Feature 特集

「SHOGUN 将軍」浅野忠信が凱旋会見。スピーチは「バンドのMCをやっている時の気持ち」2025/01/15 12:00

「SHOGUN 将軍」浅野忠信が凱旋会見。スピーチは「バンドのMCをやっている時の気持ち」

 ディズニープラス(Disney+)の「スター」で配信中のドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」。日本時間・1月6日午前に行われた第82回ゴールデングローブ賞®の授賞式で作品賞も含め4部門を受賞したことを記念して、樫木藪重役で栄えある助演男優賞に輝いた浅野忠信が凱旋して緊急会見が行われ、作品への思いを語り尽くした。

 「SHOGUN 将軍」は、戦国の日本を描いたジェームズ・クラベルの小説「SHOGUN」を基に、「トップガン マーヴェリック」の原案を手掛けたジャスティン・マークスや、名優・真田広之らハリウッドの製作陣により作られた戦国スペクタクル・ドラマシリーズ。関ヶ原の戦い前夜の日本を舞台に、徳川家康ほか歴史上の人物にインスパイアされたくせ者たちによる、“SHOGUN”の座を懸けた戦いが描かれている。

 浅野は、多くの取材陣が詰めかけてお祝いムード一色となった会場に、笑顔で登場。その手には、きらめくトロフィーがしっかりと握り締められていた。開口一番、「とてもうれしいです!」と満面の笑みに。「既に日本でも授賞式の様子をご覧いただいた方もいると思うんですが、今までにないくらい喜びましたし、今もその喜びが続いてます」と受賞の喜びを語った浅野は、ウォルト・ディズニー・ジャパンにキャロル・チョイ代表取締役社長から花束を贈呈され、「日本のエンターテインメント界が僕を育ててくれたので、この作品で、このような賞をいただけたことが本当にうれしいです。ディズニーの方々のサポートにも感謝しています」とコメント。

 続いて、作品についてのトークが展開。MCから授賞式で自身の名前が呼ばれた時の心境について問われると、浅野は「エミー賞の授賞式では(受賞できず)悔しい思いをしてずっとふてくされていてギリギリまで行くつもりはなかったのですが(笑)。救いはハリソン・フォード。憧れのハリソンさんと同じ場にいられるだけでうれしいと思っていたら、まさかの自分の名前が出たんですよね。“すみません、ハリソンさん”と思いましたし、会場に素晴らしいスターの方たちがいたので、まずは皆さんの顔を見て、すごいこの人たちの中で僕の名前が出たんだと感動しました」と当時の心境を告白。「名前を呼ばれた瞬間に、念のため考えておいたスピーチが飛んで頭の中がすべて真っ白になりました。誰も自分のことを知らないヤバいと思い、バンドのMCをやっている時の気持ちで、即興で話しました(笑)」と明かした。「真田さんからは『来てよかっただろ?』と言われました(笑)」と裏話も披露し、「皆さんが想像以上に藪重を喜んでくれた。(演じた役が)藪重で本当によかったです」と役への愛着も示した。

「SHOGUN 将軍」浅野忠信が凱旋会見。スピーチは「バンドのMCをやっている時の気持ち」


 その後、主演・プロデュースを務め、同アワードで主演男優賞を受賞した真田から祝福コメントが到着。うれしいサプライズに、浅野は「誰にお祝いの言葉を言われてもうれしいが、真田さんからの言葉は本当に大きいですね。真田さんとは10代の頃からずっと共演させてていただいていて、懐の大きさにずっと甘えさせていただいていました。僕のことを誰も知らない時から、耳を傾けてくれて、アクションのことも教えてくれたのが真田さん。一緒に悔しい思いをした時もあったので、『SHOGUN 将軍』では“ここでもう一度徹底的にやってやろう”とリベンジの気持ちもあったので、とってもうれしいですね」と頬を緩めた。

 メディアとのQ&Aタイムには、浅野のさらなる熱さがさく裂。今回、藪重役が高い評価を受けることとなったが、その役づくりについて「最初から6話のテンションを心掛けた」とする浅野。まだ先の台本が分からない中で、第1話の撮影の時点から先々を想像しながら演じたという。そんな藪重の魅力については、「藪重が面白いのは、ものすごく動物的で素直に生きていて、自分を悪役だと思っていないところ。藪重は鏡のような存在で、鞠子や将軍様はじめ、彼の周りは内に秘めた悪いヤツの集まりだから、彼も悪く見えるんだと思う」とし、「自分も似たところがあるので、縛られずに演じられて楽しかったです」と撮影を振り返った。

 また、栄光を勝ち取った秘訣を「チームワーク」とする浅野は、「チームワークの根本に何があったかというと、真田さんなんですよね」と話し、「決してすべてうまくいったわけではないですが、真田さんという強い核があったから、最後までこういった形を保つことができました。それがなければ、ただ大変な現場だったと思います」と感謝。

 これまで、ハリウッド作品には出演経験があるが、言葉の壁で限界は感じていたという浅野。「これ以上ハリウッドではできることはないので、これからは日本の作品をやるしかない、勝ち目があるとしたら日本の作品を日本語でと思っていた。日本語で演技をできたことが勝ち目だったと思います」と分析しつつ、その役が世界的に高く評価されることとなったことことで、今後のキャリアにも影響がありそうだとし、「これまでは頑張ってきたことがあるところには全然届いていないと思うことがあったが、賞をいただいたことで、誰かに届く届かないではなく、より自分のやりたい演技、信じてきた演技を、怖がらずに続けていいんだなという確証を得られたと思います」としみじみ。次シーズンに関しては「何も聞いていないので、僕が一番教えてほしい(笑)」と会場を笑わせ、「(藪重は)死んじゃっているからだと思うが、それは製作陣たちが今考えていると思うので、役割があればまたぜひ参加したいですね」と期待感も示した。

 自身をサポートした存在として“妻(中田クルミ)”の存在を挙げ、「僕はすぐテンパって弱音を吐いてしまうのですが、泣き言をいつも聞いてくれる。カナダの撮影にもついて来てくれて、ずっと支えてくれた。そのサポートがなければ今はなかったので、本当に感謝しています」と率直な言葉を口にし、昨年逝去した名プロデューサーのケヴィン・チューレンについても言及。「ケヴィンがいなかったら今日はなかった。いつか何かの賞を受賞した時にケヴィンの名前を出してありがとう言いたかった。生きていたら会いに行って、このトロフィーを置いて帰りたかったですね。本当に感謝しています」と熱を込めた。

「SHOGUN 将軍」浅野忠信が凱旋会見。スピーチは「バンドのMCをやっている時の気持ち」

 作品への並々ならぬ思いが伝えられたところで、浅野へさらなるサプライズが。戦国武将・戸田広松を演じた西岡德馬、樫木央海役の金井浩人が会場へ駆けつけた。

 西岡は浅野の表情を見て「これは本当に喜んでいる顔だ!」と笑い、「本当におめでとう! エミー賞の時はノミネートされただけでもすごいことでしたが、今回はよかったねと言いたい。本当によかった」と祝福。西岡と共に重みのあるトロフィーを持たせてもらった金井は、「僕は皆さんと会場に行かれなかったですが、(受賞を知った時)1人で雄たけびを上げるほど、本当に最高な1日でした。忠信さんとご一緒させていただいたことはかけがえない宝物。一緒にお芝居させていただいて、本当にワクワクしたし、チャレンジでした。大きな尊敬の念と感謝してもしきれない気持ちです。これからも精進して作品でご一緒させていただくのを楽しみにしています」と今後の意気込みもアピール。これに対し、浅野は「とてもびっくりしました。現場で本当に支えていただいたので、(当時を)思い出すとニヤニヤしちゃいますね。“あの(撮影の)日があって、こうやってお二方に会えて…。本当に感謝しています」と互いに功績を労い合った。

 最後に成人式当日の実施となったことにちなみ、新成人へのコメントを求められた浅野。「成人の日のことはすごく覚えています。その頃はもう俳優をやっていましたが、有名でも何でもなかった。何にもなかった僕がここまでこれたので、皆さん大丈夫です。大人からは、“夢を持ちなさい”とか“何かやりなさい”とか言われると思いますが、何もなくても十分楽しい。自分さえいれば十分だと思います」と力強いメッセージを発信し、イベントは終了した。

「SHOGUN 将軍」浅野忠信が凱旋会見。スピーチは「バンドのMCをやっている時の気持ち」

 「SHOGUN 将軍」は、今後シーズン2、3の製作が決定している。

【公開情報】
SHOGUN 将軍(全10話)
ディズニープラス「スター」
独占配信中
出演 /真田広之、コズモ・ジャーヴィス、アンナ・サワイ、浅野忠信、平岳大、西岡德馬、二階堂ふみ、阿部進之介ほか

>>>【最旬!動画配信トピックス】記事一覧はこちら



この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.