池松壮亮「再生に向かう一歩となることを」。綾瀬はるか主演「あなたのそばで明日が笑う」豪華出演者のコメントが到着2021/03/06
未曾有の被害をもたらした東日本大震災から間もなく10年。NHK総合・NHK BS4Kでは、3月6日に特集ドラマ「あなたのそばで明日が笑う」が放送されます。
“後ろを向くことで、前に進んでいっちゃだめなのかな…”。それは主人公の真城蒼(綾瀬はるか)が、震災で行方不明になった夫・高臣(高良健吾)を待ち続けている“夢の時間”。蒼は、震災を知らない建築士・葉山瑛希(池松壮亮)と出会い、“現実の時間”を積み重ね始めます。2人を見守る人々の優しい心に包まれて、前を向き、もう一度笑顔を取り戻すまでの心温まる愛の物語です。
放送を前に、豪華出演者の方々からコメントが届きました。役柄と合わせてご紹介します。
●真城蒼役 綾瀬はるか
宮城県石巻市の復興住宅で一人息子と暮らす女性。津波で行方不明になった夫を待ち続けていますが、明るく立ち直ったかのような日々を送っています。
「震災から10年がたって、被災地が今どういう状況なのか、そこに住む人たちや震災に遭われた方々がどのような気持ちで過ごしているかということを感じました。私が演じた蒼は、震災で夫が行方不明になってしまい、日々苦しみながら、それでも前を向こうともがいている女性です。大事な人を失ったという現実を受け入れる中で、忘れようとするのではなく、悲しみさえも自分の中に取り込んで、前に進む力に変えていける。人それぞれ、大小関係なく悩み、苦しみがあると思いますが、時間がかかっても受け入れながら前に進んでいくと明日につながっていくという、前向きなメッセージが伝わればと思います。蒼の姿を通して“前を向いて頑張っている人たちがいるんだ”ということを少しでも知ってもらい、寄り添ってもらえたらと思います」
●葉山瑛希役 池松壮亮
半年前、居場所を求めて石巻市に移住してきた建築士。人付き合いが苦手で、蒼とは正反対の性格と境遇から、なかなか分かり合えません。
「このドラマを見てくださった方々にとって、この国で10年前に起こった災いの記憶を、そして今世界で起きていることを見つめ直し、再生に向かう一歩となることを願っています。もっと願わくは、この世に数多ある同時代の無念の魂に寄り添い、共に笑い、共に怒り、共に涙を流し、共に生きていく微々たる力になれば、うれしいです」
●真城遥役 土村芳
蒼の義理の妹。空き家をリノベーションして本屋さんを再開させることにした蒼に、建築士の瑛希を紹介します。
「この作品には、蒼さんのように過去を忘れられずにいる人や、前を向けないと思っている人を包み込むような温かさを感じます。きっと過去には、つらい痛みと同時に、かけがえのない大切な思い出も存在していて、そこから今や明日へ向かうための希望のような、何かを見いだせることだってあると気付かせてくれる、とても優しさにあふれた作品になっていると思います。私自身、主演の綾瀬さんをはじめ、共演者の皆さんやスタッフの皆さんに助けていただきながら、現場を通して、支えていただくことのありがたさや尊さにあらためて気付きました。多くの方に、この作品が届くことを願っています」
●真城浅子役 阿川佐和子
蒼の義母。息子・高臣と一緒に営んでいた本屋さんは津波で流されてしまいました。本屋兼自宅だった場所は、災害危険区域に指定されたため、戻ることができずにいます。
「私の役は、綾瀬さん演じる蒼のおしゅうとめさん。意地悪なしゅうとめかと期待していたら、誠に人のいい邪気のないばあさんで、その“いいお義母さん”モードを保つのが難しかったです。あと、石巻弁をたたき込むのも大変でしたが、実に面白くて楽しかった。実際、石巻ロケの時、石巻弁のセリフを心で唱えながら、空き時間に1人で石巻の街をぐるぐるとたくさん歩き回りました。コロナ禍での撮影だったため、仲間とつるんで食事をしたり散歩したりできなかったのです。石ノ森章太郎さんの『サイボーグ009』の銅像を確認したり、海を見渡す防波堤の上を歩いたり、どのおすし屋さんののれんをくぐろうかと店の前でたたずんだり、最終的に入ったおすし屋さんのカウンターに腰掛けて、おいしい握りを頬張りながら大将夫妻や常連と話をしたり。かつて倍賞美津子さんがおっしゃっていました。『地方ロケの時は、撮影前にその町を1人スッピンでぐるぐる歩き回るの。そうすると、その町の空気が分かるから』と。10年前、この町はどれほど混乱し、涙と落胆と怒りにあふれていただろう。そして10年たち、なんと静かに笑顔を浮かべ、落ち着いた日常を取り戻しているのだろう。その軌跡を想像すると、おのずと涙が出てきました。エセ石巻人ではあるけれど、少しでも石巻の人たちの気持ちに沿った、意地悪ではないお義母さんを演じることができていたら、うれしいです」
●真城高臣役 高良健吾
蒼の夫。両親が経営していた街の本屋さんを大切に引き継いでいましたが、10年前の津波で行方不明に…。
「それぞれの一生があります。そのそれぞれをすべて肯定してくれているドラマになっていると思います。ぜひ」
蒼と瑛希は、一緒に本屋を作るうちに、ひかれ合っていきますが、高臣の存在が大きく2人は踏み込むことができません。蒼と瑛希は、どのように心を通わせていくのか…。無事に本屋さんを再開させることはできるのでしょうか。
本作は震災を扱っていますが、劇中では当時の映像や津波の映像などは出てこないそうです。当時のことを思い出したり、フラッシュバックしたりするので、見ることができないという方もたくさんいらっしゃると思います。番組のプロデューサーさんは「無理に見てくださいとは言えないのですが、このドラマはキャスト・スタッフが一丸となり、コロナ対策を万全に行いながら、宮城県石巻市で2週間程度、撮影をさせていただき、さまざまな思いを込めて作りました。見ていただければうれしく思います」とコメントされています。
【番組情報】
東日本大震災10年 特集ドラマ「あなたのそばで明日が笑う」
NHK総合・NHK BS4K
3月6日 午後7:30~8:43
NHK担当 M・I
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