「おかえりモネ」制作統括を直撃! 清原果耶、永瀬廉ら出演者の魅力や制作秘話に迫る2021/05/15
いよいよ5月17日から連続テレビ小説「おかえりモネ」(NHK総合ほか)がスタート! 本作は、宮城県気仙沼湾沖の自然豊かな島で生まれ育ったヒロイン・永浦百音(清原果耶)が気象予報士を目指し、天気と向き合うことで人々に幸せな未来を届けていく希望の物語です。
今回は制作統括の吉永証さんに、清原さんの魅力や制作秘話をはじめ、作品の見どころをお伺いしました。
◎清原果耶の演技力&永瀬廉の愛されキャラ&竹下景子の温かい語りに注目!
清原さんは2015年度後期連続テレビ小説「あさが来た」で女優デビューし、その後「なつぞら」(19年度前期)ではヒロインの妹役として存在感を発揮。今回は、“朝ドラ”出演2度目の“おかえり”を果たし、満を持してヒロインに挑みます。
「清原さんはまだ10代ですが、お芝居が非常に細やかです。安達奈緒子さんの脚本は、セリフの裏側の考え方や感情をとても大事にされていて、それをいかに表現していくのかという点が難しいと思います。清原さんはご自身の中でモネ(百音)という人物を捉えて、とても的確に、表現豊かに演じられています。撮影現場では、ヒロインとして特別気負ったこともなく、非常に自然体で過ごしていらっしゃいます」
共演者の1人でもある百音の幼なじみ・及川亮を演じるのは、King & Princeの永瀬廉さん。連続テレビ小説初出演としても話題を集めています。
「永瀬さん演じる亮は、高校卒業後に漁師になる役です。“りょーちん”という愛称でみんなから好かれて、とにかく何でもできて、誰もが憧れる存在の人物。この役をどなたに、どのように表現してもらうか、さまざまな可能性を考えた時に、永瀬さんとお会いして、このドラマで描きたい“誰からも愛されて、何でもできて、みんなのことを温かく見ている”というキャラクターそのものだと思ったので、出演をお願いしました。初登場は百音の妹・未知(蒔田彩珠)とのシーンですが、女性の方々はキュンキュンすると思います。さらに第3週(5月31日~6月4日放送)は中学時代に吹奏楽をしていたシーンが出てきます。亮はトランペットの担当で、半年ほど前から練習をされていましたが、永瀬さんはすぐにできるようになって…センスがあるなと感じました。また、亮の父・新次役の浅野忠信さんや、百音の父・耕治役の内野聖陽さんなど、ベテラン俳優さんとのシーンがある時は、どのようにお芝居をすればいいかコミュニケーションを取りながらやっていらっしゃって、永瀬さんにとって、いい経験になっているのではと感じますね」
さて、“朝ドラ”では“語り”も重要な役割を担っています。本作では、百音の祖母・雅代役の竹下景子さんが担当。
「語りで大事なことは、ヒロインのモネをどのようなまなざしで見ているかという点です。モネのことを小さい頃から知っていて、家族のことも知っていて、モネを見守っている目線で語っていただきたいと思いました。竹下さんの演技はもちろんですが、声のお芝居も素晴らしいので、お力をいただくことにしました。標準語ではなく、気仙沼で生きてきた雅代さんのニュアンスをどのくらいの加減で出すか、安達さんも含めスタッフとすり合わせながら進めています。竹下さんの魅力は、ドラマ全体を包んで優しく見守ってくださるところなので、視聴者の皆さんも感じていただけると思います」
◎気象予報士を描くからこそ、自然豊かな映像美にも期待!
「気象予報士にスポットを当てた理由は、これまでの“朝ドラ”で描かれたヒロインの職業と同じにしたくないという思いと、多くの人と関わりのある仕事、今の時代の息遣いを感じられる仕事がいいと思って選びました。天気は、生活やビジネスに関係しますし、農業や漁業、林業、交通、スポーツの分野、また地球温暖化や防災にも深く関わります。山に降った雨は川に流れて海へ行く、その後、太陽の光で雲になり空に戻って、また雨となります。ドラマの中では、こうした“循環”を意識して描いています。ロケでは山や海などさまざまな場所で撮影し、映像も豊かになっています。期待していただきたいです」
◎東日本大震災を通して届けたいメッセージ
「企画の発端は、震災から10年たった春から始まるということで、東北の宮城県を舞台に選びました。震災後の時代を描くのですが、取材してみて、震災に対する向き合い方が人によって本当に異なると感じました。震災で傷ついた方々に寄り添う気持ちを大事にしたい。直接被災しなかった人は、“何かしてあげたい”“役に立ちたい”と思っていても、なかなかその気持ちを伝えられなかったり、表現できなかったりすると思うんですよね。モネは震災の時、故郷の気仙沼にいなかったことが、非常に引っ掛かっています。震災を背景に、そんな気持ちを描ければと思っています」
◎脚本家・安達奈緒子が描く奥深い人物像
脚本は、「透明なゆりかご」(NHK総合/18年)や「きのう何食べた?」(テレビ東京ほか/19年)などを手掛けた安達奈緒子さん。
「今回、私は安達さんと初めてお仕事をご一緒しているのですが、安達さんが描かれるキャラクターは非常に奥深いなと感じました。一見、単純なセリフを言っているようで、その言葉にはその人物が抱えている背景や考え方が、現れています。さらっと台本を読むと見落としてしまうこともあるので、丹念につかみ取る必要があります。役者さんはそれを的確に表現することを求められるので、ハイブローな脚本家の方だと思いました。ベテランの役者さんも安達さんの脚本は素晴らしいとおっしゃっています」
◎タイトルに込めた思いとは?
「先ほども話したように、モネは震災の時、故郷の気仙沼にいなかったことが、非常に引っ掛かっています。さまざまな思いを抱えながら、一度故郷を出て、登米や東京に行き、自分には何ができるのかということをつかみ、故郷に帰ります。家族のちょっとした心のすれ違いやさまざまな思いがだんだん解きほぐれていく中で、故郷が“おかえり”という気持ちでモネを迎え入れる、そういう気持ちを込めて『おかえりモネ』というタイトルにしました」
◎これまでの“朝ドラ”とは違う、新しい“朝ドラ”に挑戦!
「現代を描く“朝ドラ”は少ないので、私たちも“これまでの朝ドラとは違う”“新しい朝ドラを作りたい”という挑戦を込めて作っています。自分たちと同じ時代を生きている人が登場する“朝ドラ”です。視聴者の方も自分と重ねて、同じような目線で見られると思います。いろんな感情が湧いてきて、多様な見方ができるのが、このドラマの魅力です。1週間で物事が解決するのではなく、週をまたいで、どんどん変化していきます。モネが成長していく姿を、ぜひ毎日欠かさずに見ていただきたいです」
第1週あらすじ(5月17日~21日放送)
2014年春、高校を卒業した百音(清原)は、祖父・龍己(藤竜也)の旧友で登米の大山主・新田サヤカ(夏木マリ)の家に下宿して、森林組合の見習職員として働き始めます。百音の父・耕治(内野)は、娘のことが心配で何度も電話をしますが連絡が取れず…。ある日、サヤカと縁がある人気の気象キャスター・朝岡覚(西島秀俊)が、東京から登米にやって来ます。
【番組情報】
連続テレビ小説「おかえりモネ」
5月17日スタート
NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか
NHK BSプレミアム・BS4K 月~土曜 午前7:30~7:45ほか
※土曜は一週間の振り返り。
NHK担当 M・I
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