「バティスト～ブダペストに消えた影～」のチェッキー・カリョが語る、4シーズンにわたって演じた探偵の魅力2021/09/22

海外ドラTVガイドWATCH「バティスト～ブダペストに消えた影～」チェッキー・カリョ

　「ザ・ミッシング～消えた少年～」「ザ・ミッシング～囚われた少女～」シリーズのスピンオフで、捜索を得意とする元刑事のジュリアン・バティストが失踪事件に挑むドラマの第2弾「バティスト～ブダペストに消えた影～」。このジュリアンを4シーズンに渡り演じてきたチェッキー・カリョが、本作の見どころを語ってくれた。

── 演じたジュリアンはどんな人物ですか？

「刑事は引退したがまだ働いている私立探偵の役なんだ。妻のセリアと暮らしていて、家を出た娘がいる。セリアは家族のまとめ役だが、娘はドラッグ依存症でジュリアンは仕事中毒。家族は危機的状況にあるといえるね」

── ジュリアンの探偵としての仕事ぶりをどう思いますか？

「ジュリアンがほかの探偵と違う点は、引退はしたがまだ捜査している点だね。そして、誰にも雇われずにどの事件に関与するかを彼自身が選ぶところ。常に部外者という立場なんだよ。直観力が高くて、型破りでちょっと荒っぽいやり方ができるところも敬服するよ。時間をかけて人の話に耳を傾けられるところも大好きだ。彼とはいい友人になれそうな気がするね」

── 今シーズンのオファーを受けた時の感想は？

「才能ある脚本家と働けてラッキーだと思った。彼らが今回のシーズン2に書いた内容は大胆だ。これに挑戦するのがとても楽しみだったよ。この野心的なストーリーを、スタッフ・キャストのみんなと一緒に責任を背負うことがね」

── 舞台はハンガリーですね。

「ハンガリーはストーリーの重要な一部だ。観光地や異国情緒な場所だからというだけではなく、政治的にもいろいろなことが起こっていて、社会が混乱しているんだ」

── 今回、ジュリアンが事件に関わることになるきっかけは？

「冒頭のジュリアンは途方に暮れた男だ。妻とも溝ができている。古びたホテルのロビーで食欲はないが食事をしている時に、テレビで英国人大使のエマ（フィオナ・ショウ）の息子と夫が行方不明だと知り、エマの痛みを訴える話しぶりにひきつけられる。そして彼はすぐにブダペストに行くことを決め、事件に関与していくことになるんだ」

── 事件が起きた14カ月前と現在を行き来しながら話が進むんですね。

「ジュリアンは自身の奥底に潜む怒り、苦しみ、痛みにもがいている。どこに向かっていいかも分からず攻撃的になっていくんだ。冷静さを失い、多くの痛みを家庭にもたらす。これが最初に彼が出てくるところ。そして時間を戻り、彼がいつ何がきっかけでそうなったのかをたどり、彼に再起の力があるのかを見ていくんだ」

── エマ役のフィオナ・ショウとの共演はいかがでしたか？

「フィオナ・ショウはとても寛大で多くを与えてくれる女優だ。彼女は常に題材について質問し、毎回、全身全霊を懸けている。だから彼女との共演はやりがいがあるね。フランス人の僕にとって優秀な人たちと演技できること、女優との共演はギフトだよ」

── 今シーズン、ジュリアンは何と向き合うのでしょうか？

「常にジェットコースターみたいで、多くのひねりと驚きがあるよ。今シーズンのストーリー展開は、探偵のジュリアンと依頼人のエマの2人を追いかけていくんだ。そしてすべての答えを得て、邪悪な行為に向き合うことになる。彼らはどうやって現状に対処するか、自分自身について考えさせられるんだ。ユーモアもたくさんあるし、脚本の書き方も面白い。人生は喜劇や悲劇ではなく、悲喜劇だからね」