光秀の盟友・細川藤孝役の眞島秀和が長谷川博己や滝藤賢一と共演して感じたこととは?2020/12/27
大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合ほか)の第37回(12月20日放送)で織田軍に捕らえられ、はだしで歩かされている足利義昭(滝藤賢一)の姿は、室町幕府の終焉(しゅうえん)を意味しているようでした。同時に、幕臣として義昭に仕えていた三淵藤英(谷原章介)も二条城で投降。明智光秀(長谷川博己)と織田側についた弟・細川藤孝(眞島秀和)と再会するも、兄弟の思いはすでに大きく異なっており、光秀と初めて会った時のような仲良し兄弟には戻れないんだなと思うと、切なさがこみ上げてきます。
今後、織田の家臣として、光秀とさらに懇意になり、後に盟友ともいわれている細川藤孝を演じる眞島秀和さんから、人物像や大河ドラマに対する思いについて伺いました。
――藤孝を演じる前と演じてきて、その印象や捉え方などに変化はありましたか?
「演じる前の印象は、歴史上の人物の印象通りで、オールマイティーにいろんなことができる人物として捉えていましたが、実際に撮影に入ると文化的な側面を描いている場面はあまりなくて…。若い時に理想に燃える熱い志を持っていた人が徐々にバランス感覚に優れた人物になっていったのかなと思っています」
――藤孝についてはご存知でしたか? また、藤孝を理解するために台本以外に参考にしたものはありますか?
「知っている人物ではあったんですけれども、詳しくなくて…。戦国時代については、地元の山形や会津地方の人物や武将の方に思い入れがあって、子どもの頃にハマっていた戦国時代のテレビゲームでも地元の武将を選んで遊んでいたので、京都方面がどうなっているのかを実はそこまで知らなかったんです。こんな複雑なことになっていたんだという勉強にもなりましたね。藤孝については、書かれている本や自分で調べられる範囲で資料を読みました。撮影に入る前にプロデューサーや監督から、熱い人物ということを伺っていたので、それをベースにして演じています」
――大河ドラマのご出演は3作目ですが、ご自身にとって大河ドラマはどんな存在ですか?
「ここまで長いスパンで関わらせていただくのは初めてなんです。僕は米沢出身で伊達政宗のふるさとでもあるので、大河ドラマの入り口は子どもの頃に見た独眼竜政宗でした。大好きで全話見ましたし、歴史が好きになったきっかけにもなったドラマなので、大河ドラマへの出演は、他のドラマとはちょっと違った身の引き締まる思いがあります。子どもの頃の思い出もあるので、特別な作品に携わらせてもらうという感覚です。また、本当にそうそうたる役者陣がそろっているので、その中で演じる楽しさもあれば怖さもあって、かなり緊張する現場だと思います。怖さに回数は関係ないですね」
――「麒麟がくる」は長谷川さんをはじめ、眞島さんと同世代の役者さんが多いように思います。同世代の皆さんとの撮影はいかがでしょうか?
「ものすごく楽しいです。長谷川くんとは同い年で、物語の序盤から2人で撮影するシーンが多かったんです。途中からは、新しい義昭像を目指して演じている滝藤くんも入ってきて…。滝藤くんは僕にはない個性を持っていて、本当に素晴らしいなと思って見ています。具体的に言うと、表情がとても豊かなところ、そして分かりやすく言うと、目が大きいことですね(笑)。同世代でも違いがあって面白いなと思っています」
――一方で、幅広い年齢の役者陣が集まっているのも大河ドラマの魅力ですが、印象に残っている役者さんはいらっしゃいますか?
「そうそうたる方々の中でやらせていただいているので、現場で『皆さんすごいな』と思うことの連続です。実際に現場でお会いする機会はなかったですけれども、本木(雅弘)さんの斎藤道三に関してはオンエアを見て、すごいなと思いました」
――歴史好きの眞島さんから見た今回の光秀はどういうふうに映っていますか?
「謎の多い人物なので、フィクションの部分はかなり多いと思うんですが、印象はいろんな人物をつなげた人です。すごくフットワークも軽いし。長谷川くんが演じているということもあって、とてもひょうひょうとしていながらも、爽やかなイメージになっていっていますね」
――藤孝は盟友として知られていますが、光秀とのシーンで印象的なものはありますか?
「2人で話すシーンはたくさんあるので選ぶのは難しいですね。光秀のもとに水あめを持ってお見舞いに行くシーンは長いセリフのやりとりがあり、撮影初日ということもあって印象に残っています」
――光秀が藤孝と共に幕府を立て直そうとする場面では、幕臣同士の心理戦が描かれていましたが、それについてはどう感じましたか?
「いつの時代でもいわゆる旧体制といわれている人たちと、新しく何かを始める人たちは常にぶつかるんだなという印象があります。新しく何かを変えていきたかった光秀と藤孝は、すごくもどかしさを抱えながらやっていたんだろうなと想像しながら演じました」
――第37回(12月27日放送)で、藤孝は兄の三淵藤英(谷原章介)と意見が分かれて違う道を歩みますが、それについてはどのように考えていらっしゃいますか?
関連記事
- 「麒麟がくる」朝倉義景役のユースケ・サンタマリア「頭にサザエをかぶっていて、戦う気ゼロだなと(笑)」
- 「麒麟がくる」室町幕府最後の将軍・足利義昭役の滝藤賢一。「重要なキャラクターと聞いてプレッシャーしかありません(笑)」
- 「麒麟がくる」筒井順慶役の駿河太郎。敵対する松永久秀役・吉田鋼太郎との共演で心に決めていることとは?
- 「麒麟がくる」“イケオジ大集合?”の舞台裏を演出・藤並英樹に直撃! 吉田鋼太郎のコメントも
- 「麒麟がくる」三淵藤英役の谷原章介は脚本家・池端俊策にキャラクターを見抜かれている!?
- 眞島秀和「撮影前に“パグ太郎”を家に連れて帰ってかわいがっていました」。「おじさんはカワイイものがお好き。」に主演!
- 光秀役の山田孝之の顔が出てこないのはなぜ? 「光秀のスマホ 歳末の陣」で気になったことを制作陣に聞いてみた!
- 大河ドラマ「麒麟がくる」
関連リンク
この記事をシェアする