堀田真由主演でドラマ化!「ヤングシナリオ大賞」受賞、的場友見さんが語る 「フィクションの力」で伝えたいものとは?2021/02/27
――的場さんが今後書いてみたいテーマはありますか?
「貧困で困っている方など、マイノリティーと言われる方に焦点を当てたものを書きたいです」
――そう思うようになったきっかけはあるのでしょうか?
「私の周りには…偶然ではなくて本当は皆さんの周りにもきっといると思うんですけど、目には見えない障害を持っている方やセクシャルマイノリティーの方も多いんです。また、育った街が新興住宅地で貧困層の方もたくさんいる場所だったこともあり、自分の生活圏にはマイノリティーと思われる人が多くいらっしゃいました。それが当たり前だと思っていたので、皆さんにもその存在を知っていただきたいなと思っています」
――ジェンダーに関しては、特にいま社会全体で考えられているテーマでもありますよね。
「実は今まで応募してきた作品でも、ジェンダーに関わるものを書いてきました。皆さんが興味を持ってもらえるタイミングで放送されるのはうれしいです。私は、性別って人を表す一つの個性でしかないのではないかと思っていて…。子どもを作るとなったら少し違いますけど、仕事の場では関係ないじゃないですか。“女性をもっと採用すべき”とか“トランスジェンダーの人をもっと採用すべき”とかではなく、才能ある人が性別によって採用されないのはおかしいと思うので、そういうフィルターは外してほしいとだけ思っています」
――では、的場さんが地上波のドラマに期待することは何でしょうか。
「以前『最近の若者は、SNSを通して自分の生活圏では関わらない人とも触れ合うから、理解と共感の幅が広くて優しい人が多い』と聞いたことがあるんです。それこそ、地上波が担うべき役割なのではないかと思います。SNSは情報のソースが不確かですし、本当に困っていたら発信できない人もいると思うんです。地上波のドラマにより真実だからこそ伝え切れないことを、フィクションの力で伝えられたらと思います」
――「サロガシー」もそうですよね。
「あくまで創作なので、批判を受ける対象が生まれることもありません。大手を振って“サロガシーをしました”と言えないようなこの状況を、作品を通して知っていただければいいですね」
――では、これまで影響を受けた作品はありますか?
「『東京ラブストーリー』(1991年/フジテレビ系)は、ドラマって面白いなと再認識した作品です。また、創作で書き物をしたいとぼんやり考えていた時に配信で一気見したのが『最後から2番目の恋』(2012年/フジテレビ系)。“やっぱり書いてみたい”と思ったきっかけの作品ですね。その時、脚本を担当した岡田(惠和)先生がシナリオ・センターに通っていたというのを調べて、私も通い始めました(笑)」
――今後、自身の作品に出演してほしい俳優さんはいらっしゃいますか?
「今回も出演してくださる斎藤工さんの他に、柴咲コウさん、高橋一生さんなど同年代で活躍されている方々です。一視聴者として魅力的だと思っていた俳優さんに出ていただけたら幸せですね」
――的場さんにとって、脚本を書くのは楽しいですか? つらいこともあるのでしょうか?
「何もつらくないです! 一気に書くので手が痛くなるくらいで(笑)。小説や漫画、映画もドラマも好きなので、今後は原作があるものも書かせていただけるならやってみたいです。書きたいものはいくらでもあります!」
――では最後に、脚本家を目指している方に向けてメッセージをお願いします。
「私は、楽しくないなら書かない方がいいのではないかと思っています(笑)。脚本家を目指している状態って、まだ誰にも頼まれているわけではないと思うので、書きたいものを書いたらいいのではないでしょうか。自分が楽しんで書いたものが一番いいものだと思います!」
――ありがとうございました!
なお、CSフジテレビTWOにて、3月14~17日に過去8作品を一挙放送。坂元裕二(第1回大賞)や金子茂樹(第16回大賞)、野木亜紀子(第22回大賞)をはじめとする人気脚本家たちの“デビュー作”は必見だ。詳細はフジテレビTWO HPまで 。(https://otn.fujitv.co.jp/)
また、第33回「フジテレビヤングシナリオ大賞」は、現在応募作品を募集中(3月末日締切)。詳しい応募要項や受賞作品などは公式HPまで。(https://www.fujitv.co.jp/young/)
【プロフィール】
的場友見(まとば ともみ)
1981年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、アパレル会社、広告制作会社、出版社を経て独立。現在はフリーのコピーライターとして活動。フジテレビヤングシナリオ大賞は第31回に続き、今回が2度目の応募。
【番組情報】
第32回フジテレビヤングシナリオ大賞「サロガシー」
3月24日
フジテレビほか
深夜0:55~1:55(予定)
取材・文/ 藤田真由香(フジテレビ担当)
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