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エイダン・ターナー、演じる臨床心理士は「善と悪にまつわるあいまいさが魅力」──「容疑者~ねじれた犯罪心理~」2023/09/22

エイダン・ターナー(ドラマ「容疑者~ねじれた犯罪心理~」)/海外ドラTVガイドWATCH インタビュー

 エイダン・ターナー主演で描くサイコロジカルスリラー「容疑者~ねじれた犯罪心理~」。パーキンソン病と診断された臨床心理士のジョーが、おかしな行動によってある殺人事件の容疑者とされてしまう、見る者をひきつけるストーリーの本作。ジョーを演じたターナーに、撮影の裏話を聞いた。

── 第1話から、演じるジョーは大変なことになりますね。

「ジョーは複雑な人間だけど、それが彼を面白くしている。パーキンソン病だからか、非常に疑わしい決断をしてしまうんだ。最近、僕が演じたほかのキャラクターには、道徳的な中心があり、それが本人の進む道しるべとなっていた。ジョーが善人でないとは言わないが、現実味があり、層が厚く、難しい人物だと感じる。彼がある選択をし、窮地に陥り、そこから抜け出そうとする姿は興味深い。最初に本を読んだ時、僕にとって本当に魅力的だったのは、善と悪にまつわるあいまいさだったんだ」

── 自殺志願者を救うビルでの撮影はいかがでしたか?

「怖かった! 僕は高いところが苦手なんだ。でも、実際に高いところで撮影しないと、例えばグリーンスクリーンなどを使うとその恐怖を呼び起こすのは難しいし、ついつい作り過ぎてしまう。あのシーンの僕の悲鳴は本物なんだ。それでもとても安全に撮影することができた。あのシーンには、本物の消防士も出ているんだよ」

エイダン・ターナー(ドラマ「容疑者~ねじれた犯罪心理~」)/海外ドラTVガイドWATCH インタビュー

── パーキンソン病について調べましたか?

「僕と同い年で、35歳の時に診断された人に会ったんだ。パーキンソン病と診断されるにはとても若いよね。彼はこの病気になったということだけでなく、そのことで自分1人で苦しんでいるように感じている。とても個人的なことで、人と分かち合うことができないんだ。でも、彼は素晴らしい人だよ。僕たちは何度か会って、薬物療法がどのような感情を抱かせるのか、初期の頃はどうだったのかなど細かい話を延々とした。それはすべて、ジョーのキャラクターをつくるために不可欠で重要なことだった。どの本を読むよりも役に立ったよ」

── 医師という職業については研究しましたか?

「優秀な臨床心理学者と何度かセッションを行い、本当に暗い話をしたりした。彼は裁判所から戻って来たばかりで、恐ろしい事件の概要を話してくれたよ。日々、どうやって対処しているのかとたずねると、彼は『それができるようになるんだ』と言っていた。彼の日々の出来事について聞くのは、とても興味深かった」

── ジョーが有罪か無罪かを知っていると、演じるのは難しくなかったですか?

「僕はジョーの真実しか演じることはできない。気を付けなければならなかったのは、視聴者をあざむくようなこと、例えば、彼に罪悪感を抱かせるようなことをすることだった。それが自然に起こったり、自然に捉えられたりするのであれば問題ないが、決して表情をつくるというようなことはしなかった。すべてが真実でなければならなかったんだ」

── 演じるキャラクターに秘密がある時、作品について語るのは難しいですよね。

「インタビューを受ける時は、言いたいことや話したいことがたくさんあるから本当に難しい。難しいし、今まではそんな問題はなかったね。何かを説明しようとしても、最後まで語れないんだよ」

【プロフィール】

エイダン・ターナー(ドラマ「容疑者~ねじれた犯罪心理~」)/海外ドラTVガイドWATCH インタビュー

エイダン・ターナー Aidan Turner 
1983年6月19日生まれ。アイルランド出身。「ビーイング・ヒューマン」(2008~13年)、映画「ホビット」シリーズで世界的に有名に。「風の勇士 ポルダーク」(15~19年)、「レオナルド ~知られざる天才の肖像~」(21年)などに主演。

【番組情報】

エイダン・ターナー(ドラマ「容疑者~ねじれた犯罪心理~」)/海外ドラTVガイドWATCH インタビュー

「容疑者~ねじれた犯罪心理~」(全5話) 
WOWOWプライム 
10月14日 
午後2:30~7:00(二カ国語) 
※第1話無料。一挙放送。

臨床心理士のジョー(エイダン・ターナー)は、自殺志願のがん患者を救ったヒーローとして報道される。その後、パーキンソン病だと診断された彼は挙動不審になり、自らが捜査に協力するある殺人事件の容疑者にされてしまう。



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