「知ってるワイフ」プロデューサー陣が見たかった、大倉忠義の○○な表情とは!?2021/02/11
大倉忠義さんが主演、広瀬アリスさんがヒロインを務める「知ってるワイフ」(フジテレビ系)。大倉さん演じる夫婦関係に悩む主人公・剣崎元春が、タイムスリップという奇跡をきっかけに妻を入れ替えたことにより、“本当に大切なことは何なのか”を模索するファンタジーラブストーリーです。
番組HPやSNSなどに「続きが気になりすぎる!」という期待や、「心に響き、自分自身を振り返るきっかけになるドラマに出合えた」などの共感の声が寄せられ、大きな反響を呼んでいる本作ですが、今回は編成企画を担当された狩野雄太さん、プロデューサーを務める貸川聡子さんの2人にインタビュー! おすすめのシーンや今後の見どころなどをたっぷり語っていただきました!
――まずは、どのようなテーマで企画されたドラマなのか教えてください。
貸川 「“パートナーシップ”をテーマにしたドラマをやりたいと思い、日本版の『知ってるワイフ』を企画しました。パートナーシップは相手も大事だけれども、“相手とどう関係を結ぶかというのは自分次第だよね”ということも、伝わればいいなと思っています」
狩野 「そうですね。誰かと一緒に生きていく上で“大事なことって何だろう”ということが最終話で表現できればいいなと思いながら、制作しています」
――SNS上などでは多数の共感の声などの反響があります。
貸川 「大きく分けて、夫婦関係がすごくリアルに描かれていることと、『元春が最低!』という二つの意見があるなと思っています。そもそも『最低男を描いてやろう』とスタートしたわけではもちろんなくて、主人公が『人生を変えたい』と思い詰めるほどの状況について、何が原因だったのか、何を変えればよかったのかってことに気付いて変化していくというストーリーなので、そのきっかけを描くと『この人、(妻のこと)全然何も分かってないじゃん!』という印象になったのかな?と思います」
狩野 「話題にしていただいてありがたいなと思いますし、いろいろな芸能人の方もSNSで発信してくださっていて、驚いているところもあります。予想外に皆さんが物語の中に入ってくださっているので、楽しんで見ていただけているのかなと思いますし、もっと多くの方に見ていただきたいです」
――脚本はどのようにして作られたのでしょうか?
貸川 「脚本を担当してくださった橋部(敦子)先生と3人で打ち合わせをしたんですが、それぞれの結婚生活なども赤裸々に語って進めたのですが、奥さんにとっての旦那さんへの不満やしんどい思いはすごく切実で、その切実さはきちんと描きたいなと話しました」
狩野 「それぞれがパートナーとの生活などを話す中で出た内容も、脚本に盛り込まれているんです。具体的に言うと、深夜のシーンで、寝ている家族たちを起こさないようにレンジの『チン』という音が鳴る前に扉を開けたり、スーパーのシーンでは、原作は子どもがいなかったんですが、子連れにしてみたりとかですね」
――大倉さんも建石澪役の広瀬さんもすごく役にハマっていると思うんですが、2人をキャスティングしたのはどういった理由からなのでしょうか?
狩野 「元春については大学生~銀行員と、年齢にして10歳ぐらい年齢差がある役を演じていただかないといけないことと、『どうして俺はこんなことをしてしまったんだ』という情けない男が後悔して反省していく、身につまされている感じを表現してもらいたいと考えていました。そんな時、大倉さんの舞台やドラマを見て、元春はぜひ大倉さんに演じていただきたいと思い出演をお願いしました。広瀬さんは、高校生~疲れ果てている主婦、そしてバリキャリの銀行OL…と、いろいろな表情をドラマでは見せてもらっていますが、その全てをとてもうまく演じていただけると思ったのと、広瀬さん持ち前の明るさとか、かわいらしさとか含めて、大変すてきな方だなと思っていたので出演をお願いしました。実際お二人の演技は、『最高』です!」
――お二人の演技の中で一番印象に残っているシーンはありますか?
狩野 「失礼かと思いますが、大倉さんは不幸を表現するのがうまいです(笑)。先日放送された第5話の中で、元春が『お願いだから元に戻してくれ』と懇願する演技が素晴らしいです。あとこれからの元春が奈落の底に落ちていく感じの演技がたまらないです」
貸川 「狩野さんと私の、“大倉さんの後悔する顔が見たい”という要望にすごく応えてくれている感じですよね(笑)」
狩野 「そうなんです。一方で広瀬さんは元春を好きになっていく過程をすごく繊細にやってくださっています。第6話の最後の方に澪のアップのシーンがあるんですけど、その表情にグッときてしまいました…あれは見た人全員“ほれてまうやろー!”と思います!」
貸川 「あれはやられちゃいますよね! 第6話のシーンは二人共、とてもいいんです。第5話で元春が一度後悔して、『元に戻してくれ』と頼むけど戻れない。第6話からは過去を見るのではなくて、今の人生と向き合っていこうと元春の気持ちが変わります。澪への気持ちを一度閉じた上で、今の妻である沙也佳(瀧本美織)に向き合おうとするんですけど、やっぱり心に秘めた思いが漏れ出てしまう。でも、その本心を抑えている元春が、第6話以降、格好よく見えてくるなと私は思います。視聴者の方からは散々な言われようでしたけど(笑)、やっぱりそう見えるのは、大倉さんの面目躍如だなと。アイドルらしいなというわけではないですが、やっぱり格好いいなと思います。また、狩野さんも言われていましたが、広瀬さんの切ない演技は最高です」
――そのシーンは見どころですね! 最後に今後の物語の見どころを教えてください。
貸川 「第5話までは過去を振り返って、『あれがダメだった』『これがダメだった』と後悔していた元春でしたが、第6話からはちゃんと自分が選んだ人生を生きなきゃと思い直します。でもそんな矢先にいろいろな出来事が起きて、それに翻弄(ほんろう)されたり、今度は澪の気持ちの温度が上がっていってしまうし…みたいな感じで、これまでとまた変わった展開というところが見どころかと思います」
狩野 「たぶん、視聴者にとっては相変わらず元春はダメに見えるかもしれませんけど(笑)、貸川さんが言う通り第6話からは現実を受け止めようとします。ですが、自分だけではどうにもならない自分への“罰”のような出来事が次々と起きてしまって…。その果てに何が待っているんだろうなとか、『人生のあや』などを強く感じる展開に注目していただければなと思います」
――貸川さん、狩野さん、ありがとうございました!
「知ってるワイフ」第6話は本日午後10時から放送です。お二人の話していたシーンがどこに登場するのかも注目しながらご覧ください!
2月11日放送・第6話あらすじ
自分のせいで澪(広瀬)との結婚生活がうまくいかなくなったと気付いた元春(大倉)は、親友の津山(松下洸平)と澪の距離が縮まっていくのを見ていられず、小池(生瀬勝久)に「もう一度、過去を変えたい」と懇願するも「覆水盆に返らず。心の痛みはお前がこの人生で引き受けろ」と言われてしまう。元春は、現在の妻・沙也佳(瀧本)との円満な結婚生活を目指し、朝から掃除をして食事を準備。喜ぶ沙也佳は、今夜は話があるから早く帰って来てと頼む。
一方、澪は津山と朝デート。その頃、沙也佳はスケートボードに乗った男とぶつかりそうに。その男は剣崎家に配達もしている花屋の店員・上原(小関裕太)だった。昼休みに澪に津山との交際を応援すると告げた元春は、今の人生を充実させよう決意。翌日が澪の父の命日だと知った元春は、かつての自分を反省し津山に準備を手伝うよう助言し、津山の残業を肩代わり。沙也佳に遅くなるとメールするが、沙也佳は翌日こそ早く帰ってきてほしいと頼む。
翌日、元春は家路を急いでいたが、道でしゃがみこむ澪を発見。元春が声をかけると泣き出す澪。澪の母・久恵(片平なぎさ)の行方が分からないという。沙也佳のことが気になりつつ、久恵を一緒に捜すことに…。
【プロフィール】
狩野雄太(かの ゆうた)
株式会社フジテレビジョン編成部所属。本作のほかに、「デート~恋とはどんなものかしら~」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 (ともに2015年)、「世にも奇妙な物語」(20年ほか)などを手掛ける。
貸川聡子(かしかわ さとこ)
株式会社共同テレビジョン所属。本作のほかに、「1リットルの涙」(2005年)、「絶対零度 〜特殊犯罪潜入捜査〜」(11年)、映画「名も無き世界のエンドロール」(2021年)などを手掛ける。
【番組情報】
「知ってるワイフ」
フジテレビ系
木曜 午後10:00~10:54
取材・文/フジテレビ担当 H・A
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