中尾ミエが語る「ダンスホールでジルバを踊った青春時代」とは?2021/02/26
池脇千鶴主演のオトナの土ドラ「その女、ジルバ」(フジテレビ系=東海テレビ制作)。超高齢熟女BAR「OLD JACK&ROSE」の歴史がひも解かれたり、笛吹新(池脇)も浜田スミレ(江口のりこ)も大きな一歩を踏み出したりと、その選択にエールの声が寄せられている。
第7話では、謎の男・白浜峻輔(竹財輝之助)がBARを訪れたことをきっかけに物語は急展開。かつてBARで“チーママ”の源氏名で働き、今は直木賞作家の大田原真知(中尾ミエ)が、ジルバママ(池脇・2役)のブラジルでの悲しい過去を明かした。
中尾演じる真知は派手な立ち回りと快活なトーク、着物とヒールのコーディネートなど強烈なキャラクターが注目され、登場するたびに話題に。中尾に真知役に対する印象や、強くしなやかに生きる秘訣(ひけつ)を聞いた。
ダンスホールでジルバを踊った青春時代に引き戻された
――作品の印象をお聞かせください。
「原作も全部読ませていただき大変面白かったですし、奥が深い作品だと思いました。まさに私が経験してきた時代背景とシンクロしているので共感できます。私の若い頃にはダンスホールというものがあちこちにあって、ジルバが大流行していました。ダンパ(ダンスパーティー)でジルバを踊るのが一番楽しかったですね。だから撮影現場に入ってBARのセットを見た時、自分の青春時代に引き戻されたように感じました」
――中尾さんは共演者の皆さんとすぐに打ち解けていましたよね。
「長い間この世界にいらっしゃる方ばかりなので、皆さんとはこれまでにも別の現場でお会いしたことがありました。同世代という意識もありますし、この世代が一同に集まる現場は最近では珍しくて。草笛(光子)さんなど、キャストの皆さんとご一緒することができて楽しかったです」
真知はとても私らしい役だと思う
――中尾さんが演じられる真知は、どのような人物なのでしょうか。
「彼女は、場を仕切るのが好きで目立ちたがり屋という、何となく自分自身とオーバーラップするところを感じています。そういう意味では派手に振る舞えばいいのかなと…。私らしい役だと思いますね」
――作中では、新が「もう40歳」から「まだ40歳」という意識に変わっていきますよね。
「そういう気持ちは本当にすてきですよね。人によって捉え方はさまざまだと思いますが、40歳は“人生80年”と言われる中では節目の年齢。皆さん自分の年齢についていろいろと考えると思います。そんな時期に新はBAR『OLO JACK&ROSE』に出合って、高齢でも美しく生きている人に巡り合えた…とてもいい経験だと思います。新にとって思いもよらない世界だったのでしょうね。実際にこういう店があればいいなと私は思います。ご覧になっている皆さんも、そう思っていらっしゃらないかしら?」
――ご自身が40代の頃は、どのように過ごされていましたか?
「歌手活動のほかにバラエティー番組でトークなどの仕事をしていた時代で、ヒット曲はなかったけれど、それはそれで楽しかったですね。人生はいろんなことがありますし、短いけれど長いです。長く生きていればいろいろと経験できるので、私はそれを楽しみたいと思っています」
――では、今年はどのような経験をされたいですか?
「昨年が(新型コロナウイルスの影響で)異常な1年だったので、皆さんも同じ気持ちだと思いますが、この“束縛”から抜け出せたらもうそれだけで幸せです。マスクを外してみんなで笑い合えればね!(笑)。やっぱり人間って、つらいことや制約があったりすると、それから解き放たれた時により一層うれしさを感じるものだと思います。だから、コロナ禍での初めての経験を生かして明日につなげなくてはよね」
だって時間は取り戻せないじゃないの
――中尾さんの元気の源は何でしょうか?
「“とにかく楽しく生きないともったいない”と思って何事にも臨んでいます。“自分はあと何年元気でいられるのか?”と考えるタイミングが増えましたし、その気持ちは年々強くなっていくばかり…。元気なうちにできる限り多くの楽しいことをやりたいので、やれることは何でも経験してみようと思っています。そういう意味では年を重ねるにつれて貪欲になっていますね。だから落ち込んだりする時間がもったいないのよ! だって時間は取り戻せないじゃないの、1日1日が貴重ですからね(笑)」
――最後に、視聴者の皆さまにメッセージをお願いします。
「自分の気の持ちようで、年を重ねるのが楽しくなるんだと思って見ていただけるとうれしいです。こういうお店が本当にあればいいんですけれどね。ぜひ最後まで楽しんでください」
【番組情報】
オトナの土ドラ「その女、ジルバ」
フジテレビ系
土曜 午後11:40〜深夜0:35
フジテレビ担当M・F
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