになりましたか?
「クランクアップの場では、長い撮影が終わってやっとリラックスできるとうれしかったのですが、家に帰って1人きりになるとしみじみしてきて…。夜になると、撮影中の清水鎮での光景や相手役と演じた場面のこと、心を揺さぶられた感動的な場面、たくさんのスタッフたちと共に過ごした半年近くの時間を思い出して、感傷的になりました」
【プロフィール】
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ジャン・ワンイー(張晩意)
1994年4月22日生まれ。中国出身。主な出演作に「風起花抄(ふうきかしょう)~宮廷に咲く琉璃色の恋~」(2020年)、「それでも僕らは~チャオ家の軌跡~」(21年)、「柳舟記(原題)」(24年)などがある。
【コンテンツ情報】
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