「NHK杯2020」男子シングルは鍵山優真選手が初優勝! 試合後の記者会見をリポート2020/12/02
11月27~29日、大阪・東和薬品RACTABドームで「NHK杯2020」が開催されました。男子シングルは、初出場の鍵山優真選手が4回転ジャンプを次々と決める圧巻の演技を披露。ショート・フリーともに1位の合計275.87点で、シニアグランプリシリーズ初優勝を果たしました。
そして、2位は合計226.62点の友野一希選手。昨季から継続となったショートプログラム「Chroma-The Hardest Button To Button」では、動きと曲の一体感がさらに高まり、観客を自身の世界に引き込みました。
3位は、217.56点を獲得した全日本ジュニア王者の本田ルーカス剛史選手。フリー「映画『007』より」では、ジェームズ・ボンドになりきったスタイリッシュかつエネルギッシュな演技で観客を大いに沸かせました。
フリー後の記者会見の模様を紹介します。
【鍵山優真選手】
――優勝おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください。
鍵山 「素直にすごくうれしいです。初めてのグランプリシリーズで優勝できたというのは、すごくいい経験になったと思います」
――6分間練習では、どんなことを考えていましたか?
鍵山 「昨日は少し慎重になってしまったので、今日はとにかく最後まで思いきりやろうと思っていました」
――演技前、鍵山正和コーチにはどんな言葉をかけられましたか?
鍵山 「『常にチャレンジャーだから、練習通りに思いきり最後までやってこい』と言われたので、頑張ることができました」
――冒頭の4回転サルコウは、出来栄え点が4点を超える見事なジャンプでした。
鍵山 「感触的に練習よりもいいものが跳べました。その加点がもらえてすごくびっくりしています。フリーの4回転はどれもうまく跳べたので、よかったなと思います」
――表現の面は、自分でどう評価されていますか?
鍵山 「ジャンプのつなぎの部分や最後のステップの部分で、体が動きや表情をその曲調に合わせてうまく切り替えることができたので、自分的にはすごく頑張ったかなと思っています」
――あえて課題を上げるとしたら、どんな点でしょうか?
鍵山 「後半のルッツ-ループの2本目(セカンドジャンプ)が抜けてしまったので、そこをもっと練習すること。後は、スピンもちょっと回転が遅めだったと感じたので、もっと練習をしていきたいと思っています」
――12月の「全日本選手権2020」、そして、その先の目標を教えてください。
鍵山 「全日本ではショートもフリーもノーミスでそろえて、トップを目指していけたらいいなと思います。将来、オリンピックに出てトップで戦うためには、全日本でもトップにならないといけないので、全日本までの間、もっともっと努力して頑張っていきたいです」
――表彰式でメダルをじっと見つめていましたが、何を考えていましたか?
鍵山 「もちろん『うれしいな』って考えてたんですけど…。じっと見ていたのは、どっちが裏か表か分からなくてちょっと戸惑ってしまって…(苦笑)。でも、自分でメダルを(自分の首に)かけた時に『優勝できたんだな』って実感が湧いてきて、とてもうれしく思いました」
【友野一希選手】
――6分間練習はどのような気持ちでしたか? また今日の感想を教えてください。
友野 「公式練習、6分間練習とすごくいい感触でできていたんですけど、最後の最後で少し攻めきれなかった部分がありました。最初から最後まで少し丁寧にいき過ぎたので、それがダブル(2回転)になる失敗につながったのかなと思います。練習してきたことを信じてできるように、もっともっと練習が必要だなと思いました」
――今回の大会でよかったと思う点を教えてください。
友野 「ポジティブに、ここ(NHK杯)でのミスが次につながる、いい経験になったと思います。この悔しさを忘れずに、全日本に向けてしっかり練習していきたいと思います」
――今回は有観客での試合となりましたが、いかがでしたか?
友野 「本当に久しぶりに皆さんの前で演技ができて、すごくよかったなと思います。ありがとうございます」
――前半に3本の4回転ジャンプを入れる構成の手応えはいかがでしたか?
友野 「前半に4回転を固める方が自分には合っていると思いますし、前と比べていい練習ができています。鍵山選手や佐藤駿選手もこういう構成でやっていて、それを参考にして構成を変えたので。今日はミスが出てしまいましたが、僕はアクセル(ジャンプ)が得意なので、後半にアクセル2本の方が気持ち的に楽な部分があるので構成を変えてよかったと思います」
【本田ルーカス剛史選手】
――3位という結果について、感想をお願いします。
本田 「昨日(ショート)も3位になったことに本当にびっくりして、今日(フリー)も全然いい演技ではなかったのに、この位置(3位)で終われたことは驚いています」
――フリーを滑った感想をお願いします。
本田 「体力面だったり、しばらく練習を詰められていなかった部分があったので、全日本ジュニアもそうだったんですけど、不安なところが多かったです。でも、コレオシークエンスがあって、僕自身が踊るのがとても好きなので、楽しんで演技ができたと思います」
――今後の目標を教えてください。
本田 「全日本ジュニアとNHK杯で出た反省点、この二つを直していかないと今後の試合では上にはいけないと思います。結果はとてもうれしかったんですけど、それにおごらずに、自分の思うようなスケートができるように、課題を克服していきたいと思います」
なお、発売中の「KISS&CRY 氷上の美しき勇者たち2019-2020シーズン総括&2020-2021シーズン展望号」(表紙・巻頭特集:羽生結弦選手/KISS&CRYシリーズVol.34)でロングインタビューを掲載した山本草太選手は、合計190.19点で8位に。実力が発揮できず悔しい結果となりましたが、山本選手は「自分の弱さを全日本選手権前に教えていただけてよかった」と前向きに語り、「氷に入った瞬間や僕の名前がコールされた時、お客さんがたくさん拍手をくれて、(自分の名前が入った)バナーがたくさん上がっていました。そうやって僕に気遣いをしてくださる方々に感謝の気持ちを表したいです。そういう皆さまに喜んでもらえるような、パワーアップした演技を全日本選手権でできるように頑張ります」と意気込みました。
選手たちの次なる戦いの舞台は、12月23日から長野・ビッグハットで開催される「全日本選手権2020」。年内最後の大舞台に挑む選手たちを、全力で応援しましょう!
【番組情報】
「2020NHK杯フィギュア『総集編』」
NHK総合
12月12日 午後4:25~5:15
写真/代表撮影
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