先が読めない超話題作「イカゲーム」続編の注目ポイントをチェック!!2024/12/27
借金やトラブルで人生を諦めかけた者たちが高額賞金を懸け、「負けたら即死」のゲームに身を投じるサバイバルスリラー「イカゲーム」。エミー賞作品賞にノミネートされ、主演男優賞と監督賞を受賞するなど、ハリウッドでもムーブメントを巻き起こした「イカゲーム」のシーズン2が、Netflixで配信開始となった。
3年前に配信されたシーズン1は、ダメダメな人生を送る男・ギフン(イ・ジョンジェ)がゲームに参加するところからスタート。「負けたら即死」の状況におびえるギフンが、持ち前の機転や少々の運、プレーヤー仲間との間に芽生えた絆を武器にゲームを勝ち進み、優勝するまでが描かれた。だが、プレーヤーをゲームへと誘う“セールスマン”(コン・ユ)、ゲームの支配人である“フロントマン”(イ・ビョンホン)の正体を含め、ゲームの全貌はいまだ明らかになっていない。シーズン2のギフンは黒幕を明らかにするため、残酷なゲームに終止符を打つため、再びプレーヤーになることを決意する。
ピンク&グリーンのやけにポップでキュートなゲーム会場といい、そのかわいらしい空間を血まみれにするハードな展開といい、「だるまさんがころんだ」をはじめとする昔ながらのゲームといい、「イカゲーム」を象徴するものはシーズン2にも受け継がれている。そんな中、シーズン1と2に大きな違いをもたらしているのは、作品自体の知名度が格段に上がったこと。人気ドラマには出演希望者も殺到するもので、シーズン2のキャストはより豪華に。もちろん、シーズン1にも人気者や実力派はそろっており、それが作品のクオリティーにも貢献していたが、どちらかと言えば「イカゲーム」出演をきっかけに飛躍した者が多数で、イ・ビョンホンなどの出演はサプライズだった。
その点、シーズン2にはすでに人気者の新キャストが集まり過ぎている。「過ぎている」と言った理由は後述するが、まずは注目のプレーヤーとキャスト5人に目を向けたい。
参加番号<222番>のジュニを演じるのは、元IZ*ONEのチョ・ユリ。卑劣な投資詐欺にあったジュニは、借金を抱えてやむなく参加。そして、ジュニのおなかには子どもがいる。
そのジュニの不幸に絡んでいるのが、参加番号<333番>のミョンギだ。演じるのは、「ミセン〜未生」のイム・シワン。ジュニの元カレであり、投資に失敗した元インフルエンサーのミョンギは、自身だけでなくジュニを含む大勢に損害を負わせ、恨みを買っている。
ミョンギを恨むのは参加番号<230番>のサノスも同じで、演じるのは元BIGBANGのT.O.Pことチェ・スンヒョン。元ラッパーのサノスはミョンギのアドバイスを信じて全財産を投資。すべてを失ったサノスの怒りは大きく、隙あらばミョンギに敵意を向ける。しかも、勝つためには手段を選ばない厄介者でもありそうだ。
そして、参加番号<388番>の元海軍兵士・デホを演じるのは「椿の花咲く頃」のカン・ハヌル。「極端に男っぽく、生き残る戦術を持っているから強そうに見えるし、ずる賢く相手に取り入ることもできる」(本人談)というデホにミョンギとのつながりはないものの、カン・ハヌルとイム・シワンは「ミセン〜未生」で共演した仲であり、2人の再共演を喜ぶ声は多い。
また、参加番号<120番>のヒョンジュを演じるのは、「ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜」「涙の女王」のパク・ソンフンだ。性別適合手術を望むヒョンジュは、高額な手術代のために参加。「偏見を持たれたり、大変な思いもするけれど、ヒョンジュには強さと決断力に加え、天性のリーダーシップがある」とパク・ソンフンは語っている。
と、全員が全員、主演となり得る面々ばかりで、ゲームで命を落としてしまうのはもったいない。しかしながら、彼らがいるのは「イカゲーム」の世界であり、全員で仲良く生き延びるはずもない。実際、中盤ではまさかの人物があっさり絶命。一方、注目キャラの絶命速度がゆるやかと言えばゆるやかで、集まり過ぎた人気者たちに混乱させられる。要するに、“あの人だから”と言って油断すると退場するし、ハラハラさせておいてしぶとく生き残ったりも。ある意味、前シーズン以上に先が読めない。
ちなみに、シーズン1でフロントマンとの兄弟関係が明らかになった上に、海に転落して生死不明だった刑事・ジュノは、扮(ふん)するウィ・ハジュンの続投予告とともにシーズン2の配信前から生存が明かされている。シーズン2ではゲーム会場の外での活躍が中心となっており、その動向にも注目したいところだ。
ゲーム自体にも多少の変化があり、すでにファン・ドンヒョク監督が明かしているように「団体戦が中心」。「だるまさんがころんだ」はあるし、怖くて巨大なヨンヒ人形なくしてゲームは始まらないが、その後は「どんなゲームが行われるか?」のスリルが待つ。誰と協力すべきか、あるいは誰を裏切るべきか、見捨てるべきか、個人の能力だけでは勝ち抜けない局面も。さらに、今回は1ゲームを終えるごとに続行か中止かをプレーヤーの多数決で決める投票が行われ、プレーヤー同士の関係と駆け引きがより一層鍵を握る。「初めて脚本を読んだ時は、『こんな展開になるの? こんな出会いがあるの? どうしてこんな別れ方ができるんだろう?』と驚きました。キャラクターたちの関係性の中で描かれる設定や感情が、シーズン2において最も驚いた点」というイ・ジョンジェの言葉にも納得だ。
全7話のシーズン2後は、2025年に配信されるシーズン3へと続くことがすでに発表済み。ということは、察しのいい人ならシーズン2の“終わり方”も予想がつくだろう。とは言え、分かっていても一刻も早く見たいのが「イカゲーム」。24年の締めくくりにするか、25年の始まりにするか、いずれにせよ年末年始を楽しませてくれるのは間違いない。
文/渡邉ひかる
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