光秀役の山田孝之の顔が出てこないのはなぜ? 「光秀のスマホ 歳末の陣」で気になったことを制作陣に聞いてみた!2020/12/25
――スマホの画面の中の話になるんですが、もし戦国時代にあったらありそうなアプリがとてもリアルに作り込まれていますが、あの発想はどこから来たんですか?
「さまざまな外部の方に力を貸していただいているんです。その中の1人にスエヒロさんという戦国時代のものを現代的に置き換えてTwitterで発信している方がいらっしゃって。“本能寺の変”直前の信長のタイムラインや、『なんか騒がしいですね、ちょっと見てきます』と森蘭丸からLINEのメッセージ、信長が光秀との間で既読無視をしているなど、自分がやりたいことと同じようなことをされているので、企画が通った時にすぐに会いに行きました。スエヒロさんと『光秀のスマホにどんなアプリが入っていたらいいですかね』と相談しながら作りました」
――ということは、光秀のスマホで一瞬見えるトーク一覧などにある細かい小ネタもそうですか?
「そうですね。脚本が出来上がった段階でスマホの流れをくんで、例えば、光秀が信長とトークしようとタップする途中、トーク一覧が見えた時に一瞬見えるものとして何を入れるかを一緒に考えました。この頃は、足利義昭と仲が悪いから未読、通知オフにしちゃえとか、斎藤義龍から執拗(しつよう)にメールが来ていたら面白いなとか、読まないまま30件くらい放置している様子から、その人がどんな人なのかが伝わる。ホーム画面を誰かに見せるって恥ずかしいじゃないですか。『こんなゲーム入れているんだ』とか、『通知すごい、未読多くない?』とか(笑)。性格がスマホ画面1枚で分かる。それがつながっていくとそのキャラクターがより立体的に浮かび上がるのがスマホの良さだなと」
――それぞれのアプリはどのようになっているんですか?
「実はアプリには新技術が使われているんです。スマホ画面は合成だと思われている方がいらっしゃいますが、中の画面はほぼ作り込んでいて、タップすると本当に文字が出ます。本当のスマホの状態を仮想で作っているんです。しかも、役者自身で触っているので、自分の間合いで演技ができるんですよね」
――触れるなら触ってみたいです! 光秀のスマホ画面も面白かったですが、秀吉のスマホ画面はどうなっているんですか?
「秀吉のホーム画面は金ぴかです(笑)。よく使うアプリ“FUMI”は光秀と一緒ですが、やりとりやスタンプが違うことがあります。あとは“石垣積む積む”というゲームやマッチングアプリも出てきますね。ドラマの中で秀吉が“UnuTube”の“積む積む”攻略動画を見たりします」
――スタンプもそれぞれのキャラクターに合っていて、楽しいです。…正直に言うと、欲しいです!
「スタンプは皆さんに使っていただけるように動いてはいるのですが、いろんなハードルがあって…今のところ、未定です。今回は女性がいっぱい出てくるので、新作スタンプも登場するんです。おねや秀吉の側室・南殿(小島みなみ)が使うスタンプがあるので、本当ならばすぐにでも皆さんに使っていただきたいんですけどね。めどがたったらTwitterでお知らせします」
制作の舞台裏が気になる!
――ドラマではほぼスマホ画面だけが写っていますが、どうやって撮影されているんですか?
「スマホ自体に一眼レフカメラを固定し、カメラと一緒にスマホが動くように見えないところでくっつけて、役者さんが首からかける形で撮影しています。なので、役者さんがカメラマン兼、演技兼、スマホの操作をすることになるんです。山田さんは大変だったと思うんですけど、おかげで、光秀が『えっ!』と驚いてスマホを動かす感じがリアルに伝わるようになりました。また、光秀の足が見えるのは、合成だと思われないようにあえて入れているんです」
――そんなことになっていたんですね。撮影するにあたって、どんなことが大変でしたか?
「前回でいえば、最後に光秀が刺されるシーンは何回も撮りました。光秀の顔が見えないように撮影するのが大変で…。真夏の暑い中、何回も山田さんに倒れてもらってOKが出た時はみんなで喜びましたね。信長に蹴られるシーンもスマホを飛ばすわけにはいかないので、立ち上がって蹴られた足が見えたら、カメラマンが受け取って、照明などが見えないようにするのが大変でした。今回はおねのシーンですね。長いワンカットでめちゃくちゃ寒かったし(笑)。氷点下の中、吹きさらしの場所で撮影しました」
――撮影も大変なのに、暑かったり寒かったり、気温にも振り回されていたんですね(笑)。しかも、山田さんがセリフを言いながらスマホを触り、撮影まで…。
「山田さんは覚えることが多いので、難しかったら声だけ入れてもらうことも考えていたのですが、めちゃくちゃ勘が良くて、『これで行けるな』と思った時はうれしかったです。今回は和田さんが同じことをやっているので、『これ、やってたんだ。山田孝之~って』と、おっしゃっていました。だから、光秀と秀吉のスマホ操作や指の違いも楽しんでもらいたいですね。例えば、光秀の方がうまいということは、山田さんの方がフリック操作うまい(?)とか想像するのも楽しいかもしれません(笑)」
――ありがとうございました! 光秀と秀吉の違いを楽しみながら、拝見したいと思います!
10月に放送された「光秀のスマホ」を見逃した皆さん、そして、もう一度見たいアナタに朗報です! これまでの「光秀のスマホ」はYouTube(https://youtu.be/yCLrc198zzo)でも見られるので、「歳末の陣」の前にぜひ、ご覧ください!
【番組情報】
「光秀のスマホ 歳末の陣」
NHK総合
12月25日 金曜 午後10:00~10:50
NHK担当 K・H
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