ニコール・キッドマンとヒュー・グラントが初共演! 「フレイザー家の秘密」の魅力とは?2020/12/16
アメリカドラマ界の各賞を受賞した「ビッグ・リトル・ライズ」(2017~19年)で主演を務めたニコール・キッドマンとクリエーターのデヴィッド・E・ケリーが、再タッグを組んだ心理サスペンス「フレイザー家の秘密」。マンハッタンで幸せなセレブ生活を送る臨床心理士のグレイスをキッドマンが、医師の夫・ジョナサンをヒュー・グラントが演じている。
中毒性のあるスリリングな心理サスペンス
──「フレイザー家の秘密」の企画に参加した経緯は?
キッドマン 「『ビッグ・リトル・ライズ』に出演した後、デヴィッドが作りたいと思うものならどんなものでも一緒に作りたい、と彼に伝えたの。そうしたら彼がこの企画の脚本の2話分を送ってくれて、すぐ参加を決めたわ。彼のように中毒性のあるスリリングな物語を書ける脚本家はほかにはいない。そして、このドラマを手掛けられる唯一無二の人がスサンネ・ビアだったわ。もう何年も前から彼女と仕事がしたいと思っていたの。彼女が手掛けたドラマ『ナイト・マネジャー』(16年)も映画『未来を生きる君たちへ』(10年)も大好きだった。今回、彼女がこのドラマを引き受けてくれてとてもラッキーだったわ」
グラント 「最初、スサンネが僕を起用したがっていると聞いて驚いたんだ。実は、過去に彼女との企画を降りたことがあったんだよ。僕自身は彼女が手掛けたデンマーク作品の大ファンだったから、彼女の存在は僕にとってプラス要素だった。それにデヴィッドとニコールも大きなプラス要素だったね。最近はオスカー女優と共演するのが好きでね。共演すれば、僕も一流の役者のように見えるから(笑)」
──演じたキャラクターについて教えてください。
キッドマン 「人間は自分がこうだと信じたいものを信じるという傾向があるのよ。それはグレイスも同じなの。彼女がいるのは幻想のような場所だわ。そして、そこは不安定な危うさがある場所なの」
グラント 「魅力的な小児腫瘍科医であり、妻と息子を心から愛しているけど、隠し事がある。これだけでも非常に面白いと思ったのに、さらには恐ろしいサイコパスかもしれない? なんて最高だったね! 視聴者には第1話から“ジョナサンって立派な人物だけれど、ちょっといい人過ぎではないか? あの仮面の下に別の顔があるのではないか?”と感じてほしいと思っているよ。何か少し怪しいな、とね」
――今回演じたグレイスは臨床心理士役で、『ビッグ・リトル・ライズ』で演じたセレステは患者としてセラピーを受ける役どころでした。演じる上でいかがでしたか?
キッドマン 「セラピーを受ける側が座るソファからセラピストが座る椅子へとキャラクターの立場が変わったけど迷うことはなかったわ。私にとっては、グレイスもセレステもキャラクターのセリフの裏に秘めているものやその内面、感情の揺れといった部分に魅力を覚えていたの。グレイスは患者を治療しているけれど、実はこの物語はそんな彼女自身の心の底を描いている。だから演じるのはとても楽しかったわ」
──このドラマには、フレイザー家の人々を含め、富裕層の特権も描かれていますね?
グラント 「クリエーターのデヴィッドは、ここでも『ビッグ・リトル・ライズ』で描いた西海岸の富裕層と同じような東海岸の人々の世界を、とても巧みにやんわりと風刺していると思うよ」
──初共演したお互いの印象はいかがでしたか?
キッドマン 「ヒューのことは昔から知っていたし、お互いにいつかぜひ共演してみたいと思っていたの。このドラマはヒューの存在なしではうまくいかなかった。彼がジョナサン役に吹き込んだ魅力や愛嬌、知性を彼と同じようにできる役者なんていないと思うわ」
グラント 「最初から驚くほど楽だったよ。メリル(・ストリープ)と共演した時を思い出した。2人とも素の状態でやってきて、カメラが回るとその瞬間を演じる。だから同じ演技は二度と見せないんだ。そして、共演者との演技を大事にする。初共演だったけど、顔を合わせればいつも気が合う者同士だったんだよ」
──グレイスの父親役、ドナルド・サザーランドとの共演はどうでしたか?
キッドマン 「グレイスと父親の関係はこのドラマで非常に重要なポイントなの。グレイスの人生に影響を与える3人の男性の内の1人だから、愛情と複雑さが入り混じる関係を視聴者が感じられるように演じることが大事だった。ドナルドとはとても仲がいいから、複雑な親子役もスムーズに演じることができたわ」
グラント 「ドナルドは非凡な人物だ。心から慕っているよ。実はこのドラマの撮影が終わって1年経つけれど、今でもメールのやりとりをしているんだ。彼は8歳の子どものようなユーモアのセンスがあってね、そこが大好きなんだよ(笑)」
【プロフィール】
ニコール・キッドマン Nicole Kidman
1967年6月20日生まれ。オーストラリア出身。映画「めぐりあう時間たち」(2003年)でオスカーを獲得。近作に「スキャンダル」(19年)がある。
ヒュー・グラント Hugh Grant
1960年9月9日生まれ。英・ロンドン出身。「ノッティングヒルの恋人」(99年)、「ブリジット・ジョーンズの日記」(2001年)などロマンティックコメディー映画で有名。
【番組情報】
「フレイザー家の秘密」
1月27日スタート
スターチャンネル1
水曜 午後11:00~深夜0:15ほか(字幕・全6話)
※1月23日午後7:45〜9:00に第1話先行無料放送あり
マンハッタンで医師の夫・ジョナサン(ヒュー・グラント)と息子と共に、幸せなセレブ生活を送る臨床心理士のグレイス(ニコール・キッドマン)。だがある日、息子の学校に通う生徒の母親が殺害される痛ましい事件が起き、時を同じくしてジョナサンが姿を消し…。
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