「俺の家の話」濃すぎるキャストが大集合! 長瀬智也「新しい形のホームコメディーが生まれるんじゃないかな」2021/01/22
今夜(1月22日)スタートする連続ドラマ「俺の家の話」(TBS系)。主演・長瀬智也さんと脚本・宮藤官九郎さんの令和初タッグで描くのは、濃すぎる家族が織りなす王道のホームドラマです。2人はこれまで「池袋ウエストゲートパーク」「タイガー&ドラゴン」「うぬぼれ刑事」(全てTBS系)でタッグを組んでおり、いずれも大きな話題に。今作への期待も高まっています。
放送に先んじて行われた制作発表会見には、長瀬さん、戸田恵梨香さん、永山絢斗さん、江口のり子さん、桐谷健太さん、西田敏行さん、そして宮藤さんが登壇され、見どころや撮影でのエピソードを語ってくれました。
――“濃すぎる家族が織りなす王道のホームドラマ”ということで、皆さんの役柄をご紹介いただけますでしょうか?
長瀬 「観山家の長男・寿一を演じています。ピークの過ぎたレスラー役ということで自分にも重なる部分があったりだとか、おやじの介護のために実家に戻っていろいろなことに巻き込まれる42歳の男です。その辺りを楽しんでもらえたらな思っております」
戸田 「介護ヘルパーの志田さくらを演じています。私自身いまだに謎な役をやっております。本日はよろしくお願いいたします」
永山 「寿一の弟・踊介をやらせていただいています。今日はよろしくお願いします」
江口 「観山家で唯一の女性、そして寿一の妹役・舞を演じています」
桐谷 「観山家の芸養子・寿限無というキャラクターを演じています」
西田 「二十七世観山流宗家にして重要無形文化財『能楽』保持者の、いわゆる人間国宝・寿三郎を演じています。同時にこの子どもたちの父親でもあり、やがてくるであろうと老いと戦いながら、やがて介護される身になっていく老人という役どころです」
――役柄を少しお伺いするだけでも濃い家族ということが伝わりますね。そして、今作はプロレスと能楽という非常に珍しいコラボになっていますよね。実際演じられてみての感想や、今まで宮藤さんとタッグを組んだ作品との違いがあれば教えてください。
長瀬 「今まで宮藤さんと作った作品とはちょっと違う感じになるかなと、クランクインの前から思っていたのですが、始まってみるとやっぱり味わったことのない感覚になりました。セリフからいろいろなことを感じ取ってキャラクターの思いが募り、それが行動や言動になっていくっていうのは今までとは変わらないです。でもお互い年を取ったので、すごくシンプルなセリフでも、若かった時には表現できなかったニュアンスがあったなと感じることもあり、感慨深い気持ちになりました」
――インパクトの強いポスタービジュアルを街中でも見ることができますが、まず目に行くのが長瀬さんの筋肉だと思います。相当身体づくりをされたのではないでしょうか?
長瀬 「あれ、モザイクかけなくて大丈夫ですか?(笑)。身体づくりは毎日ヘビーメタルを聴いて闘争本能をかき立てながら頑張りました。体重は3カ月くらいで12kgくらい増やしました」
――では宮藤さんにお伺いします。先ほど長瀬さんから、年齢を重ねた今だからこそ発見することがあるというコメントがありましたが、宮藤さんはどう思われましたか?
宮藤 「この年末でタッグを組んだ作品の再放送を見返したのですが、すごく懐かしかったです。早口で大声なところとか。でも今作では若い時の作品のテンポを意識してもしょうがないなとも思いました。親の介護の話なので、タッチも全然変わってきますしね」
――長瀬さんのモノローグが印象的で、物語の展開でとても重要なポイントだと思ったのですが、その点はどういう思いで書かれましたか?
宮藤 「今まで長瀬くんにやってもらった役、特に『タイガー&ドラゴン』とかは、思ったことを全部口に、声にしていう役柄だったので心の声は必要なかったんですけど、今回はちょっと不器用で思ったことを言えないところが重要な役柄の一つなのかなと思ったので、モノローグで表現することにしました」
――戸田さんは非常に謎の多い介護ヘルパー役ということですが、実際に演じてみていかがでしょう?
戸田 「撮影に入ってもよく分からない役柄が今回初めてなんです…(笑)。さくらが感情や心境を吐露する時もあるんですけど、断片的な人で多面性があるような役柄になっています。すごく不思議な女性なのですが、統一感があるようでないような、それがさくらなんだなっていうのがようやく分かってきた段階です」
――永山さんは今回、主演の長瀬さんとは初共演ということですが、共演の感想をあらためてお伺いしたいです。
永山 「もう本当に毎日幸せですね。僕たち世代の人にとってヒーローのような存在なので、学生時代の自分に『長瀬さんと共演することになるんだよ』って教えてあげたいです。現場でも、笑顔でうそのないありのままの姿でいる長瀬さんが、自分のが想像していた通りの方で、本当にこういう人なんだ!っていう、うれしい気持ちが強いです」
長瀬 「照れますね(笑)。まだ撮影は始まったばかりなので、残りの時間で皆さんともたくさん触れ合っていきたいなと思います」
――江口さんは観山家の中で唯一の女性。そして夫が自称ラッパー兼ラーメン店経営者のロバート秋山さんという、非常に個性豊かなキャラクターに囲まれていると思います。演じてみていかがですか?
江口 「やっぱりすごく皆さん面白い方たちばかりですし、秋山さんはすごく紳士な方で、一緒にいて楽しいですね」
――息子役の道枝駿佑さんとのシーンも楽しみです! 桐谷さんも長瀬さんと宮藤さんとは長いお付き合いだと思います。今回の寿限無というキャラクターを演じてみていかがでしょうか?
桐谷 「宮藤さんの脚本では緑色の鬼とか、妄想しまくってる係長とか、ちっちゃいTシャツ着てる人とか、ちょっと変わったキャラクターが多かったんですけど、今作では能楽師という役をやらせてもらえるんだと知って、すごくうれしかったのを覚えてます。なので、それはもう一生懸命演じさせていただいています」
――長瀬さんとの共演シーンも多いと思います。何か撮影でのエピソードあったら教えてください。
桐谷 「長瀬くんとは個人的にも15年くらいのお付き合いになっています。今回の役柄も幼い頃からの間柄ということで、そこの空気感を自然に作れるというのはすごくありがたいことですね。でも、そこに甘えないようにもっといい空気を出せるように頑張っています」
――能の稽古などもしていらっしゃるんでしょうか? 苦労した点などはありますか?
桐谷 「能楽師の役なので、一生懸命稽古しています。声の出し方自体がもう本当に難しかったです。丹田から、おへそ下のところから声を出していくことが全然できなかったので、家とか車の中とかでずっと声出しして練習してました(笑)」
――西田さんもお二人とは非常に長いお付き合いだと思います。今回の長瀬さんとの共演について感想をお聞かせください。
西田 「本当にうれしいオファーでした。ぜひまたやりませんかと言われて、二つ返事でOKを出しました。40代は、70代から見ても最も働き盛りの世代です。その世代の長瀬くんが表現者としてどんなドラマを作っていこうかってことを考え、宮藤さんに相談を持ち掛けてこの企画が生まれたと聞いています。TBSではホームドラマという形で名作がたくさん残されています。そのわだちはちゃんと追いかけながら、新しいアイデアを全面に取り込んでホームドラマを作っていくっていう姿勢が素晴らしいと思いました。第1話を先に見させていただきましたが、ホームドラマの神髄を感じることができました。古くて新しい。そして面白くて悲しいです」
――長瀬さんとの親子役は2回目ですが、父役を演じる長瀬さんは初めてだと思います。
西田 「そうですね。でも全く違和感なく見ています。そして、長瀬くんの息子役を羽村仁成くんが演じていて、障害がある子ども役をものすごく自然に演じられているんです。本当に素晴らしいキャストが集められているなと思いました」
――ますます親子シーンを見るのが楽しみになりました! 宮藤さんは第1話のお気に入りのシーンはありますか?
宮藤 「戸田さんと西田さんの出会いのシーンが面白かったですね。マスクを取ったらその下でこんな顔してんのかっていう、マスクをこういうふうに使うのか!っていう驚きの演出ですごく面白かったんで、喫茶店で笑ってしまいました(笑)」
――では最後に、長瀬さんから視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。
長瀬 「今作は正直、テレビの連続ドラマのキャパを超えてるんじゃないかなと個人的には思ってます。能とプロレスというコラボレーションを実際に自分も経験させてもらって、思うことがたくさんありました。その良いところも悪いところも伝わったらいいなと思ってますし。そして、ここにいる家族の絆や、もうみんないい年なので、そういった一人一人の積み上げてきた気持ちや思いが交差します。少しでもおうちにいらっしゃる時間のお供になればいいなというふうに思って日々撮影しています。きっとまた新しい形のホームコメディードラマが生まれるんじゃないかな。3カ月間、僕らも励みたいと思いますので、ぜひ楽しみに毎週見ていただけたらうれしいです!」
第1話あらすじ(1月22日放送)
プロレスリングでマットにたたきつけられ、ロープへ投げ飛ばされながらも、ブリザード寿こと観山寿一(長瀬)は、自分の家族について思いをはせていました。寿一は幼少時代、重要無形文化財「能楽」の保持者である父の寿三郎(西田)から一度も怒られたことがなく、一緒に悪さをしても、怒られるのは弟子で芸養子となった寿限無(桐谷)のみ。しかし寿三郎は、初舞台以降「神童」と讃えられた寿一を褒めることもなく、それが幼い彼の心を傷つけていました。やがて反抗期を拗らせた寿一は、母の死後、家を出てプロレスラーの道へ進むことに。そこには、寿一が憧れていた家族の形があったのです。
さらに時は流れて現在。ピークを過ぎたレスラーとなった寿一の元に、寿三郎危篤の知らせが飛び込んできます。急いで病院に駆け込んだ寿一は、久しぶりに会った弟の踊介(長山)と妹の舞(江口)から、一昨年に寿三郎が脳梗塞で倒れたことを聞かされます。別れのあいさつは2年前に済ませたと、遺産や相続の話を始める弟妹に激高する寿一。そして寿一は二十八世観山流宗家を継承すべく、プロレスラーを引退することを決めます。引退試合を終えた寿一を待っていたのは、寿三郎が退院したという知らせでした。一門の幹部、そして家族を前に、これまでの威厳はどこへやら、デイケアサービスで寿三郎の担当ヘルパーだった志田さくら(戸田)と結婚すると言い出した寿三郎。あっ気にとられる寿一ら家族をよそに、自身の余命とすべての遺産をさくらに相続すると告げ…。
【番組情報】
「俺の家の話」
1月22日スタート
TBS系
金曜 午後10:00〜10:54
※初回は10:00~11:09
TBS担当 A・M
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