「#家族募集します」プロデューサーが明かす、重岡大毅の魅力――木村文乃、仲野太賀、岸井ゆきのとの“家族”の物語に込めた思い2021/07/08
7月9日にスタートする連続ドラマ「#家族募集します」(TBS系)。ジャニーズWEST・重岡大毅さんが主演を務める本作は、それぞれに悩みや秘密を抱えるシングルファーザー&マザーたちが、一つ屋根の下で子育てをしながら共に過ごし“家族”になっていく姿を描く、新時代のホームドラマです。
重岡さんが演じる主人公・赤城俊平は、5歳の一人息子・陽(佐藤遙灯)の子育てに奮闘するシングルファーザー。偶然再会した幼なじみ・小山内蒼介(仲野太賀)が思いつきでSNSに投稿した「#家族募集します」という募集をきっかけに、小学校教師のシングルマザー・桃田礼(木村文乃)、夢を追う子持ちのシンガー・ソングライターの横瀬めいく(岸井ゆきの)と出会うことに。性格も価値観も違う大人4人+子ども3人が一緒に暮らすことになるのですが…。
「俊平役として一番に思い浮かんだのが重岡さんでした」
重岡さんは、本作で初の父親役に挑戦。ジャニーズWESTとして歌にダンス、そしてピアノ、ギターの演奏に、作詞・作曲も手掛けるなど、多彩な才能の持ち主でありながら、表情の引き出しの多さを武器に、振り幅のある演技で知られる重岡さん。脇を固める役でありながらも、鮮烈な存在感を放っていた「これは経費で落ちません!」(NHK総合)や、「知らなくていいコト」(日本テレビ系)は記憶に新しいのではないでしょうか。
本作を手掛ける佐久間晃嗣プロデューサーは、「映画『溺れるナイフ』(2016年)の重岡さんの演技が強く印象に残って、その後も『宇宙を駆けるよだか』(Netflix)、『これは経費で落ちません!』などさまざまな映画やドラマで重岡さんの演技を拝見し、『いつかご一緒したいな』と思っていました。また、『パパジャニWEST』(TBSほか)をたまたまParaviで見ていたのですが、子どもと同じ目線で、まるで自分も5歳児かのように子どもと戯れている姿が魅力的で。そんな中、今回の企画が生まれ、俊平役として一番に思い浮かんだのが重岡さんでした」と、重岡さんとの出会いを明かします。
「俊平は、笑顔が印象的なキャラクター。でもその裏に、寂しさや孤独、戸惑いを隠し持っている。その繊細さを表現してくれる方に演じてもらいたいと考えていました。重岡さんに最初にお会いしたのは、重岡さんが『パパジャニWEST』チームで出演されていた『オールスター感謝祭』(同局)。そして後日、あらためて打ち合わせをさせていただいたのですが、『現場に入る前に考えすぎると、うまくいかないんです』『その場の空気を一番大事にしています』とおっしゃっていたのが印象的でした。『役柄についていろいろ聞かれるかな?』と思っていたのですが、一言『やったりますよ!』的なことをおっしゃって。ナチュラルさと、圧倒的な“陽”のオーラがあって、重岡さんに俊平役を託して大丈夫だと妙に安心したのを覚えています。撮影でご一緒するたびに日々、その真摯(しんし)な姿勢と周囲への気遣いをとても繊細な目線を持ってやってくださっていると感じています。WESTでいる時はやんちゃだったり、少年っぽい一面を見せることが多いと思うのですが、人の気持ちを重んじる方だからこそ、繊細なお芝居ができるんだろうなと思います」。
木村文乃さん、仲野太賀さん、岸井ゆきのさんも「念願かなってのキャスティング」
木村さんが演じる、小学校教師のシングルマザー・礼。このモデルとなった人物は、実は佐久間プロデューサーのご友人。完璧主義で、1人で頑張ってしまう礼というキャラクターは、視聴者からすれば近寄りがたい人物に見えてしまうかもしれません。「チャーミングな大人のかわいさもまといながら演じてくれるのは、木村さんしかいないなと。(脚本を担当する)マギーさんと相談しながら、勝手に木村さんを礼に当て書きして、脚本を作っていました(笑)。オファーを受けていただいた時は、マギーさんと大喜びしました」。
蒼介役の仲野さん、めいく役の岸井さんも、念願かなってのキャスティング。佐久間プロデューサーと共に本作を手掛ける岩崎愛奈プロデューサーも、「太賀さんは、作品全体のパワーを押し上げてくれる方。主人公を巻き込んでいくので、うっとうしい人物に見えてしまいそうな役なのですが、太賀さんが演じていると『この人になら巻き込まれたいな、この人の波なら乗っちゃいたいな』と思ってしまうんです。岸井さんはシンガー・ソングライターの役なのですが、歌声がとにかくすてき。表現力に引き込まれます。めいくの性格的にパンチのある役なのですが、鋭いことを言っても愛嬌(あいきょう)があるというか、見ていたら必ず好きになってしまうと思います」と、作品への愛、そして自信をのぞかせます。
第1話の“山場”に「自分にできるのかな、怖い」
第1話の放送前でありながらも、SNSなどでは期待値の高さが伺える本作。第1話で描かれる、ある“山場”となるシーンについて、佐久間プロデューサーは大きな手応えを感じたそう。
「企画を考えた当初から、どうしてもやりたいなと考えていたシーンがあったんです。第1話で俊平、礼、蒼介の3人が顔を合わせる中、俊平が思いを吐露するという場面なのですが、ずっと『どういうシーンになるんだろう』と感じていたのも事実で…。それがカメラが回った瞬間、思い描いていた俊平と、礼さん、蒼介がそこにいて。その時、心から安心しました」。
このシーンについて、さらにこんなお話も。「撮影後の話なのですが、重岡さんが、『実はそのシーン(の撮影)が来るのがずっと怖かった』とおっしゃっていて。クランクインしてから約1カ月後の撮影だったのですが、それまでずっと『自分にできるのかな、怖い』と思っていたと。台本でも数ページにわたる長いシーンで、体力的にも精神的にもきついシーンなのですが、おそらくそのシーンの撮影まで、めちゃくちゃ準備をされて臨まれたんだろうなと感じました。それは重岡さんだけでなく太賀さんも同じで、重岡さんは『俺も怖いよ、分かるよ』と太賀さんが言ってくれたことが救いになったと、撮影後に話していました」。
その話を聞いて、重岡さんに対する印象が変わったという佐久間プロデューサー。「いつも明るくて、コミュニケーション上手なイメージを抱いている方が多いと思うのですが、重岡さんでも怖いと思うことってあるんだなって…。お芝居ににじみ出る、ナチュラルで身近な雰囲気は、そういった繊細さからきているんだなと感じた瞬間でした」。
「#家族募集します」が伝えたいメッセージ
2020年、世界は思いも寄らない事態に包まれました。今もなお、人と人の“つながり”において、難しさを感じる場面もあるかもしれません。“1人”で悩んだり、抱え込んだりする時、「1人じゃない」と実感できたら――。佐久間プロデューサーは、「シングルファーザー、シングルマザーの方を取材する中で感じたのは、“相談できる人がいる”、そして“自分も人を助けることができる”と、“1人じゃない”ことを実感することの大切さ。家族でも会えなかったり、離れざるを得ない状況が続く中、ドラマを見て、少しでも温かい気持ちになってもらえたらうれしいです」と、本作を通して伝えたいメッセージを。
続けて岩崎プロデューサーも「ここ数年、ドラマを作る中での自分のテーマとして『世の中、みんなが頑張りすぎている気が…』という思いがあって…。本作では、それぞれが抱える気持ちや生活、そして子育てを、“みんなで共有してみませんか?”という、一つの考え方を感じていただけたらと思っています」と作品に込めた願いを。そういえば、昨年岩崎プロデューサーが手掛けていたドラマ「私の家政夫ナギサさん」(同局)でも、主人公のメイ(多部未華子)は、自分の恥ずかしいところや悩みをすべて、家政夫のナギサさん(大森南朋)に見せていたなと思い返しました。
7月9日スタートの「#家族募集します」、初回は15分拡大です。7人の“家族”が織りなす、楽しくて明るく、そして時に切ないやりとりをお楽しみください。
【番組情報】
「#家族募集します」
TBS系
金曜 午後10:00~10:54(7月9日は、午後10:00~11:09)
取材・文/宮下毬菜(TBS担当)
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