古川琴音、リミット空間でのワンシチュエーションドラマ出演に「正直緊張しましたが、その空気感も味わっていただけるとうれしいです」-Huluオリジナル「THE LIMIT」インタビュー2021/03/11
人気脚本家と実力派俳優陣のタッグでおくる“究極”のワンシチュエーションドラマ、Huluオリジナル「THE LIMIT」。玉田真也さん、岩崎う大さん、荻上直子さんの3人による脚本で、極限状態に追い込まれた時に現れる“人間の本性”をテーマに全6話のオムニバスが、4K・HDR映像と5.1chサラウンドで臨場感たっぷりに配信されます。
第2話「タクシーの女」では、門脇麦さん演じる弁護士・宮田咲希と古川琴音さん扮(ふん)するタクシー運転手・里美による車内での“半径3mの人間ドラマ”が展開されます。乗客と運転手が実は姉妹だと判明し、意外な展開に…。
今回、事務所の先輩でもある門脇さんと車内での攻防劇を繰り広げる古川さんを直撃し、作品の印象や半径3m内での芝居の難しさ、さらには昨年の朝の連続テレビ小説「エール」(NHK総合ほか)やドラマ「この恋あたためますか」(TBS系)への出演により注目度が高まった今の思いなどに迫りました。
――始めに“半径3mの人間ドラマ”という企画を聞いた時の感想を教えてください。
「最初に台本をいただいて読んだ時に、ワンシチュエーションとは聞いていたんですけど、『本当にほぼワンシーンで終わるんだ!』っていうのをすごく感じて。しかも、私と麦さんの会話がメインなので、正直少しおじけづきました…(笑)。でも、その会話の中にジェットコースターみたいな波がたくさんあって、それをちゃんと見せることができたら本当に面白い作品になるだろうなって、撮影を楽しみにしていました」
――撮影前に準備したことや考えていたプランはありましたか?
「咲希と里美という姉妹の関係性が一番大事だなと思っていました。『姉妹にどういう思い出や過去があったんだろう』とセリフをきっかけに考えてみたり。お姉ちゃん役の麦さんは事務所の先輩ですし、以前に映画『チワワちゃん』でもご一緒したことがあるので、実はちょっと意気込んでしまうところもありました。あとは、運転しながら会話をするというお芝居だったので、セリフのテンポやスピード感をなくさないように、いつも以上にセリフに気を使いました」
――ストーリーやセリフにはどんな印象を持ちましたか?
「姉妹のすれ違いというか、姉妹を介してのお母さんとお姉ちゃんのすれ違いが複雑で。お母さんの考えに対するお姉ちゃんの受け取り方が、妹とは全然違っているんです。妹は地元で結婚して家庭を持っていて、どちらかというとお母さんに寄り添った考えだと思うので、お母さんの本心を理解できる部分があるんですけど、お姉ちゃんは違う目線や感覚で捉えてしまう部分があって。2人の背景が少しずつ見えてきた時に、面白いなと感じました」
――密室で2人きりでの演技の面白さについてお聞かせください。
「2人の会話で成り立つ物語なので、緊張感とか空気感ごと伝わってしまうのが、ある意味難しい部分だと感じつつも、そういう緊張感も含めて見ている方に楽しんでいただけるんじゃないかなと思います」
――演じてみての手応えはありましたか?
「反省点は多いです。運転しながら会話するお芝居にいっぱいいっぱいになってしまうところがありました。もう少し柔らかい演技というか、リラックスしてできたらよかったなと思いました」
――事務所の先輩でもある門脇さんと共演してみての感想はどうですか?
「初めてご一緒させていただいたのが3年前で、事務所の先輩ですし、麦さんの出演作もたくさん見ています。共演時にお話した時には『何かあったら何でも言ってね』と言ってくださって、常に一緒に作ろうという姿勢でいてくださり、先輩としてすごく心強かったです。それから3年ぶりの共演だったのですが、やっぱり緊張しました」
――もしまた門脇さんと共演するなら、2人でどんな役を演じてみたいですか?
「今ぱっと思いついたのが、殺人犯と刑事とか(笑)。追われながら、追いながら、それで友情が生まれるような感じだったら面白いかなと。『THE LIMT』での印象だと、麦さんが刑事で私が犯人っぽいですよね。それだとちょっときりっとした感じになるので、逆にそれを入れ替えたら面白いかもしれないです」
――今作は“極限状態での人間の本性”がテーマですが、最近ご自身で極限に追い込まれたような出来事はありますか?
「少し前ですが、甘い物が好きで、1日3食甘い物を食べていた時期があったんです…。1週間くらい続けた時におなかが痛くなって(笑)、病院に行ったことがありました。私の胃腸は21食で“リミット”がくるんだなって。(質問は)そういうことじゃないですよね(笑)」
――そういうことで大丈夫です! 今も甘い物を気にしながらの生活になるのですか?
「お医者さんからは、しばらく甘い物を我慢してって言われました。今は和食や野菜のスープとか、そういう健康的な食事をしています」
――甘い物を我慢することでストレスを感じたり、その発散として甘い物の代わりになるものはありますか?
「実は甘い物を欲しいと思わなくなったんですよね。代わりのものって何だろう…散歩が好きなのですが、以前よりたくさん歩くようにはなりました。1日に1時間とか。お風呂に入る前にいつも歩く決まったコースがあって、歩くとちょうど1時間くらいになります」
――そういう時は何か考え事をするのですか? 逆に何も考えずに景色を眺めたりとか?
「日によってですが、セリフを頭に入れながらというのが多いですね。全部ボイスレコーダーに入れているので、それを聞きながら歩くことが多いです」
――昨年「エール」や「この恋あたためますか」に出演したことで注目度が上がっているとは思いますが、それをどう実感していますか?
「しばらく連絡を取れていなかった友達から『見てるよ~』って連絡もらったり、『俳優やっていること知らなかったよ』とか連絡くれる友達もいたので、作品を通して多くの人に届いているんだなって思いました」
――古川さんが女優をしていると知った友人たちに、今後どうアピールしていきたいですか?
「やっぱり作品を見てもらうしかないので、そういう友達には『Instagramをフォローして私の情報をチェックしてね』って言いたいです(笑)。でも、やっぱり次も見てもらうためには、演技で存在感を出したり、『このキャラクター好きだな』って思ってもらわなければならないと思います」
――今後やってみたい役などについても教えてください。
「今やってみたいのは…。私が出演させていただいた『この恋あたためますか』が好きで、見ながらキュンキュンしていたので、すごく切ないラブストーリーに出てみたいですね」
――どんな物語のイメージでしょうか?
「報われないこともあってもいいんじゃないかとは思います。必ずしもハッピーエンドじゃなくて、『どういうバッドエンドで終わるのか?』というのも面白そうですよね。そういう作品に出る機会があったら、ぜひ出演したいです」
――確かに、そういう作品も見てみたいですね。それでは、最後に今後の抱負を含めて読者の皆さんにメッセージをお願いします。
「去年はドラマや映画などへの出演機会を多くいただきました。今後は舞台とかアニメの声優とか、お芝居ができる場をどんどん増やしていきたいです。あとは体を鍛えたり、声も鍛えたりして演技の幅を広げていきたいと思うので、今後もぜひ私を見守っていただけるとうれしいです」
――ありがとうございました!
【プロフィール】
古川琴音(ふるかわ ことね)
1996年10月25日生まれ。神奈川県出身。2018年にデビューし、1年目から映画やミュージックビデオなどの映像作品に次々と抜てきされる。昨年、連続テレビ小説「エール」(NHK総合ほか)、ドラマ「この恋あたためますか」(TBS系)での好演で注目を集める。4月9日に公開される映画「街の上で」や4月スタートの日本テレビ系土曜ドラマ「コントが始まる」などに出演。
【番組情報】
Huluオリジナル「THE LIMIT」
Huluで3月5日より独占配信中(全6話)
第2話「タクシーの女」は3月12日より配信
取材・文/K・T 撮影/尾崎篤志
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